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今週の「減らす」決断(2015年11月23日~11月27日)

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※平成27年11月26日にミサワホーム株式会社より適時開示されている「完全子会社であるミサワホーム東海株式会社の吸収合併に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。 

はじめに

今週は「ミサワホーム」の事例に特化して、
紹介させていただきます。

時代とともに「グループ組織デザイン」の試行錯誤を
繰り返しながら、理想形を追い求めている様子が見てとれます。

事例)ミサワホーム株式会社

概要

●平成27年11月26日の取締役会において、
完全子会社であるミサワホーム東海株式会社を、
平成28年4月1日を目途に吸収合併することを決議。

理由

●昨年度よりスタートした新中期経営計画において
5つのミッションを掲げ、
首都圏ディーラーの体制強化、再編等により
戸建住宅のシェアアップを図り、
首都圏の施工機能の集約・統合により
機動的な施工体制の構築を目指してきた。

●平成27年10 月1日には
完全子会社である
首都圏におけるディーラー4社の
・ミサワホーム東京株式会社
・ミサワホーム西関東株式会社、
・ミサワホーム東関東株式会社
・ミサワホーム多摩株式会社
吸収合併し、直販化することにより
販売体制、施工体制の強化と
業務効率の向上を図っている。

●これらの首都圏での構造改革を踏まえて、
ミサワホーム東海株式会社を吸収合併し
東海地区を直販化することにより、
経営の効率化と意思決定の迅速化をより一層図り、
ミサワホームグループとしての
更なる企業価値向上を目的とするものである。

レビュー

今週はミサワホームの事例です。

同社の平成27年3月期の有価証券報告書によると、
「連結子会社46社、関連会社2社」
と記載がありました。

グループ会社数が結構多いですが、
そのうち主なグループ会社として、

——————————————————————
・ミサワホーム北海道㈱:工業化住宅の販売・施工
東北ミサワホーム㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム西関東㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム東関東㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム東京㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム北越㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム甲信㈱:工業化住宅の販売・施工
・㈱ミサワホーム静岡:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム東海㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム近畿㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム中国㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム四国㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホーム九州㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホームセラミック㈱:工業化住宅の販売・施工
・ミサワホームイング㈱:リフォームの設計・施工
・テクノエフアンドシー㈱:工業化住宅部材の製造・販売
・ミサワエムアールディー㈱:不動産の売買、仲介賃貸及び管理業務
・㈱マザアス:有料老人ホーム及び高齢者向け集合住宅施設の経営
——————————————————————

と掲載されていました。

 

これを見ていただくとわかるように、
各子会社で事業内容は基本的に同じではありますが、
「地域別にグループ会社化」
している状態と言ってよいでしょう。

Vol.20(1)

 

一方で、最近の流れとしては、
首都圏のグループ会社を親会社に吸収合併し、
さらに今回、東海地区のグループ会社も
吸収合併するとのことです。

 

「ミサワ」は、長い歴史の中で、
グループ組織デザインが、
いろいろと変わってきた背景があります。

過去の同社の開示資料では
以下のようなメッセージがありました。

———————————————————–
<平成15年>
グループ戦略・事業戦略の企画・立案機能を、
持株会社である「ミサワホームホールディングス株式会社」に集約し、
グループ経営資源の最適配置(住宅事業への集中強化)をより一層推進し、
グループ連結利益の最大化を図っていく。

●また、不採算事業の整理統合及び
グループ有利子負債の圧縮に全力で取り組んでいく。

<平成19年>
●平成15年8月に
ミサワホームホールディングス株式会社設立以来、
ミサワホームグループの持株会社として
・グループ再編の推進
・資産内容の健全化
・有利子負債の削減
・選択と集中の加速
などの役割は所期の目的を達成できたと判断。

●グループの残された課題である
コア事業の住宅関連事業の営業基盤強化とガバナンス機能強化に
グループ一体となって取り組む為には、
経営体制の簡素化を図り、
効率的且つ迅速な意思決定を実現する
ミサワホーム株式会社(100%子会社)との
合併が最適であると判断した。
———————————————————–

 

ホールディングス経営に移行したり、
その後、事業機能を一部吸収して、
スリムな組織デザインにしたり、
といった感じで変化しています。

いわゆる「ホールディングス経営」が
しっくりこなかった結果として、
改めてグループ全体を集約化し、
組織力アップと業務効率の向上を目指している感じでしょうか。

VOL.9

そして、ここ最近では、
各地域に存在する「地域子会社」を
親会社に吸収合併する流れが
加速しているようです。

今回の子会社の吸収合併の目的にも、

直販化することにより
販売体制、施工体制の強化と
業務効率の向上を図っている」

経営の効率化意思決定の迅速化をより一層図り、
ミサワホームグループとしての
更なる企業価値向上を目的とする」

といったような表現があります。

 

個人的には、
ホールディングス経営の良し悪しは
企業によって異なるとは思いますが、
地域子会社という組織デザインは、
これからの時代は、
あまり流行らないのではないかと思います。

というのは、昔は
地域がそれぞれ独立していましたが、
インターネットの普及やあらゆるツールの発達で、
物理的な距離が問題にならなくなってきた時代だからです。

これからは、
地域が離れていても、
情報格差や敵対意識が生まれないような、
グループ内協力がスムーズに行われる
グループ体制作りが重要になってくると思います。

地域でグループ会社を分けることで、
逆にグループ内のまとまりが無くなるリスクがあると言えるでしょう。

 

そう考えると、
ミサワホームの最近の動きも
自然な流れかもしれません。

 

以上、今週の事例でした。

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