グループ企業をもつ上場会社の場合、
連結決算を実施したうえで
連結財務諸表を開示することが必須です。
昔は、連結決算が必要とされない時代もありましたが、
現在のように多くの上場会社が
グループ企業を有する時代においては、
親会社の決算書よりも、
連結グループとしての決算書の方が
意味があるということです。
たとえば、親会社で黒字が出ていても
子会社で多額の赤字があれば、
グループ全体としては危機的な状況です。
投資家にとって興味があるのは、
グループ全体の経営状況なのです。
そのため、上場会社では、
四苦八苦しながらグループ全体での経営管理を実施し、
連結財務諸表を作成するのです。
一方で、上場してない会社や
中小企業、小さな会社はどうでしょうか?
上場をしていなくても、
複数の会社を保有してグループ経営をしている会社は
多く存在すると思います。
そのような中小企業や小さな会社は
連結決算をしているのでしょうか?
残念ながら、上場していない場合には、
連結決算をしている会社は少ないです。
上場会社のように法律で義務付けられていないため、
連結決算を実施しなくても法律的には問題ありません。
但し、会社の規模はどうであれ、
グループ経営という視点では、
——————————-
連結決算をしない状況は、
真のグループ経営をしているとは言い難い
——————————-
です。
連結決算をすると、
経営者として見たくない事実まで明らかになります。
多少の管理コストも増加します。
但し、このような現実から逃げていては、
戦略的なグループ経営はできません。
連結決算を実施したうえで、
連結グループベースで戦略を作り、
意思決定をし、実行していくことこそが、
連結シナジーを生む経営につながります。
よく「連結決算は難しい」というお話を聞きます。
これは、ある意味正しいと思いますが、
ある意味間違いです。
連結グループとして戦略を構築し、
連結シナジーを最大化するような意思決定をしている場合、
連結決算自体も自然とシンプルになります。
つまり、
————————————————–
連結グループ視点で経営を実行せず、
連結決算もしていない会社は、
グループ内が整理されておらずグチャグチャになり、
結果的に連結決算も複雑になる
————————————————–
のです。
グチャグチャになってからでは、
連結グループの中身を整理していくのは大変です。
複数会社を経営する小さな会社こそ、
グチャグチャになる前に、
社長自らが、
きちんと連結グループを戦略的にデザインし、
連結決算を実施する体制を整えることで、
真の連結グループ経営を実行していくことができます。
グループ経営が主流の時代において
連結決算が実施できる体制は、
会社が小さければ小さいほど競争優位になるはずです。
是非、連結決算を活用し、
現実(=連結グループの実態)を直視してみてください。
とくに、将来株式上場を考えている社長には
早い段階で連結決算にチャレンジされることをおすすめします。