※平成28年4月22日に中央物産株式会社より適時開示されている「持株会社体制への移行方針決定に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。
内容
持株会社体制への移行方針決定
開示概要
●平成28年4月22日開催の当社取締役会において、
平成28年10月1日付(予定)で持株会社体制に移行する方針を決定し、
その本格的な準備を開始することを決議。
●持株会社体制への移行は、
平成28年6月下旬に開催予定の定時株主総会での承認
及び所管官公庁の許認可等が得られることを条件に実施。
持株会社体制移行の背景
●グループは、独自性のある付加価値を創出し続ける
「ユニークな価値創出型企業グループ」 を目指し、
常に消費者の立場で本質的に価値ある商品やサービスを提供していくことを
グループ基本理念に掲げ事業展開を行ってきた。
●理念を一層深化させ、
2020年に創業100周年を迎えるにあたって
“次の100年もユニークな企業グループとして発展し続ける”ために、
新たにグループビジョンを定めた。
●このビジョンを実現するためには、
持株会社が立案するグループ経営戦略の下に、
各事業会社が価値創造力を更に強化し、
迅速な意思決定のもと、
グループ企業価値を最大化できる経営体制を
構築することが必要であると考え、
グループ経営体制を持株会社体制に移行することとした。
持株会社体制移行の目的
●グループが今後の成長戦略を支える経営体制として
以下の目的で持株会社体制に移行する。
①グループ戦略機能の強化
持株会社体制に移行することで、
グループ成長戦略の立案機能と実現力を強化するとともに、
グループ経営の意思決定の迅速化を図る。
②グループ経営資源の配分を最適化
グループの経営資源を、
グループ成長戦略の実現を目的に最適に配分する。
③各事業会社の価値創造力強化
各事業会社は、グループ経営戦略に基づき、
それぞれの権限と責任の下、担当する事業に特化し、
市場ニーズを先取りした価値ある商品・サービスの提供を行う。
④経営者人材の確保・育成
事業会社のマネージメント経験などにより、
グループ全体の変革を推進する
次世代リーダー・経営人材の育成を図る。
純粋持株会社体制への移行方法
具体的な移行スキーム及び持株会社移行後の体制等は、
今後詳細な検討を実施し、 取締役会で決議次第、開示する。
Review
今回は、
「中央物産」の事例です。
ホールディングス移行方針を決定したとのことです。
私自身は、
同社に関する知識が不足していましたので、
今回は平成27年3月期の
招集通知を見てみることにしました。
すると、グループの子会社としては、
以下の6社があるようです。
(※同社の平成27年3月期招集通知より転載)
同社の事例をもとに今回改めて思ったのは、
——————————-
ホールディングス化する会社は、
子会社が100%子会社である割合が多い
——————————-
ということです。
統計はとったことはありませんが、
これは間違いないような気がします。
たとえば、今回の同社の
ホールディングス化の目的を見てみますと、
———————————-
①グループ戦略機能の強化
②グループ経営資源の配分を最適化
③各事業会社の価値創造力強化
④経営者人材の確保・育成
———————————-
といったような項目が挙げられています。
これらはホールディングス化の目的として、
一般的にもよく挙げられる項目です。
ただ、
これらの目的を追求していくにあたっては、
やはり100%子会社である方が、
実行していきやすいはずです。
もし100%子会社で無い場合には、
外部株主が存在することになりますので、
親会社として子会社を
完全にはコントロールができません。
つまり、
グループ戦略を考えるにあたって、
グループ全体のベクトルを合わせるためには、
すべての子会社が100%子会社であることが
理想的な形と言えるでしょう。
場合によっては、
戦略的に、他社と合弁で
子会社を作ったりすることはあると思いますが、
自社の経営資源が十分であれば、
本音としては100%子会社にしたいと
多くの会社が思うはずです。
そのため、
グループ経営を理想形に近づけようと思うと、
最初は仮に100%子会社でなくても、
徐々に経営資源を整えていき、
いずれは100%子会社にしていくことになるはずです。
そう考えると、
同社のようにすでに
100%子会社だけのグループ経営の場合には、
自ずと「ホールディングス経営」へ移行する思考に
なっていくのだと思います。
ホールディングス経営は、
「グループ経営」を専門化すること、
ですので。
逆に言うと、
ホールディングス化を検討する場合には、
まずは子会社をできる限り100%子会社にしておく、
というステップが有効なステップと言えるでしょう。
★★★★★★★
理想的なグループ経営にあたって、
最適な資本構成になっていますか?
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