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【事例】株式会社テンポスバスターズ

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※平成29年5月17日に株式会社テンポスバスターズより適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行及び子会社(分割準備会社)の設立に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成29年5月17日開催の取締役会において、
平成29年11月1日(予定)を効力発生日として
会社分割の方式により持株会社体制へ移行するために、その準備に入ること、
及び分割準備会社として100%出資子会社を設立することを決議した。

●会社分割による持株会社体制への移行については、
平成29年7月開催予定の第25回定時株主総会による関連議案の承認
及び必要に応じ所管官公庁の許認可等が得られることを条件に実施。

●同社は、グループ全体の戦略の構築、推進及び管理等の業務を行い、
各事業子会社の持株会社として引き続き上場を維持する予定。

持株会社体制移行の背景・目的

●飲食店開業に必要な厨房機器や備品等の提案、
不動産、内装、経営支援など、飲食店経営の全てをサポートし、
飲食店開業から運営のことならどんなことでも答えられるプロフェッショナル集団、
“フードビジネスプロデューサー”を目指して全国展開をしてきた。

グループの事業の多角化が進展する中、
グループのさらなる成長のため、以下の目的をもって持株会社体制へ移行し、
グループ戦略機能を担う持株会社と各事業会社を分離する方針を決定した。

①経営環境の変化に応じて経営資源を迅速かつ最適な形で配分できるようにすること
②共通業務の集約等による業務の効率化
③各事業子会社の意思決定の迅速化による戦略的かつ機動的な事業運営の推進
④監督と執行の分離を徹底させることによるガバナンス体制の一層の充実等

●持株会社体制への移行準備を円滑に進めるため、
事前に分割準備会社を設立することとした。

会社分割の方式

●同社を吸収分割会社とし、
完全子会社として新たに設立する予定の分割準備会社を
吸収分割承継会社とする吸収分割

会社分割の日程

①分割準備会社の設立:平成29年6月1日(予定)
②吸収分割契約承認取締役会:平成29年6月(予定)
③吸収分割契約締結:平成29年6月(予定)
④吸収分割契約承認定時株主総会:平成29年7月(予定)
⑤吸収分割の効力発生日:平成29年11月1日(予定)

 

Review

今回は「テンポスバスターズ」の事例です。

10社程度の子会社を持ち、
・グループ売上高:約280億円
・グループ営業利益:約20億円
といった規模感のグループ会社です。

 

同社のグループ事業の状況を
有価証券報告書(平成28年4月期)で
改めて確認してみました。

すると、以下のような
グループ事業系統図が掲載されていました。

有価証券報告書より抜粋

 

この図からわかることとしては、
あらゆるチャネル、サービスを活用して、
飲食業を支援していることがわかります。

 

今回の開示の中でも、

—————————————-
飲食店経営の全てをサポートし、
飲食店開業から運営のことならどんなことでも
答えられるプロフェッショナル集団、
“フードビジネスプロデューサー”
を目指して全国展開をしてきた
—————————————-

といった趣旨のコメントがありました。

 

また、今回の開示の中では、
「同社の事業が多角化してきている」
といった表現がありましたが、
なんでもいいから事業を多角化しているというより、
飲食業というターゲットにある程度絞ったうえでの
事業多角化といえるでしょう。

つまり、
・飲食店経営の全てをサポート
・飲食店開業から運営のことならどんなことでも対応できる
といったシンプルかつ明確なグループコンセプトのなかでの事業多角化です。

 

上図のグループ事業の系統図がシンプルかつわかりやすく表現できているのは、
グループコンセプトが明確である証拠だと思います。

多角化の種類にもいろいろありますが、
個人的には好きなタイプの多角化路線です。
おそらくグループシナジーも生まれやすい環境だと思います。

 

個人的には、同社のように、

—————————
グループの事業やグループ会社との関係を
シンプルに表現できるかどうか
—————————

は、かなり重要なポイントだと思っています。

グループ経営は自然と複雑化していきやすいものです。
そのため、自社のグループ事業がシンプルに表現できるかどうかは、
継続的に確認しておくと良いと思います。

 

そして、このような同社ですが、
今回ホールディングス化によって

———————————————
①経営環境の変化に応じて経営資源を迅速かつ最適な形で配分できるようにすること
共通業務の集約等による業務の効率化
③各事業子会社の意思決定の迅速化による戦略的かつ機動的な事業運営の推進
監督と執行の分離を徹底させることによるガバナンス体制の一層の充実等
———————————————

といった目的を掲げています。

グループが一体となって取り組んでいくことで
まだまだグループシナジーが出せるはずという思いが強くあるのだと思います。

 

ホールディングス化することで、
このあたりのグループ戦略をきちんと明確にし、
実行していけるような体制にしていければ、
まだまだ成長余地が十分にある会社だと感じます。

 

ちなみに余談になりますが、
以前、同社がカンブリア宮殿で特集されているときに、
結構印象的な会社だと感銘を受けた記憶があります。
(もちろん良い意味で、です)

今回、改めて同社の経営数値を確認したり、
グループの状況を確認してみたのですが、
グループ組織デザインが想像以上に明確であることや、
グループ業績も堅調に拡大していることを確認できました。

 

今後ホールディングス化することで
より戦略的にグループ経営に取り組むようですし、
今後の同社がどのように変わっていくのか。
純粋に興味深いところです。

 

★★★★★★★
グループ事業の関連図を
シンプルに表現できていますか?
★★★★★★★

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