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Vol.21 連結グループ戦略と各社の戦略

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複数会社化する目的は様々です。

社長がどのような思いで
会社を複数所有したいかです。

小さな会社の場合、
このような質問をよくされます。

「会社を複数にした方が節税できると聞いたのですが・・・」

小さな会社が成長していく過程で、
利益が大きくなると、
税金の額もそれに応じて大きくなります。

このステージの経営者の多くは、
節税を考え出すようになり、
その1つとして別会社を作る、
という選択肢も考え出すのです。

複数会社化する理由は
社長それぞれで当然問題ありません。

節税目的というのも1つの考え方です。

但し、節税目的での複数会社化は、
たんに「会社を複数経営する」というだけで、
私の考える「連結グループ経営」とは異なります。

この
「会社を複数経営する」
「連結グループ経営をする」
の2つで最も違う点はどこになるのでしょうか?

それは
「複数会社化する主目的が何か」
という点です。

会社を複数経営するといった場合の主目的は
節税だったり、公私の分離だったり、
新規事業だったり、
様々ですし、自由です。

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一方で、
連結グループ経営を目指す場合の主目的は
「連結シナジーを前提とした企業成長」
です。

連結グループ経営の一環として
グループ節税や経営者個人資産対策、
といったことも個別戦略として
考えることは当然あります。

但し、個別の戦略が主目的ではないのです。
あくまでグループ戦略がありきです。

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つまり、
複数会社経営といっても
2つのスタイルがあるのです。

どちらの方がハードルが高いかというと、
「連結グループ経営」です。

中途半端に取り組んでも
良い効果はでないかもしれません。

連結グループ経営では、
経営者自らが率先してスキームをデザインし、
考え、試行錯誤しながら、
連結グループとしての企業価値を
高めていく努力が求められます。

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その代わり、
その努力から得られる果実も
大きなものとなります。

たんに複数会社を経営するだけの場合は、
各社がそれぞれの戦略のもと、
自由に法人経営がなされます。

ただたんにオーナーが同じというだけで、
それぞれの会社はそれぞれの道を
歩んでいくことになります。

一方で連結グループ経営では、
グループ各社がそれぞれの意志と
戦略をもって経営はするのですが、
その前提として、
まず連結グループとしての戦略がありきになります。

各社はそれぞれ経営理念を持ちますが、
その前提として、
連結グループ経営理念が存在します。

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連結グループとして目指すべきベクトルがあり、
そのベクトルと合った戦略を
グループ各社が実行していくことになります。

連結グループとして連結シナジーを
生み出せるような戦略・仕組みを取り入れて
点(各社)が線(連携)になり面(一体化)に
なっていく経営スタイルです。

連結グループ戦略と各社の戦略は
連動するということです。

この連結グループ経営においては、
経営者の役割がとても重要になります。

そして、この経営者の役割を
サポートし実践していく組織が
ホールディングカンパニーです。

ホールディングカンパニーは、
連結グループ経営の頭脳であり、
サポート役にもなります。

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連結グループ経営を実践していくには、
考えること、実行することの両方が必要です。

この両方を主導する役割を
ホールディングカンパニーが担うことができるのです。

このような
ホールディングカンパニーが
連結グループ経営の頭脳として、
グループ経営をコントロールする形が
「ホールディングス連結経営」です。

小さな会社や中小企業でも
きちんと取り組めば実践ができ、
企業を成長させていくことができるでしょう。

言い換えると、
小さな会社や中小企業で
ホールディングス連結経営を実践している例は少ないので、
頑張って取り組めば、
それが競争優位の源泉にもなり得ます。

複数会社化を目指す経営者には、
複数会社化する目的を明確にしたうえで、
どちらの道を進もうとしているのか、
事前にご検討いただきたいと思います。

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複数の会社を経営するのか、
連結グループ経営をするのか。

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