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【事例】株式会社ドクターシーラボ

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※平成27年8月27日に株式会社ドクターシーラボより適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行に関するお知らせ 」をもとに情報を整理しています。

内容

会社分割による持株会社制移行

開示概要

●持株会社制への移行を決議。

●平成27年12月1日(予定)を効力発生日として
「会社分割の方式」により持株会社体制へ移行する。

●経営管理事業、不動産管理事業、株式に係る資産管理事業を、
設立予定の分割準備会社に承継する。

●会社分割による持株会社体制への移行は以下を条件にする。
①平成27年10月21日開催予定の定時株主総会による所定の決議
②関係官庁の許認可等が得られること

持株会社化の背景

●「肌トラブルに悩む全ての人々を救う」という経営理念のもと、
メディカルコスメのリーディングカンパニーとして、
 化粧品事業を中心に事業を拡大してきた。

●一方で、国内化粧品市場の規模は横ばい状態で、
大きな改善の兆しは今後見込めないと考えている。

お客様の嗜好が多様化しているなかで、
単一サービスや単一ブランド展開のみでは
中長期的に需要に十分応えることが難しくなると認識。

中期経営計画において、既存事業の成長維持とともに、
新規事業の育成及び海外事業の拡大を志向してきた。

●このような計画をスピード感もって実現していくには、
M&A等の手法を活用し、化粧品事業における複数ブランド展開
美容関連事業の拡充健康分野への進出等を実現していくことが効果的と考え、
美容と健康を主要領域とした事業領域の拡大により、
企業価値向上を図ることを検討してきた。

持株会社化の目的

●上記の方向性を組織面から支えるため、
持株会社体制へ移行し、以下を目指していく。

目的
①新規事業やM&Aを含むグループ経営の戦略立案機能を強化すること
②グループ各社の権限・責任の明確化
③グループ各社の経営の自主性を推進してグループ企業競争力を強化
④グループ経営管理及び業務執行の分離によるコーポレートガバナンスの向上

持株会社体制への移行の要旨

●移行方式
当社を分割会社とする会社分割により、事業を分割準備会社に承継させる予定。

●会社分割の日程(予定)
①持株会社体制移行承認取締役会:平成27年8月27日
②分割準備会社設立承認取締役会:平成27年9月10日
③分割準備会社の設立:平成27年9月10日
④吸収分割契約承認取締役会:平成27年9月16日
⑤吸収分割契約締結:平成27年9月16日
⑥吸収分割契約承認定時株主総会:平成27年10月21日
⑦吸収分割の効力発生日:平成27年12月1日

Review

同社は、
メディカルコスメの
リーディングカンパニーとして、
化粧品事業を中心に事業拡大を
してきたとのことです。

私自身は、
メディカルコスメ業界のことは
詳しくありませんが、
同社は業界のリーディングカンパニーであると同時に
市場の頭打ち状態に危機感を抱いていることが
ホールディングス化の背景にあるようです。

そのようななかで、
M&Aを活用した事業領域拡大
計画されています。

具体的には、
・化粧品事業における複数ブランド展開
・美容関連事業の拡充
・健康分野への進出等
といったことを目指していくとあります。

美容と健康を主要領域として
事業領域を少しずつ拡大していくイメージです。

このあたりは、
リーディングカンパニーだからこその戦略、
と言ってもよいと思います。

小さな会社や中小企業は、
単一ブランド、単一サービスに
まずは経営資源を集中していく方が、
優先順位が高いと思います。

一方で、
業界のリーディングカンパニーの場合は、
事業領域を少しずつ広げていかなければ、
企業成長が難しくなっていく側面があります。

但し、同社の場合は、
全く異なる業界ではなく、
周辺領域を少しずつ埋めていく感じですので、
地に足の着いたグループ拡大と
言っても良いでしょう。

個人的には、
「M&A」
が強調されたリリースのように感じました。

おそらく、
今後M&Aを通じて、
グループ経営範囲が拡大していく前段階として、
ホールディングス経営に移行する、
ということだと思います。

このようなM&Aを前提とした
ホールディングス移行は、
今後も増えていくものと予想されます。

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