会社成長を続けていくと会社は増える

会社が成長し、軌道に乗ってくると、
経営者はいろいろなことをしたくなるものです。

新規事業を考えたり、組織内を新たな形に再編したり。
ときには、「節税等のために会社を分けると良い」といった
周りからのアドバイスも耳に入ってきます。

そして、その結果として、
分社化したり、新しい会社を設立することに行きつきます。

 

但し、実際に会社を複数にしたところから、
理想と現実の違いに苦しむことが多々あります。

実際に思った通りに複数の会社運営できなかったり、
社内が混乱したり、といったことが起き、
結果として、いろいろと無駄なお金が発生したり、
逆に税金も増えたり、お金のやりくりが難しくなったり、
といった感じです。

 

このような状況は、本当によくある話です。

 

複数会社化して失敗する状況に陥るケース

このように複数会社化して
失敗する状況に陥るケースの共通点としては、
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・節税等の本業とは別の動機から複数会社にしている
・入念な損益シミュレーション、収支設計を事前に行っていない
・組織実態が伴っていない（複数会社化しても組織実態は1社のときのまま）
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といったあたりがあります。

 

１つの会社を大きく成長させて、複数会社にしよう、
と思うように至るまでにもっていくことは、とてもすごいことです。

一方で、
そのレベルにまで１つの会社を成長させることは、
それなりに大変だったと思います。

もちろん経営者の能力・経験・努力があってのことではありますが、
それだけでは成長は難しく、社員の協力も不可欠だったと思います。

 

1つの会社を経営して成長させるというのは
それほど大変であり、いろいろな人の関わりがあってのことといえるため、
それを2社に分けたり、新たな会社を作るといったことは、
経営者が思っているほど、簡単なことではありません。

 

1つ成功したから、2つでも、3つでも、
といった勢いだけで複数会社化をすると、
想定外に経営資源が分散されたり、
会社の管理維持コストが追加でかかったりするうえに、
組織内が想定外に混乱して収拾がつかなくなったりします。

税務的な視点でも、実は、
グループ内の取引はかなり慎重に設計しないと、
逆に税務リスクが高まったりしますし、
税金が高くなったりもします。

 

成長していける「グループ経営」を実践していける基礎

ということで、是非、経営者には
謙虚な心をもって意識しておいていただきたいことがあります。

それは、
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複数の会社を経営するのは、
思っているほど簡単ではない
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という事実についてです。

 

けっして複数会社を経営することを
否定しているわけではありません。

私自身がグループ経営を専門にしているがゆえに、
「複数会社化は慎重に判断をしてください」
とあえてお伝えしたいという思いでもあります。

 

会社を成長させていくなかでは、
いずれグループ経営を実践するステージは来ることが多いですし、
そのようなステージにまで会社を成長させること自体は
本当に素晴らしいことですし、経営者の誰もができることではありません。

だからこそ、
複数会社化によって逆に混乱をして企業成長を損なうようなことは
あってはいけないと思っていますので、
複数会社化を安易に考えず、慎重に判断をいただきたい、
という思いです。

 

もし複数会社化、グループ経営をしたいと思う場合には、
上記にお伝えした「複数会社化して失敗する」共通点の
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・節税等の本業とは別の動機から複数会社にしている
・入念な損益シミュレーション、収支設計を事前に行っていない
・組織実態が伴っていない（複数会社化しても組織実態は1社のときのまま）
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について該当していないことを、
是非、一度立ち止まって考えてみていただきたいと思います。

 

逆に考えると、
複数会社化で成功をするためには、
最低限、以下のことが必要となるといえます。

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・本業、事業の目的から複数会社化を検討したい
・入念な損益シミュレーション、収支設計を事前に行っている
・複数会社を前提として組織体制をきちんと検討している
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このような背景があっての複数会社化であれば、
成長していける「グループ経営」を実践していける基礎が整っている、
といえるのではないでしょうか。