子会社の情報を入手するのは大変
「子会社から正しい情報があがってこない・・・」
「子会社からの報告が遅い・・・」
このような状況はよくあると思います。
子会社からの情報といってもいろいろとあると思いますが、
たとえば、連結決算をするための情報を例にすると、
1社でも子会社の情報の精度が悪かったり、情報が滞ってしまうと、
グループ全体の数値作成に大きな影響があります。
今回はそのような状況における
親会社としての対応策について書いてみたいと思います。
要因を特定
まずは、子会社から適時に、
正しい情報があがってこない原因を考えてみたいと思います。
ざっくりと分類してみますと、
たとえば、
①子会社のリソース不足(知識面、業務量)
②子会社側のITシステム上の問題で情報がとれない
③親会社と子会社の認識相違
といった感じでしょうか。
現状の問題点をピックアップし、見える化したうえで、
それぞれの問題が上記①②③のどのよう原因によるものかを
分類していくことで現状を正しく把握することがスタートです。
対応策・改善案を検討してみる
現状の課題・原因を「見える化」できれば、
おのずと対応策も浮かんでくるものです。
たとえば、
「①子会社のリソース不足(知識面、業務量)」
に原因があるようであれば、
その不足を補う対策をしないと改善されない状況は必ず続きます。
子会社任せにしていても状況は変わりませんので。
この場合には、
やはり親会社の方が率先して子会社のリソース不足について検討をして
手を差し伸べながら改善案を一緒に検討していく必要があります。
知識面の不足であれば教育をしたり、
業務量的にキャパオーバーであれば、人材の効率活用や一時的な支援を含め
グループ全体として考えていく必要があると思います。
子会社だけでは解決したり、判断できないことも多いですので、
このような場面では、是非、親会社側が一緒になって考えてあげたいですね。
また次に、多くの会社で見られる要因の1つとしては、
「③親会社と子会社の認識相違」
という点も見逃せません。
期限や提出資料について、
親会社側と子会社側で認識が違ったりすることはよくあることです。
このあたりは、親会社側が面倒くさがらずに、
定期的に現状の課題のフィードバックや、
期限や提出資料に関する事前の連絡をする、
といったことを愚直に実施することで必ず改善がされていきます。
何より、親会社と子会社が定期的にコミュニケーションを図ることは、
グループ全体で業務をスムーズに進めるためにとても大切なことですので、
是非、この点は、意識的に取り組みたいところです。
あと、
「②子会社側のITシステム上の問題で情報がとれない」
といったことが原因の場合には、少し悩むところでしょうか。
改善にあたっては、
大きな経営判断が必要な場面もあると思います。
実際にこのような原因を改善しようとすると
システム改修・投資といった大がかりなことになる可能性もあるので、
改善したことによる効果と投資額との比較にはなると思います。
ただ、今の時代はITシステムへの投資はあまりけちりすぎると、
生産性が落ちてしまう場面も多いと思いますし、
IT投資をして改善をするなら、早く投資をして、
その分早く効果を得て、投資回収するほうが合理的です。
いろいろ判断が難しい面もあるかと思いますが、
システム的な問題点についてもきちんと見える化しておき、
経営判断のためのテーブルにのせておくだけでも重要なことです。
また、このような場面でも親会社側がリーダーシップをとって、
グループ全体最適になるような合理的な判断をしていくことも必要だと思います。
きちんと「アクションプラン」へ落とし込む
上記のように対策を検討した後は、
やはり「アクションプラン」としてきちんと計画に落とし込んで、
・いつまでに
・誰が
・どのように
改善していくのかを明確にしておきたいところです。
凝ったものでなく、簡単なものでも構いませんので。
私自身もクライアントの子会社業務改善をご支援する際には、
アクションプランを作って、項目によっては、
担当者名に私自身の名前を入れて対応をしたりしています。
私がクライアントへ改善案を提案することも多いのですが、
自分で提案をしておいて、私自身が担当項目を進められていなかったら、
誰も言うことを聞いてくれないですし、見本にもならない、
というプレッシャーをもって自分の名前をあえて入れたりしています。
ただ、漠然と
「改善しなければいけないね」
と思ったり、口にしているだけだと進まないものも、
きちんとアクションプランとして、
担当者・期限・ゴールの形を見える化するだけで、
当然ですが、改善は進むものです。
また、アクションプランの進捗については
週次で確認・レビューしていくのがよいリズムだと思います。
少なくとも週に1回は自分自身の行動を振り返ることができ、
一緒に取り組む仲間の行動も確認ができますので。
アクションプランはみんなにとって、
良い意味でプレッシャーにもなり、行動する仕組みにもなりますし、
また、1つでも2つでもアクションが完了し、
ステータスが「済」になっていくと気持ちがよいもので、
改善活動が自然と進んでいきます。
日々の日常業務に追われて疲れているなかでは、
どうしても、
「やらないといけないのはわかっているんですけどね…」
と、問題の先送り志向になりがちなものです。
そのような惰性を乗り越えるためにも、
面倒かもしれませんが、
アクションプランとしてやるべき行動の見える化はしたうえで、
定期的な行動の振り返りをしたいものですね。
★★★★★★★
子会社の業務改善には、
改善活動の見える化(アクションプラン)と
地道なレビューを続けることが大切
★★★★★★★