グループ経営をデザインする際に、
シェアードサービス機能を埋め込む場合には、
大きく2つのデザインがあります。

前回ご紹介した通り、
①ホールディングカンパニーにシェアードサービス機能を置く
②シェアードサービス機能を持つ子会社を作る
の2つです。

一般的には
「②のパターンの方が多い」
と、ご紹介しました。

前回の記事の
Vol.134 シェアードサービス子会社のメリット&デメリット
では、②のパターンのメリット・デメリットについて、
お伝えさせていただきました。

そこで今回は、
①のパターンのメリット・デメリットについて、
お伝えしたいと思います。

 

まず考えられる
メリット・デメリットは以下のような
項目が挙げられます。
—————————————————————–
<メリット>
(1)親会社の立場で指導力を発揮しやすい
(2)他の事業子会社と比較されることなく取り組める
(3)グループ経営管理部門との親和性

<デメリット>
(4)シェアードサービス機能としての収支が見えづらくなる
(5)シェアードサービス部門の責任意識が弱まる
(6)シェアードサービス部門の人事評価が難しくなる
—————————————————————–

いかがでしょうか?

前回の
シェアードサービス子会社の
メリット・デメリットと比較していただければ
お分かりかと思いますが、
①のパターンと②のパターンは、
メリット・デメリットがちょうど逆になります。

そのため、
前回の記事の繰り返しになる部分もありますが、
簡単に上記メリット・デメリットについて、
確認をしてみたいと思います。

 

まずは、メリットからです。

(1)親会社の立場で指導力を発揮しやすい

これは、シェアードサービス子会社と
比較した場合のメリットと言えます。

シェアードサービス機能を動かすには、
どうしても各事業子会社の協力が必要です。

その際に、
親会社の立場で業務協力をお願いするのと、
同じ子会社の立場で業務協力をお願いするのでは、
その反応に差が出やすいものです。

やはり、親会社としての立場で取り組める方が、
各事業子会社も指示に従ってくれて、
業務がスムーズに行いやすい傾向があります。

(2)他の事業子会社と比較されることなく取り組める

子会社の位置づけで
シェアードサービス業務を実施する場合には、
どうしても法人としての利益追求を求められたり、
他の子会社と比較をされたりしやすいものです。

一方で、
ホールディングカンパニー内で
シェアードサービス業務を取り組めれば、
そのような不要な比較に左右されずに、
業務に集中ができる可能性が高くなります。

(3)グループ経営管理部門との親和性

個人的には、
この点が一番のメリットだと思っています。

つまり、ホールディングカンパニーは
グループ全体を管理し、
グループ内リーダーシップを発揮して、
グループ全体を動かしていく必要があります。

その際に切っても切り離せないのが、
現場の思いです。

ホールディングカンパニーが
現場の思い・現場の業務と密接に関連する
シェアードサービス部門と協力できれば、
より良いグループ経営が実践できると考えています。

※関連記事
Vol.32 ホールディングス × シェアードサービス=?
Vol.65 これからのホールディングス経営の形は?
Vol.120 ホールディングカンパニーにはどこまで業務を残すべき?

 

次にデメリットです。

(4)シェアードサービス機能としての収支が見えづらくなる

シェアードサービス機能単独の子会社にする方法と比べると、
機能自体の収支や効果がわかりづらくなるものです

その意味で、
シェアードサービス子会社型と比べると、
デメリットになると言えるでしょう。

(5)シェアードサービス部門の責任意識が弱まる

これは、上記(4)と関連すると思いますが、
シェアードサービス機能自体が存在意義になる
シェアードサービス子会社比べると、
その責任意識に差が生じる可能性があります。

結果的に、
シェアードサービス機能が
有効かつ効率的に働かない可能性も生じます。

(6)シェアードサービス部門の人事評価が難しくなる

シェアードサービス機能は、
他の業務と比べて、
その評価が難しい側面があります。

シェアードサービス子会社型と比べると、
シェアードサービス機能自体の収支も
不明瞭になりがちなため、
より人事評価が困難になる可能性があります。

 

以上、簡単ではありますが、
ホールディングカンパニー内にシェアードサービス機能を
組み込む場合のメリット・デメリットについて
お伝えさせていただきました。

結局、
①ホールディングカンパニーにシェアードサービス機能を置く
②シェアードサービス機能を持つ子会社を作る
の2つの選択肢のうち、どちらかが優れている、
というものではありません。

どちらの方が
より効果があるかを経営者自らが考え、
グループ組織デザインを作っていくことになります。