M&AとPMI
近年、M&Aのマーケットが活況な状況が
続いているのではないでしょうか。
なかなか自社だけで拡大をしていくのは難しい時代ですので、
自ずとM&Aという方向に向かうのは自然な流れだと思いますが、
このようななかで、M&Aによってグループ化した会社が
期待した通りの成果を発揮できるように管理・支援していけるかで、
グループ経営の強さが変わってくると思います。
つまり、
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M&A後の統合プロセス(PMI)について、
きちんと仕組みをもっているかどうか
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という点ですね。
このPMIは、
親会社・ホールディングカンパニーが担う
とても重要な役割だと思います。
ちなみに、PMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)は、
野村総合研究所のサイトによると、
(1)経営統合(理念・戦略、マネジメントフレームの統合)
(2)業務統合(業務・インフラや人材・組織・拠点の統合)
(3)意識統合(企業風土や文化の統合)
の3段階から構成されると解説があります。
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/ha/pmi
確かに、この3段階については「なるほど」という感じですが、
これが難しいですよね。
とても難しい再建型M&A
私がこれまで業務で見てきた感じだと、
M&A後に期待通りに成果を出せている事例の方が
少ない気がしています。
とくに、業績に苦しんでいる会社をM&Aする再建型の場合には、
なかなか難しいといった印象です。
業績に苦しんでいる会社を
安価でM&Aして再建できれば理想的なのかもしれませんが、
現実はそんなに甘くない、といった感じでしょうか。
そのため、
自社において再建に関するノウハウ・仕組みがない会社の場合、
業績に苦しんでいる会社のM&Aは、
やはり慎重になった方がよいのではないかと思う次第です。
バフェットの名語録より
余談になりますが、著名な投資家のバフェット氏の名語録のなかに
まずまずの企業を素晴らしい価格で買うよりも、
すばらしい企業をまずますの価格で買う方がはるかに良い
(書籍「ウォーレン・バフェット成功の名語録」より引用)
というものがあります。
1960年代はじめに、
当時、繊維会社だったバークシャー・ハザウェイは
倒産しそうな会社だったらしいのですが、
企業価値に比べて、株価が極端に安かったようです。
そのため、バフェット氏は同社を経営権を取得したのですが、
実際には会社には残っている価値のあるものはなかったようです。
そればかりか、あらゆる問題が噴出し、
対応に時間とお金ばかりがかかって、
立て直しに努力はしたものの、結局、
繊維部門を閉鎖して、400人の社員を解雇し、
設備も安価で売却せざるを得なくなったということです。
確かに、業績が悪化すると、
それまで顕在化していなかったあらゆる問題が、
社員の不満とあわせて噴出してくる光景は、
本当に多くの会社でよく見る光景ですね…。
この経験から、バフェット氏は、
・困難なビジネスを立て直す難しさ
・強いブランド力をもつ会社を選ぶ重要性
について学び、
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まずまずの企業を素晴らしい価格で買うよりも、
すばらしい企業をまずますの価格で買う方がはるかに良い
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という結論に至って、現在のバフェット氏があります。
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