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【事例】フューチャーアーキテクト株式会社

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※平成28年2月23日にフューチャーアーキテクト株式会社より適時開示されている「新設分割による持株会社制移行に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社制への移行

開示概要

●平成28年2月23日開催の取締役会において、
平成28年4月1日(予定)付で、
ITコンサルティング事業を、
新たに設立するフューチャーアーキテクト株式会社 (新設会社)に
承継させる会社分割について新設分割計画書を承認し、
持株会社制に移行することを決議。

●持株会社制への移行は、
平成28年3月22日開催予定の定時株主総会で
承認が得られることを条件に実施する。

持株会社化の目的

●グループは「経営とITをデザインする」ことを
中長期的な経営戦略の中心に掲げ、
ビジネスの「あるべき姿」とそれを実現するために最適な「仕組み」を、
最新のITを積極的に取り入れることで提供することを通じて、
顧客企業、ひいては社会の未来価値を高めることを使命として
事業を推進してきた。

ITコンサルティング事業のグローバルな展開
ニューメディア・ウェブサービスにおける
オリジナルサービスの提供といった新しい事業にも取り組んでいる。

●このような中でグループが、
今後さらに成長を継続していくためには、
持株会社体制に移行し、
①グループとしての経営戦略の立案
②グループ全体の経営資源の最適配分
③M&Aを含めた機動的な事業再編
④新技術の開発力・新規事業の創出力の強化
⑤経営人材の育成
⑥グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化
を図っていくことが必要であると考えている。

持株会社化の方法

同社を分割会社とし、
新設するフューチャーアーキテクト株式会社を
新設分割設立会社とする新設分割。

会社分割までの日程

①新設分割計画承認取締役会決議日:平成28年2月23日
②株主総会決議日:平成28年3月22日(予定)
③新設分割効力発生日:平成28年4月1日(予定)

Review

今回は、
比較的オーソドックスな
ホールディングス化の事例と言えると思います。

特徴的な点としては、
ホールディングス化が実行されるのが、
約1ヵ月後と、
とても早い移行であるという点でしょうか。

おそらく、
事前準備が上手く進んでいるのではないか、
と推測されます。

 

同社の平成26年12月期の有価証券報告書を確認すると、
・連結子会社:18社
・持分法適用会社:4社
・連結売上高:344億円
・連結経常利益:43億円
という企業グループ集団となっています。

かなり良い感じの数字だと思いますが、
親会社の数値も確認してみると、
・売上高:197億円
・経常利益:45億円
となっていました。

 

連結グループの数値と
親会社単体の数値を比較してみてわかることは、
売上高はグループベースにすると大きくなる一方で、
利益額はほとんど変わっていない、
ということです。

念のため、
過年度の数値の傾向も確認をしてみましたが、
状況は基本的に同じような状況でした。

 

あくまで単純に数値からだけの推測となるため、
実態は違うのかもしれませんが、

——————————-
グループ経営によって規模は拡大したけど、
全体の生産性は悪化している
——————————-

というように見えてしまいます。

 

仮にそうであるとすると、
グループ経営のやり方次第では、
グループベースの利益をもう少し高め、
生産性・利益率を向上できる可能性がある、
と言えそうです。

今回のホールディングス化は、
そのようなグループ経営への意欲の表れなのではないか、
と勝手に考えてしまいます。

 

今回の開示内容には、
ホールディングス化することで、

——————————————–
①グループ経営戦略の立案
②グループ全体の経営資源の最適配分
③M&Aを含めた機動的な事業再編
④新技術の開発力・新規事業の創出力の強化
⑤経営人材の育成
⑥グループ全体のコーポレート・ガバナンスの強化
——————————————–

を目指すと記載されています。

 

本当にこれらを実現できれば、
自ずとグループ利益率も上がってくるはずです。

とても分かりやすい事例だけに、
今後の同社の動き・業績をウォッチし続けてみたいと思います。

★★★★★★★
グループ売上高と同時に
グループ利益も増えていますか?
★★★★★★★

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