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Vol.53 未上場だからこその連結決算

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前回のVol.52では、
上場を目指さない社長も、
「いつでも上場できる会社水準」
にしておくことを提案させていただきました。

上場会社に負けないレベルの
経営の「仕組み」の構築です。

たとえば、
複数会社経営をしている会社であれば、
上場会社に負けないレベルの
「グループ経営の仕組み」
の構築を意識していただきたいと思います。

そして、
このグループ経営の仕組みのなかで、
重要な役割を担うものとして、
「連結決算」
が挙げられます。

Vol.6

連結決算の必要性については、
Vol.6でも記載していますので、
そちらの方も是非参照していただきたいのですが、
グループ経営をしている上場会社では、
この「連結決算」が必須になっています。

上場していない会社の場合、
連結決算書の作成は求められていません。

但し、
上場の有無にかかわらず、
グループ経営を実践する限りは、
「連結決算の仕組み」
の構築に挑戦していただきたいと思っています。

連結決算というと、
複雑な決算手続きのように聞こえるかもしれませんが、
本当に重要なのは、
「連結決算を経営に活用する仕組み」
の構築と言ってよいでしょう。

Vol.53(1)

たんに連結グループの決算をまとめて
連結決算書を作る「作業」を導入しましょう、
というわけではありません。

私が言いたいのは、
たんなる「作業」としての連結決算ではなく、
グループ経営管理に直結する
「連結決算を経営に活用する仕組み」
の構築をすべきということです。

 

経営のための仕組みであるため、
上場しているかどうは関係ないはずです。

現実には、
未上場のグループ企業は、
まだまだ連結決算をしていない会社が多いので、
小さな会社、中小企業の場合、
連結決算の仕組みを経営に導入するだけで、
相当な競争優位になるはずです。

また、上場会社の場合は、
いろいろな規則によって、
経営に不要と思われる連結決算手続きまで
要求されることがあります。

一方、
未上場の会社であれば、
そのような規則にとらわれず、
グループ経営に有用な要素だけを取り出して、
連結決算の仕組みを構築すればよいのです。

Vol.53(3)

ということは、
グループ経営を実践する未上場会社こそ、
理想的な連結決算の仕組みができるはずなので、
連結決算の仕組みを導入することによる
メリットが大きいと考えています。

最初から、
「うちには連結決算は必要ない」
と決めつけずに、
まずは連結決算の「本質」について、
社長自らが理解していただいたうえで、
その必要性をご判断いただきたいと思います。

次回以降、
「経営者のための連結決算」
について、もう少し書いていきたいと思いますので。

もし仮に
将来株式上場をしたいと考えるようになったときには、
すでに連結決算の仕組みを導入していれば、
スムーズに対応をしていけるはずです。

実は、上場会社のなかでも、
「上場のために仕方なく連結決算を始める」
という会社が実際には結構あります。

Vol.33(2)

このような会社は、
経営に活用するための連結決算ではなく、
上場制度に対応するための連結決算を、
形だけ導入する場合が多いので、
経営には活用されない連結決算の「作業」に陥りがちです。

つまり、「作業=コスト」ということです。

グループ経営を実践するにあたって、
このような「作業」としての連結決算は、
本末転倒であり、
その効果も低くなります。

逆にコストというデメリットの方が
大きくなるかもしれません。

そう考えると、
上場をまだしていないということは、
連結決算の仕組みを導入するには、
ラッキーな状況と言ってもよいかもしれません。

上場制度に左右されず、
経営に必要な部分を優先して、
連結決算の仕組みを作れるからです。

いかがでしょうか?
少しは連結決算に魅力を感じていただけたでしょうか?

グループ経営に必要とされる
連結決算の「仕組み」構築に
腰を据えて取り組めるのは、
上場をしていない小さな会社や中小企業の
「特権」
なのです。

今はまだ、この「特権」について
実感していただけないかもしれません。

但し、
これまで多くの上場会社の
連結決算の仕組みを構築してきたので、
自信をもって断言ができます。

未上場のうちにこそ
連結決算の仕組みを導入すべきです。

ホールディングス経営においても、
必須の仕組みですし、
経営者としてモヤモヤとしている部分が、
クリアに見えるようになるはずです。

Vol.53(2)

小さな会社、中小企業だから
連結決算が重要なのです。

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