※平成28年7月28日にSFPダイニング株式会社より適時開示されている「持株会社体制への移行に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。
内容
持株会社体制への移行
開示概要
●平成28年7月28日開催の取締役会において、
平成28年9月1日より持株会社体制に移行することを決議。
●今後同社(持株会社)の主な収入は、
・子会社からの経営指導料
・業務受託収入
等となり、
これらによって運営経費、
株主への配当金を賄う収益構造となる予定。
持株会社体制移行の目的
●従来、事業会社として
外食店舗運営業務を行ってきたが、
事業持株会社体制に移行することにより、
①当社内外の機動的な企業再編・組織再編の推進
②現在の事業を基盤とした新たな事業創出の促進
③経営機能とコーポレート・ガバナンスの強化
を図ることによって経営体制を一層強化し、
さらなる企業価値向上を目指す。
●具体的には、会社分割や営業譲渡ではなく、
現在保有する店舗運営に関する資産・債務、
及び、これに付随する権利義務、
一部の雇用契約を除く契約書上の地位は引続き保有した上で、
従来行っていた店舗の飲食サービス及び商品提供業務の一部を
100%子会社である「SFP音響株式会社」に移管し、
当該子会社の商号変更及び目的変更に係る定款一部変更を予定。
●このような円滑な持株会社体制への移行により、
事業再編の機動性や柔軟性を確保すると共に、
・グループ全体の戦略策定
・経営資源の効率的運用
・商品開発
・店舗開発
・人材育成
・子会社管理、運営サポート等の管理統括
を行い、
当該子会社は自社の事業領域の範囲内で意思決定を行うことで、
グループ全体の企業価値の拡大を目指していく。
持株会社体制への移行方法
会社分割や営業譲渡ではなく、
現在保有する店舗運営に関する資産・債務、
及び、これに付随する権利義務、
一部の雇用契約を除く契約書上の地位は引続き保有した上で、
従来行っていた店舗の飲食サービス及び商品提供業務の一部を
100%子会社である「SFP音響株式会社」に移管する。
持株会社化の日程(予定)
①平成28年7月28日:持株会社体制への移行に関する取締役会決議
②平成28年8月25日:当該子会社の定款一部変更の取締役会決議(予定)
③平成28年9月1日:持株会社体制への移行(予定)、当該子会社の定款一部変更登記(予定)
Review
今回は、
「SFPダイニング」の事例です
同社の事業内容等は、
私自身もこれまでも何度か確認をしたことがあり、
イメージのしやすい会社になります。
今回のホールディングス化ですが、
これまでの他の事例とは異なり、
かなり「シンプル」な移行を目指している様子が
見受けられます。
開示によりますと、
——————————
●会社分割や営業譲渡の方法を採用しない
●現在保有する店舗運営に関する
・資産や債務
・付随する権利義務
・一部の雇用契約を除く契約書上の地位
は引続き同社(親会社)が保有する
●従来同社で行っていた店舗の
・飲食サービス
・商品提供業務の一部
を100%子会社に移管する
——————————
とのことです。
会社分割でも営業譲渡でもなく、
「飲食サービス」「商品提供業務」を
どのように移管するかの詳細は
今回の開示内容からは確認できません。
ただ、主たる経営資源である
・人
・モノ(設備)
は、これまで通り、
親会社(持株会社)が契約関係含め保有し、
・サービスや業務
といった「ソフト面」のみ
子会社へ移管するという内容だと受け取れます。
今の時代「ソフト面」はとても重要ではあります。
一方で、「ハード」があってはじめて「ソフト」が機能するものです。
同社の場合は、
事業子会社では「ソフト」のみを扱う印象ですが、
その「ソフト」を機能させるための「ハード」をどうするのかというと、
親会社であるホールディングカンパニーが「ハード」を保有し、
事業子会社へ提供する、という考えなのだと思います。
つまり、「同社の方針」に関する
私なりの解釈としては、
—————————-
ホールディングカンパニーは「ハード」を整備し、
事業子会社は、その「ハード」を上手く活用しながら、
「ソフト」の側面を高めていく
—————————-
というコンセプトなのではないかと思います。
一般的には、
「ハード≒インフラ」
とも表現できると思います。
世の中、「ソフト」が重要とはいえ、
マネジメントをしていくためには、
やはり「インフラ」を押さえておくことは
重要なポイントです。
最終的には、
「インフラ(ハード)」を持っているものが、
ルールを作り、支配できることが多いものです。
これをグループ経営という視点で考えると、
ホールディングカンパニーが、
人・モノといったインフラを押さえておくことで、
グループ全体のお金をコントロールができるようになる、
ということだと思います。
つまり「グループ経営資源」の多くを
ホールディングカンパニーがコントロールできるイメージです。
この視点は、
ホールディングカンパニーが
グループ経営の頭脳として、
戦略立案・実行管理をしていくうえでは、
とても重要なポイントになるはずです。
同社の意図の実際のところは当然わかりませんが、
今後の同社の動向から、
私なりに判断をしていってみたいと思います。
★★★★★★★
グループ会社のなかで、
「ソフト」と「ハード」を
どのように切り分けていますか?
★★★★★★★