記事一覧

Vol.245 小さな会社の「シェアードサービス」とITシステム投資

Pocket

シェアードサービスによるグループシナジー効果

連結グループ経営をおこなっていくうえで
グループシナジーの発揮は大きなテーマだと思います。

このグループシナジーには、
「収益面」と「コスト面」のシナジーに分けられますが、
このうち「コスト面」のグループシナジー効果の代表的な取り組みとして
シェアードサービスという考え方があります。

 

ホールディングス化を検討する会社の場合、
このシェアードサービス機能の活用については、
必ずセットで考えたいテーマです。

そこで今回は、グループ経営の現場における
バックオフィスの統合による「シェアードサービス」について、
お伝えしたいと思います。

 

バックオフィスのシェアードサービス

グループ会社が増えると、
それに応じてバックオフィス業務も増えていきます。

ただ、複数のグループ会社のバックオフィスを統合し、
グループ全体のバックオフィスを少人数で集中的・効率的に回すことができれば、
グループ全体で考えると、とてもメリットがあります。

 

グループ経営者であれば目指したい形だと思いますが、
このようなシェアードサービスを効果的な形で実現するためには、
以下のステップできちんと業務設計をしていく必要があります。

——————–
①業務の整理
②業務の標準化
③業務の統合・改善
④業務の効率化
——————–

 

なかでも重要なのが「②業務の標準化」になると思います。

つまり、
「グループ各社のバックオフィス業務を標準化すること」
を実現できないままバックオフィス業務を統合してしまっては、
各社にかかる作業量は変わらないため、効率化を実現できず、
結果的にシェアードサービスの効果は限定的になるということです。

 

小さな会社が「業務を標準化」するためには

私自身、「業務標準化」の支援は、
大好きな業務であり、これまでも取り組んできましたが、
このテーマはどちらかというと、
上場会社や規模が大きな会社でニーズがあったものでした。

規模の大きな会社は、
多くの社員が分業をしながら業務を進める「既存の形」がすでに存在し、
業務を変えたりしていこうと思うと、
実際には現場の抵抗があったりして簡単ではありませんでした。

 

この点で、業務の標準化への取り組みという点では、
小さな会社はとても有利な状況にあると思っています。

 

小さな会社は、
少ない人数で1人が何役も兼務しながら
業務をすることが多いです。

しっかりした分業という形も整備されていないなかで、
とりあえず目の前にある業務をこなしている、
といった状況ではないでしょうか。

 

そのため、既存の業務フローについて
こだわりがある場合も少なく、
過去の流れで今の形が出来上がっている
といったような状況も多いと思います。

現場では、業務効率が悪く、改善したいと思っていたとしても、
日々の業務に忙殺されて改善どころではない感じです。

 

ただ、このような小さな会社だからこそ、
実は業務の標準化は進めやすいように感じています。

業務に関与している人数も少ないですし、
今までのやり方に強いこだわりがあるわけではない状況なので、
より効率的な方法に「変える」ということに対する抵抗力は、
人数が多く、既存業務が確立されている大きな会社と比べて、
断然に小さいと思いますので。

 

理想的な業務プロセス

それでは、このような小さな会社は、
どのように業務の標準化を実現すればよいのでしょうか?

 

結論からお伝えすると
———————————————–
パッケージ化されたITシステムを導入して
それに業務の方を合わせる
———————————————–
ということです。

 

今の時代、企業経営において、
ITシステム活用は不可欠であり、ほぼすべての会社が
いろいろなITシステム、クラウドソフトを活用していると思います。

集客、営業といった売上に直結する部分は積極的にシステム投資をしながら
独自性のあるシステムを構築している会社も多いと思います。

 

一方で、バックオフィス業務においてはどうでしょうか?

 

それなりにITシステムを活用しているとは思いますが、
フル活用している小さな会社は意外と少ないように思います。

多くの場合、経営者の思いとして、
バックオフィスにあまりコストをかけたくない、
と考えることが原因の1つかと思っています。

 

但し、バックオフィス業務の標準化・効率化を実現し、
コストを削減するためには、
社員がアナログかつ独自のやり方で業務をするより、
ITシステムに投資をして、それをフル活用する方が
断然、効果が高い時代になっています。

というのも、小さな会社でも投資がしやすい金額で、
とても性能のよいITシステムが数多く登場しているからです。

 

とくにバックオフィス業務というのは、
会社によって独自性が強い部分は意外と少なく、
どの会社でも同じような業務が発生します。

そのため、
多くの会社で必要とされている機能と、
より効率的な業務の流れを前提として開発されている
市販のITシステムをフル活用した方が、
人がアナログに動くより、数段効率がよい状況が生まれます。

 

さらに、ITシステムに業務を合わせることで、
業務の標準化も実現でき、属人化を防止することもできます。

誰がやっても、グループ会社のどのバックオフィスでも
同じような業務フローを構築できるため、
シェアードサービスとしての高いシナジー効果が期待できます。

 

