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Vol.188 子会社管理に求められる姿勢とは?

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子会社管理で欠けている姿勢

グループ経営において、
子会社をきちんと管理できるかどうか
重要なポイントですが、
この点、多くの会社で苦労されているのが、
実情ではないかと思います。

 

一概に、子会社の「管理」と言っても、
様々な要素から成り立っています。

・どのように子会社の情報を集めればよいのか?
・どのように子会社を指導すればよいのか?
・どうしたら親会社の意図が子会社に伝わるのか?

どれも容易ではないと思いますが、
これらの子会社の管理を有効に進めるにあたって、
個人的には、
親会社側やグループ管理部門側で、
「もう少し『この作業』があれば良いのになぁ」
と感じる場面が少なくありません。

 

是非、グループ経営者としては、
自社において『この作業』が行われているか、
確認をしてみていただきたいと思います。

『この作業』とは、

——————————
親会社から子会社へ
きちんとフィードバックをする
——————————

ということです。

多くの会社で、圧倒的に、
この「子会社へのフィードバック」
不足しているように感じます。

たとえば

子会社へのフィードバックが不足するケースとは、
たとえば、どのような場合が考えられるでしょうか?

いくつか考えてみました。

———————————
<ケース1>
依頼した資料等について、
間違った作成方法・入力方法だった場合に、
親会社側で勝手に修正し、
子会社へ修正内容を伝えないような場合

<ケース2>
必要な資料等を依頼しただけで、
その資料がどのように使われたか、
有効だったかどうか等、
子会社へ伝えないような場合

<ケース3>
子会社側がきちんと対応していることに対して、
評価や感謝のメッセージが全くない場合
———————————

 

上記の<ケース1>は、
子会社へ負担を掛けたくないという思いから
良かれと思って、親会社側で修正をしてしまう場合も
あると思います。

また、子会社へ伝えるのが面倒だと考えて
親会社側で修正をしてしまう場合もあると思います。

 

上記の<ケース2>は、
欲しい情報が入手できたことで安心してしまう、
といった依頼者側の視点だけ
なってしまっているケースです。

 

また、<ケース3>
実はよく見かける状況です。

仕事なので、期限通り、正確に、
対応してくれて当然といえば当然ですが、
やはり、きちんと何らかのフィードバックあった方が、
子会社側のモチベーションも上がるものです。

子会社管理の姿勢

子会社管理において、

・こういう資料を作る必要がある
・こういう指示が必要である

といった「やるべきこと」については、
よくクローズアップされます。

 

一方で、
そのような子会社の管理を
円滑かつ有効に機能させるための
フィードバックの姿勢については、
忘れられがちだということです。

 

このような視点を踏まえ、
私が考える理想的な「子会社管理」は、

—————————
子会社のモチベーションを上げ、
子会社の成長を支援し、
子会社を自立させるような管理
—————————

です。

 

フィードバックについては、
部下のマネジメント論では
よく意識されているような話ではありますが、
これが「親会社⇔子会社」の関係となると、
意外と疎かにされている会社が
多いように感じます。

おそらく、
グループ経営管理という仕事が、
まだまだ組織化・仕組み化されていない会社が
多いためではないかと思います。

 

親会社が子会社を支援し、
成長させていくような子会社管理を
グループ経営の「仕組み」として構築していくことが、
これからのグループ経営には
求められるのではないでしょうか。

理想的なフィードバック

そのうえで、個人的に
「さらに、このようなフィードバックがあればなぁ」
と感じる点について、
最後にもう1つだけ付け加えさせていただきます。

 

会社によって情報管理等の方針や
考え方の違いはあるとは思いますが、
可能であれば、

————————-
各子会社に、
グループ全体の業績(連結財務諸表)や
グループ各社の業績を開示する
————————-

ような仕組みを構築していただきたい、
と考えています。

 

業績は、ある意味、
経営の「結果」と言えます。

子会社から見て、
自社の活動の結果である業績が
グループ全体のなかでどのように貢献をしているのかを、
きちんと数字で見せてあげることも、
重要なフィードバックの1つだと思います。

 

このような子会社へのフィードバックがあるだけで、
子会社側におけるグループ全体に対する意識は、
大きく変わっていくものです。

グループ全体のことを、
「他人事」ではなく「自分事」として、
意識してもらえる瞬間を作ることができます。

 

要は、
子会社管理を有効に進めていくためには、

————————————-
子会社管理プロセスの
あらゆるポイントにおいて、
あらゆる方法で、
子会社にフィードバックをしてあげてほしい
————————————-

ということです。

 

親会社が面倒くさがらずに
きちんと子会社へフィードバックを実施することこそが、
子会社管理の質を高める、
重要なポイントなのではないかと考えています。

★★★★★★★
子会社の管理のなかで、
フィードバックはセットで行われていますか?
★★★★★★★

 

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