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Vol.11 複数会社のカタチ

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複数会社化を始める会社で
よく見かける事例は、
「単一会社と変わらない複数会社経営」
というスタイルです。

つまり、
法人格は複数になっていても、
実態は単一会社のときと変わらない。
このような状態です。

私の中ではこれは、
複数会社化の失敗事例だと思っています。

複数会社化すると、
管理コストが増えたり、
統制が難しくなったり、
変なグループ内取引ができたり。

いろいろなリスクが増えます。

そのため、
「単一会社と変わらない複数会社経営」
では、マイナスになることの方が多いのです。

会社を複数化するのであれば、
複数化によるメリットがデメリットを
上回る必要があります。

そのためには、
複数会社化することのよって
グループとして連結シナジーを生み出し、
「1+1>2」になるような
連結グループ経営を実践できる必要があります。

つまり、
「単一会社と変わらない複数会社経営」と
「連結グループ経営」は、
似ているようで、全く異なる経営なのです。

Vol.11

この点を理解して複数会社経営に向き合わなければ、
もともと単一会社で有していた
資金や人財といった資源を
散在するだけの結果になりかねません。

複数会社にすることのよって節税ができる、
といったお話もあります。

確かに、この1点だけを見れば、
そのような効果もあるのは事実です。

当然、このようなメリットも考慮にいれていただくことは
経営戦略として重要な視点です。

但し、その裏にあるデメリットや
節税効果をきちんと使えるデザインや
その運営が必要であることを、
経営者の皆さまには、
是非ご認識いただきたいと思っています。

複数会社化することにより、
各社の責任は形式的に分かれます。

社長がこれまで単一会社で行っていたようなことが
できなくなる局面もあります。

もう少し正確に言うと、
社長がこれまで単一会社で行っていたようなことを
することはできるのですが、
それをしてしまうと、
各社がバラバラになるリスクが逆に高まるため、
我慢をしなければいけない局面が増える、
ということです。

このような点を留意していただきながら、
経営者の皆さまには複数会社化のカタチを
デザインしていただきたいと思います。

Vol11(2)

具体的には、

・どのように会社を分けるのか
・会社の数はどうするのか
・資本関係はどうするのか
・資金関係はどうするのか
・各社の責任者は誰にするのか

といったようなことです。

連結シナジーを生み出す
連結グループ経営を目指す必要がありますが、
あくまで「別会社」になるということを
肝に銘じておくことが必要です。

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