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【事例】株式会社NEW ART

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※平成29年3月31日に株式会社NEW ARTより適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成29年3月31日開催の取締役会において、
平成29年10月1日を目処に会社分割の方式により
持株会社体制へ移行する方針を決定し、その準備を開始することを決議。

●会社分割による持株会社体制への移行については、
平成29年6月下旬に開催予定の定時株主総会決議による承認
及び必要に応じ関係官公庁の許認可等が得られることを条件としている。

持株会社体制移行の目的

●グループを取り巻く環境は、
ジュエリー事業及びエステ事業においても、
競争が激化している状況ではある。

●但し、同社グループは、
積極的なコスト削減、営業改革、広告宣伝施策に取り組む等、
事業拡大を図ってきた。

●平成28年11月に、ジュエリー事業において、
海外初となる台湾及び中国への進出を決定し、
アジアにおける事業展開を本格的に推進している。

●このような事業環境の下、
更なる事業の成長及び企業価値の最大化のため、
・責任体制の明確化を図ること
・事業間のシナジー効果の最大化
・機動的な組織再編
・戦略的な事業提携
・コーポレートガバナンスの強化
等、グループ各社が事業環境の変化に
柔軟に対応できる体制を構築することが望ましいと判断し、
持株会社体制へ移行する方針を決定した。

持株会社体制への移行方法

同社を分割会社とする会社分割(吸収分割)により、
ジュエリー・アート事業を100%出資する子会社(分割準備会社)に承継させる予定。

会社分割日程

①持株会社体制移行準備開始承認取締役会:平成29年3月31日
②分割準備会社設立承認取締役会:平成29年4月下旬~5月上旬(予定)
③分割準備会社設立:平成29年5月上旬(予定)
④吸収分割契約承認取締役会:平成29年5月下旬(予定)
⑤吸収分割契約締結:平成29年5月下旬(予定)
⑥吸収分割契約承認定時株主総会:平成29年6月下旬(予定)
⑦吸収分割の効力発生日:平成29年10月1日(予定)

 

Review

今回は「NEW ART」の事例です

社名を見て、あまりピンとこなかったのですが、
昨年、従来の「㈱シーマ」が、商号変更した会社とのことです。

 

シーマといえば、数年前は赤字が続き、
業績的にも厳しい状況だった印象でした。

ただ、改めてこの2年間の業績を確認してみると、
かなり業績は上向き、大幅な利益を計上しているようです。

 

利益体質になり、社名も変更し、
さらに事業の多角化を推し進めている状況のようですし、
このようなタイミングでのホールディングス化は、
攻めの経営をつき進めていく意志表示のようにも受け取れます。

 

ちなみに、2016年7月15日には、
「株式会社NEW ARTの将来ヴィジョン
 10~15年後の売上1,000億円を目指して」
なるものが公表されています。

同社グループの売上規模が、
現在130億円程度のようなので、
売上高1,000億円を目指すとなると、
10年~15年で10倍くらいの規模にする、
という将来ヴィジョンです。

 

この「将来ヴィジョン」のなかでは、
5つの事業の柱として、
・ジュエリー事業
・エステ事業
・スポーツ事業
・婚礼事業
・金融事業
が掲げられていました。

それぞれの事業を、
売上規模として100億円以上の事業へ
育てていくという記載がありました。

 

この「将来ヴィジョン」は、
とてもチャレンジングな目標ではあると思いますが、
このような高い目標を達成するためには、
今回のホールディングス化の目的にもある
・責任体制の明確化を図ること
・事業間のシナジー効果の最大化
・機動的な組織再編
・戦略的な事業提携
・コーポレートガバナンスの強化
といったことができる組織体制になっていることは
不可欠な要素だと思われます。

 

ホールディングス経営という
新たなカタチの経営体制に変更することは、
高い事業目標達成への経営者としての意志表示ともいえるでしょう。

 

ちなみに、今回の開示の延長で、
今後予定されているグループ組織図として以下が掲載されていました。

 ※上図は同社開示資料より抜粋

 

事業としても多角化を推し進めていく印象ですし、
また、海外展開も拡大していきそうな印象です。

 

この組織図では、
上記の「将来ヴィジョン」で掲げられていた
5つの事業の柱である、
・ジュエリー事業
・エステ事業
・スポーツ事業
・婚礼事業
・金融事業
が、きちんと別子会社としてデザインされていて、
「将来ヴィジョン」にマッチしたグループ組織デザインの絵
きちんと描かれている印象を受けます。

 

変革期にある同社が
今後どのように変わっていくのか、
注目していきたいところです。

 

★★★★★★★
高い目標を支える
ホールディングス経営
★★★★★★★

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