従来は小さな会社が投資できなかったようなITシステムが、
私の肌感覚では1/5~1/10くらいの投資額で導入ができる時代になっていると感じます。

小さな会社が、少ない投資で、
バックオフィスの標準化に苦しむ大きな会社に
追いつき、追い越すチャンスといえるでしょう。

 

そう考えると、小さな会社こそ、
ITシステムをフル活用すべきですし、
逆に、従来型の効率の悪いバックオフィスを継続している会社は、
競合他社との競争に後れをとることになってしまいます。

本当に、小さな会社にとって
恵まれた時代になりました。

 

ERPとは

ここで、小さな会社が
シェアードサービスを実現するために
導入すべきITシステムのイメージをお伝えできればと思います。

具体例として取り上げるのは、
マネーフォワードクラウドのシステムです。

 

他にもいろいろと便利なクラウドソフトはあると思いますが、
私自身がユーザーとしてマネーフォワードは活用していますし、
多くのクライアントにも活用していただき、効果を確認できているので、
自信をもってお勧めできるものとして
今回は「マネーフォワード」をベースにした内容となります。

 

まず、マネーフォワードで活用できる機能としては、
以下のような機能があります。

 

バックオフィス業務を全体的にカバーしつつ、
最終的な会計登録までリアルタイムでデータ連携し、
多くの部分を自動化することができます。

クラウド会計の領域だけでも活用すると便利ではありますが、
このような「ERP」の世界観を考えると、
請求や経費、給与、勤怠管理、といったあらゆるバックオフィス業務の機能を
一体でフル活用したほうが業務全体の効率は間違いなく上がります。

 

ちなみに、ERPとは、
「エンタープライズ・リソース・プランニング」
の略称ですが、
もともとは経営の効率化を図るための手法・概念のようですが、
現在は、これを実行するためのソフトウェアを意味するのが一般的です。

つまり、ERPは
●エンタープライズ=企業の
●リソース=ヒト、モノ、金、情報を
●プランニング=計画する
ためのシステムということで、
経営判断に直結するような重要な概念といえます。

 

参考までに、大企業で広く活用されていて
世界で一番有名と思われるERPベンダーのSAPに関する
「SAP 会社を、社会を、世界を変えるシンプルイノベーター」
という書籍からもERPの説明を少し引用させていただきますと、
以下のような記述があります。

ERPが果たしている役割は、
現実の企業活動をコンピュータ内に忠実に再現し、
あらゆるものを数値として記録することによって
経営資源を最適配置するための判断資料となるデータを経営者に提供する

ERPを活用することによって、
「モノの流れ」と「ヒトの働き」を
常にそのタイミングにおいて金額に換算することができる

 

当然、SAPとマネーフォワードでは、
これまでの歴史や技術、導入会社の規模といった点で、
まだ比べるステージではないと思いますが、
ERPの活用・考え方という点では、小さな会社にも参考になると思います。

 

マネーフォワードのような会社が登場することで、
小さな会社でも、ちょうどよいレベル感のERPシステムを
比較的低価格で導入できるようになったと考えれば、
小さな会社にとってはチャンスだといえるでしょう。

私自身、マネーフォワードのユーザーになってからは、
あまりにも便利すぎて手放せないツールになっています。

 

ちなみに、マネーフォワードの料金感ですが、
売上数億くらいまでは一番最低限のプランで、
年間の利用額も10万円~20万円程度で抑えながら、
ERPのような世界観であらゆるツールが利用でき、
各種機能(会計・請求・給与・勤怠・社保・経費、等)を活用し、
データのリアルタイム連携ができるようになっています。

仮にIPOを目指すといったようなステージになれば、
少しグレードの高いプランに移行して、よりERPの幅を広げた形の使い方になるため、
料金は上がってしまうと思いますが、それでも、
従来型のERPソフトと比べても低価格で実現できると思います。

参考:マネーフォワードについて

 

バックオフィスへのITシステム投資

多くの経営者が、
「付加価値の高い業務をしよう」
と社員へ伝えていると思います。

一方で、社員は日々の日常業務に忙殺され、
なかなか付加価値の高い業務に
時間を費やす余裕がなかったりするのも事実です。

このような状況では、
社員が付加価値の高い業務を実施していくのは現実的ではありませんので、
そのためには、付加価値の低い業務から社員の時間を解放してあげる必要があり、
これは経営者の重要な業務となります。

 

バックオフィス業務へのITシステム投資について
経営者として思い切って決断できるかどうかは、
最終的には社内全体の生産性にかかわってきます。

とくにグループ会社経営をするのであれば、
なおさら、ITシステム(ERP)へ投資をして
・バックオフィスの統合
・シェアードサービス機能の確立
を目指すべきだと思います。

 

グループ会社が増えれば増えるほど、
1社あたりのバックオフィスコストは下がり、
少人数でもレバレッジを効かせることができ、
ITシステム投資した金額以上のリターンが
きっと見込めると思いますので。

 

★★★★★★★
思い切ってバックオフィスに投資をすれば、
それ以上のリターンがある!
★★★★★★★

 

 

関連記事