記事一覧

【事例】ミナトホールディングス株式会社

Pocket

※ミナトホールディングス株式会社より適時開示されている「技術製造子会社の設立及び会社分割による持株会社体制移行に関するお知らせ(平成30年3月27日)」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成30年3月27日開催の取締役会において、
平成30年4月上旬(予定)に分割準備会社として
100%出資の子会社(分割準備会社)を設立すること、
及び平成30年10月1日(予定)を効力発生日として
会社分割の方式により持株会社体制へ移行する方針を決議した。

●なお、会社分割による持株会社体制への移行につきましては、
平成30年6月下旬に開催の定時株主総会決議による承認
及び必要に応じ所管官公庁の許認可が得られることを条件に実施する。

技術製造子会社の設立、及び持株会社体制への移行目的

「常に新しい技術に挑戦し、社会に価値ある製品やサービスを提供することで、
お客様、株主、従業員の満足を高める企業になる。」を経営理念に、
・メモリーモジュール事業
・デバイスプログラマ事業
・タッチパネル・デジタルサイネージ事業
・システム開発事業
等をグループで展開している。

●平成26年4月に株式会社イーアイティーを子会社化、
平成27年7月にミナトホールディングス株式会社へ商号変更
平成28年4月にはサンマックス・テクノロジーズ株式会社を子会社化するなど、
M&Aを成長戦略の基軸として展開しており、
グループの売上高に占める子会社の売上高比率が上昇している。

●今般、社内カンパニーが展開している
デバイスプログラマ事業(ミナトデバイスカンパニー)及び
タッチパネル・デジタルサイネージ事業(ミナトTSSカンパニー)について、
規模拡大と効率化の方策を検討した結果、両カンパニーを統合し、
これまで培ってきた技術メーカーとしてのDNAを維持した技術製造子会社として
事業を推進することが最適であると判断した。

●また、さらなる事業成長の加速化と企業価値の向上を実現するためには、
市場環境の変化に柔軟に対応できるスピーディーな意思決定が可能な経営体制の構築、
及びグループ会社に権限委譲することによる経営責任の明確化が不可欠であるとの判断から、
持株会社体制に移行する方針を決定した。

持株会社体制への移行方法

●同社を分割会社とする会社分割(吸収分割)により、
分割する事業を100%出資子会社(分割準備会社)に承継させる予定。

●なお、分割する事業は、
同社が営む電子機器・精密機器等の開発・製造・販売等及び
環境関連機器・LED等関連機器の製造・販売等を予定している。

会社分割の日程

①分割準備会社設立承認取締役会:平成30年3月27日
②分割準備会社の設立:平成30年4月上旬(予定)
③吸収分割契約承認取締役会:平成30年5月下旬(予定)
④吸収分割契約締結:平成30年5月下旬(予定)
⑤吸収分割契約承認定時株主総会:平成30年6月下旬(予定)
⑥吸収分割の効力発生日:平成 30 年 10 月1日(予定)

 

Review

今回は「ミナトホールディングス」の事例です。

社名だけを見ると、
いわゆる「ホールディングス経営」にすでに移行しているように思いましたが、
実際には、今回のタイミングで正式移行とのことです。

 

同社の過去の状況を見ると、
3~4年前までは、グループ経営ではなく、
単体決算会社でした。

それが、平成26年4月に
株式会社イーアイティーを子会社化したあたりから、
グループ会社が数が着実に増えてきている感じです。

 

その流れの中で、
もともと社名は「ミナトエレクトロニクス株式会社」でしたが、
平成27年7月に「ミナトホールディングス株式会社」へ商号変更をしています。

 

この商号変更の際に、
「ホールディングス」という文言社名に入れていますが、
この時点は、いわゆるホールディングス化はしていません。

これはこれで少し不思議だなと思いましたが、
当時の商号変更の背景・目的を確認すると、
以下のような趣旨があったようです。

—————————————————
●商号変更を機にさらなる既存事業の発展を進めるとともに、
事業領域の拡大を推進し、ブランド力強化を図っていく。

●商号変更に伴い、社内カンパニー制を導入し、
各カンパニーへの権限移譲および責任の明確化を図り、
グループ事業の成長を加速していく
—————————————————

 

当時のこの背景を念頭に置きながら、
今回の正式なホールディングス化の表明を見ると
すごくしっくりくる気がします。

子会社も増えてきて、
これからも増えていく見込みのなかで、
親会社としても社内カンパニー制の導入で
各事業部が自立した体制になってきたことから、
社内カンパニーの事業部を子会社としてきっちり分社化し、
正式にホールディングス化の決定となったのだと思われます。

 

ホールディングス化する前に、
小さくても良いのでトライアルをする方が無難だと
個人的には思っていますが、
その際に「社内カンパニー制度」を活用するという選択肢もありだな、
と改めて感じさせてくれる事例でした。

 

★★★★★★★
ホールディングス化の前に
「社内カンパニー制度」
という選択肢
★★★★★★★

関連記事