サーバント・リーダーシップとは?
サーバント・リーダーシップとは、
いったいどのようなリーダーシップなのでしょうか?
1つの定義として、
「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、
その後相手(フォロワー)を導くものである」
というリーダーシップ哲学が、
「サーバント・リーダーシップ」
であると説明されています。
これは、
ロバート・K・グリーンリーフが
1970年に提唱したのが
始まりのようです。
リーダーである立場だからこそ、
周りや社員に「奉仕」をする。
この概念は、
一般的には逆説的な印象があるかもしれません。
ただ、
私のなかではとても違和感なく受け入れられました。
まさに、
日々自分のなかで感じていたことを言語化してくれた、
という思いの方が強く、
この言葉と内容を知ったときには、
ちょっとした感動がありました。
従来のリーダーシップとの違い
リーダーシップ論には、
いろいろな考えがあると思いますが、
一般的にイメージされているリーダーシップは、
そのカリスマ性と情熱で
全体を引っ張っていくような印象が
多いのではないでしょうか。
これはこれで、
1つのあり方だと思います。
そのうえで、
「サーバントリーダーシップ入門(かんき出版)」
という書籍のなかに、
・一般的なリーダーシップ(≒従来のリーダーシップ)
・サーバント・リーダーシップ
の違いをまとめた以下のような対比表があります。
ここでいう「従来のリーダーシップ」は、
今となっては少し古い考え方も含まれていると思いますが、
サーバント・リーダーシップを理解するうえでは、
わかりやすい対比表だと思いますので、
参考までに掲載をさせていただきました。
グループ経営への当てはめ
グループ経営においては、
「グループ各社の経営をどうするのか」
といった切り口のテーマも当然ありますが、
それとは別に、
「グループ全体をどのように経営していけばよいのか」
といった切り口も重要な視点です。
この「グループ全体の経営」という切り口において、
「リーダーシップ」を考えてみると、
「親会社=リーダー」
「親会社がグループ全体としてのリーダーシップを発揮して、
グループ全体を導いていくべき」
というのが自然な考え方ではないでしょうか。
つまり、
親会社には、
「グループ・リーダーシップ」
が求められるということです。
このような前提において、
さらに「サーバント・リーダーシップ」という哲学を
グループ経営に当てはめて考えてみると、
どうなるかというと、
————————————————————
親会社=グループ・サーバント・リーダー(奉仕する側)
子会社=グループ・フォロワー(奉仕される側)
————————————————————
と表現できます。
当然、まずは「グループ経営者個人」が
サーバント・リーダーであることが求められますが、
そのうえで、親会社が
グループ全体のサーバント・リーダーとしての役割を
担うことになるといえるでしょう。
具体的には
上記に掲載させていただいた表をもとに、
「グループ・サーバント・リーダーとしての親会社」
の特徴を考えてみると、
以下のように表現できます。
—————————————————
□モチベーション
グループ組織上の資本関係に関わらず、
子会社に奉仕したいという欲求
□マインドセット
グループ全社が協力して
グループ目標を達成する環境で、
グループ全社がWin-Winになることを重視
(≒グループシナジー効果発揮を重視)
□影響力の根拠
子会社との信頼関係を築き、
子会社の自主性を尊重することで、
グループ組織全体を動かす
□コミュニケーション・スタイル
子会社の話を傾聴することが中心
□業務遂行能力
子会社へのコーチング・メンタリングから、
子会社と共に学び、
より良い仕事をする
□成長についての考え方
子会社のやる気を大切に考え、
子会社(社員)とグループ全体組織の
成長の調和を図る
□責任についての考え方
責任を明確にすることで、
失敗からも学ぶグループ環境を作る
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いかがでしょうか?
グループ経営という枠組みで
サーバント・リーダーシップを考えても、
全く違和感がないと思いませんか?
これからのグループ経営における
親会社に求められる役割は、
まさに「サーバント・リーダーシップ」だと
私は考えています。
ちなみに、
グループ経営の枠組みを
上表の「従来のリーダーシップ」についても
是非、当てはめてみてください。
もしかしたら、
現在のグループ経営の
親会社と子会社の関係と
一致する項目もあるのではないでしょうか?
もし、そうであれば、
親会社としてのグループ・リーダーシップのあり方を
見つめ直す良い機会になるかもしれません。
リーダーシップについては
唯一の正解がある話ではありませんが、
きっと現状の問題点を解決するヒントが
あるのではないかと思います。