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Vol.164 経営指導は誰のため?

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経営指導は誰のため?

前回の続きとして、
「経営指導料」
について書いていきたいと思います。

そもそも経営指導料の前提となる
「経営指導」とは、
誰が必要としているものなのでしょうか?

 

普通に考えると、
経営指導を受ける側、
つまり「子会社」側になるはずです。

そう考えると、
・親会社の立場として「経営指導」が必要
・グループ全体として「経営指導」が必要
という視点だけでは、
経営指導料の理屈を考えるには
不十分だと感じます。

 

そこで、
「子会社が親会社に望むこと」
について、
今回は少し整理したうえで、
経営指導料について考えてみたいと思います。

子会社にとって必要なこととは?

一般的に、子会社側は、
親会社からの指示・命令に苦しみながらも、
対応していることが多くあります。

たとえばですが、

「●●までに、このような資料を提出して!」
「グループとしての決まりだから、・・・」
「もっと売上を上げて!」
「■■をやるから、手伝って!」

等々。

 

親会社としては、
強く言っているつもりがなくても、
子会社側からすると、
親会社の発言はかなりの影響力があります。

また、
親会社ほど人材が揃っていない、
という実情もあったりするなかで、
わかっていても実行できないこともあると思います。

 

このような子会社の立場に立った場合に、
本当に必要な「経営指導」とは何なのでしょうか?

子会社が親会社に望むものは
何なのでしょうか?

 

それは、

——————–
親会社の「奉仕」
——————–

ではないでしょうか。

 

親会社が子会社に指示を出すことや、
いろいろな要求をすることは
当然のことですし、別に問題はありません。

ただ同時に、
子会社は親会社に
「『サーバント・リーダー』として行動してほしい」
と考えているのではないでしょうか?

親会社の奉仕とは?

親会社は、
グループ全体を引っ張り
グループ全体の企業価値を
高めていく役割を担っています。

いわゆる
「グループ・リーダーシップ」
です。

 

一方で、
親会社が良き「グループ・リーダー」として、
グループ全体を引っ張っていくためには、
ある要素が不可欠だと思います。

それは、
「サーバント(奉仕者)」
としての要素です。

 

逆説的ですが、

———————————-
リーダーであるためには、
サーバントである必要がある
———————————-

ということです。

 

親会社は、
子会社に奉仕し、支援することで、
グループ全体を導く
「グループ・サーバント・リーダーシップ」
が求められている時代なのです。

 

先ほど挙げたように、
子会社は親会社からの要望に、
苦しんでいるものです。

子会社側には、
あらゆる経営資源が不足していて、
対応したくても
対応できないことも多いのです。

このような子会社の立場を考えると、
子会社が親会社に求めていることも
見えてくるはずです。

 

つまり、
グループ・リーダーである親会社は、
子会社にいろいろな要望・指示を出す一方で、
その実現のためなら、
自ら進んで子会社をフォローしてあげるのです。

この姿勢こそ、
子会社が求めている
「親会社の奉仕」と言えます。

 

親会社が、
グループ全体のサーバント・リーダーとして
活躍するグループ組織こそ、
これからの時代に生き残っていく
グループ経営の姿なのではないかと考えています。

親会社の奉仕を前提とした「経営指導料」

最後に「経営指導料」の話題に
少し話を戻したいと思います。

子会社は「親会社からの奉仕」を
求めているということでした。

そうであるならば、
親会社が子会社へ奉仕することを前提に、
改めて「経営指導料」を考えてみてはいかがでしょうか?

 

ここでの「経営指導料」とは、
広義の意味で考えてみたいと思います。

つまり、親会社が子会社のために
実施してあげることによる報酬全般です。

 

表現が「経営指導料」だとわかりづらいので、
「サーバント収入」
と言い換えると分かりやすいかもしれません。

以下に、いくつか例を挙げてみたいと思います。

<サーバント収入の考え方>

■「やることがいっぱいあって、手が回らない」
⇒業務支援をしてあげる、人を派遣してあげる
⇒「業務受託収入」「出向料」

■「専門的ノウハウが無くて、できない」
⇒親会社が専門的機能を提供する
⇒「業務受託収入」「シェアード・サービス収入」

■「インフラが整備されていないため、できない」
⇒共通のITシステムのインフラを利用させてあげる
⇒「設備使用料収入」

■「効率的な実施する仕組みが無い」「いろいろな資料提出を求められる・・・」
⇒コンサルティングをしてあげる
⇒「コンサルティング収入」

 

上記は、あくまで考え方の例示です。

つまり、
子会社の立場からのニーズを起点に
親会社がやるべきことを考えていくと、
自ずと
「あるべき経営指導料=サーバント収入」
の形が見えてくるのではないかと考えています。

 

是非、一度、

————————————————-
「親会社=グループ・サーバント・リーダー」
という立場で親子間取引を考えてみる
————————————————-

ことをお勧めします。

★★★★★★★
経営指導料は、
子会社の立場で考えていますか?
★★★★★★★

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