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【雑感】原点を振り返る

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原点

「どうして会計士を目指したんですか?」

公認会計士資格を持っていることもあり、
たまに聞かれる質問です。

 

こんなときに、
良いストーリーを話せると理想的なのですが、
実際には、

「なんとなく目指し始めました・・・」

というのが正直な回答です。

 

もともと会計士という資格も知りませんでしたし、
実際にどんな仕事をしているかは、
資格試験の勉強をしているときですら、
イメージがわきませんでした。

ただ、この会計業界で15年ほど働いていますが、
自分には合っている仕事のように感じています。

もともと数学が大好きだったこともあり
数字を扱う仕事は向いていたのかもしれません。

 

とはいえ、
仕事内容のイメージがわかないなかで、
なぜこの業界を選んだのか、
たまに考えることはありますが、
思い当るものといえば「1つの本(コミック)」です。

これです↓。

「コミック公認会計士」

 

私が大学生2年生の頃に、
大学の門のあたりで配られていた無料コミックです。
(会計士受験の専門学校が作った宣伝用コミックですが)

公認会計士の仕事について、
とても単純なストーリーが描かれているのですが、
「なんだか面白そうな仕事だな」
と当時感じたのだと思います。

 

おそらく、このコミックが頭の片隅にあり、
会計士試験を目指し始めたのではないかと思っています。

 

「コミック公認会計士」のストーリー

このコミックですが、
受け取ってから20年弱経ちますが、
専門書や経営本が並ぶ私の事務所の本棚に
いまだに置いてあります。

専門学校の宣伝用の無料配布コミックなのに
なぜだか捨てられません。

 

2年1回くらいは
ふと読み返すことがあるのですが、
そのたびに懐かしく感じたり、
昔、会計士業務に抱いていた希望のようなものを
純粋に思い出します。

いわば、
私の今の仕事の「原点」と言っても良いかもしれません。

 

ということで、
コミックに描かれている会計士の仕事について、
あらすじ簡単にご紹介させていただきます。

————————————-
学生が就活についてカフェで友達と話をしている
 ↓
資格試験についても語り出す
会計士の話題も出てくるが「業務は面白くなさそう」と話し出す
 ↓
その話を横で聞いていた女性が
いきなり話に割り込んできて、
会計士の仕事の話を始める
 ↓
その女性は実は会計士としてバリバリ働いていて、
自身の株式上場支援の現場について話をする
 ↓

~~ここからお話~~

株式上場をしたいという社長が登場
 ↓
会計士が登場し、社内の仕組みづくりを開始する
 ↓
クライアント社内の仕組みづくりを始めるも
工場長が協力してくれない
 ↓
会計士が工場長を飲みに誘い、
悩みを聞きながら、思いを共有する
 ↓
工場長が協力的になる
 ↓
全社一丸で業務改善に取り組み、
その傍らで支援する会計士の姿が描かれる
 ↓
めでたく「株式上場」を果たす
 ↓
社長から会計士へ感謝の言葉があり、
固い握手を交わす

~~以上が会計士業務のお話~~

 ↓
カフェで就活の話をしていた学生は、
会計士業務の魅力を知り、
会計士試験を目指すことを決意
 ↓
専門学校に通う
————————————-

 

ざっとこんな感じのあらすじです。

ストーリーとしては、
とてもオーソドックス(?)な印象です。

 

実際の業務は?

私は会計士試験に合格後、
監査法人に入り、5年間くらい監査をやっていました。

実際に会計士業界で働いてみると、
コミックのようなカッコイイ現場というよりは、
結構泥臭く、地味な職業のようにしか思えませんでしたが・・・。

 

とはいえ、泥臭く、地味な監査業務も
それほど苦にならず業務をしていましたが、
どうしても「作る側」の仕事をしたくなり、
10年以上前に監査法人を離れました。

その後は、クライアントに近い立場で、
会計業務、税務業務を中心に
コンサルティング業務支援をしてきました。

 

コンサルティングとはいえ、
私の場合は泥臭いタイプの業務ですが。

やはり、ここでも
コミックのような華やかな会計士像とは重なりません・・・。

 

ただ、なんとなくなのですが、
最近は、この漫画の世界に近いような仕事の割合が、
増えてきたように感じています。

少しずつではありますが、
自分の理想としている業務内容に
近づいているということでしょうか??

 

現実と理想の違い

ちょうど、昨日、本棚にあった
「コミック公認会計士」
に目が行き、ざっと読み返していました。

 

このストーリーに出てくる会計士像には
改めてカッコイイなと感じました。

それと同時に、

「実際の会計士業務の現場と、
 コミックの中で活躍する会計士の何が違うのだろう?」

という思いも抱いたため、
その視点を持ちながらもう一度だけ
コミックを読んでみました。

 

すると、
1つ気になるフレーズがありました。
このフレーズです。

「公認会計士の仕事は『しゃべってなんぼ』の世界なの」

 

確かに、コミックの中の会計士は、
黙々と作業をしているというよりは、
クライアントの社内を飛び回って、
あらゆる部門の人と話をしています。

現実の監査業務の現場や、
会計コンサルティングの現場でも、
多くの部門の人と接したり、ヒアリングしたりすることはありますが、
やはり中心となるのは「経理部」です。

 

現実の社会における会計士
業務上接する立場の方は、

——————-
・経理部:90%
・他部門:7%
・経営者:3%
——————-

といった印象です。

経理部の皆さんと、
黙々と作業をするような場面も
多いように思います。

 

一方で、
コミックの世界の会計士の働き方は、
これが逆転している印象です。

感覚的には、

——————-
・経営者:75%
・他部門:20%
・経理部:5%
——————-

といった感じで接点を持ち、
業務を進めています。

黙々と作業をしているというよりは、
多くの部門を巻き込んで、
しゃべりまくっています。

 

ここに理想と現実のギャップの理由がありそうです。

 

課題

会計士の多くは、
やはり経理部の皆さんと接する方が安心したり、
共感できたりすることが多いのではないかと思います。

おそらく、「会計士」という肩書が
一番通用するのが「経理部」であることから、
「経理部」の皆さんとの間の仕事が、
一番心地よいのも事実だと思います。

 

経理部の方々へは強く指導できても、
他部署の方々へ強く出られないことが多いものです。

 

一方で、
コミックのなかに描かれているような
私が昔あこがれた会計士の業務は、
経営者にも本音で話し合いますし、
経理部以外の他部署にも出向いて、
直すべきことは遠慮なく指導しています。

そのなかでは、
営業部長とバトルになる場面も描かれていますが、
一歩も引かずにやり合っています。

 

コミックの世界とはいえ、この点に
「現実と理想のギャップの大きな要因」
あるように感じています。

 

私自身は、
昔は経理部の方々とのお仕事がほとんどでしたが、
最近は、経営者やいろいろな部署の皆さんと
一緒に作り上げるような業務も増えてきました。

おそらく、そのような点で、
コミックのなかの会計士の世界に
少しだけ近づいたような気がしているのではないかと思っています。

 

一方で、まだまだ「遠慮」の部分が抜けません。
どうしても遠慮して言うべきことを言えない場面があります。

良い表現を使うと、
「空気を読む」とか「相手を立てる」とか、
ということかもしれませんが、
やはり、これでは本当の意味での成果を
出せない場面も出てきます。

 

結局は、言うべきことを言うことで、
空気が悪くなったり、バトルになったり、嫌われたりするのが恐くて、
「遠慮」をしてしまうのだと思います。

 

昨日、「コミック公認会計士」を久しぶりに読んで、
改めて気づいたことは、この点でした。

私のこれからの課題です。

———————————–
「言うべきことはきちんと言えるようになる」
———————————–

 

正直、得意な点ではありませんが、
より理想的な仕事にしていくためには、
コミックのなかの会計士のように
「言うべきことはきちんと言う」
ことを実践していくことが、
今後の私に必要な課題のように感じています。

日々精進です。

★★★★★★★
言うべきことは
きちんと言えるようになる!
★★★★★★★

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