前回の続きです。

グループ経営者としては、
どのようにグループ組織デザインを考え、
日々変わっていく思考の変化に
対応していけばよいのでしょうか?

 

この問いに対しては、
私は、

———————————————
理想の「グループ組織デザイン」は
常に変わり続けるという前提のうえで
当初から組織デザインをしておくべき
———————————————

と考えています。

つまり、
デザインは「必ず変わる」という前提に立って
グループ組織のデザインをしておくことで、
その後変えたいときに柔軟に対応できるようにする、
ということです。

 

「回答になっていないのでは?」
という声も聞こえてきそうですが、
「必ず変わる」という前提を、
デザインの時点で
事前に意識し、反映しておくだけでも、
その後の展開は大きく異なると考えています。

Vol.89(2)

 

それでは、
「変わる前提のグループ組織デザイン」は、
どのように作成すればよいのでしょうか?

 

これを実践していくためには、
当初の段階で、
いくつかのグループ組織デザインを
具体的に複数シミュレーションしておくことがお勧めです。

たとえばですが、白紙の用紙に、

●事業別にグループ会社を分ける
●機能別にグループ会社を分ける
●地域別にグループ会社を分ける

といったようなパターンで
複数のグループ組織のデザインを
具体的に描いてみてください。

 

仮に、現時点では
「事業部別」にグループ会社を分けることが
理想形だと思っていても、
将来は「機能別」にグループ会社を
分けたくなるかもしれません。

「思考の変化」はご自身でも
予測しきれないものですので、
ここで重要なのは、
好き嫌いは置いておいて、
まずは考えられるパターンを
最初に描き出しておくことです。

Vol.16(2)

この描き出す作業を実施していただく際に、
1つ留意していただきたいポイントがあります。

それは、

—————————————
PC等のデジタル機器は使わず、
白紙に手書きで描き出す
—————————————

という点です。

この方が、
PC等のデジタル機器を使うより、
数倍ものアイデアが浮かび、
良いデザインができます。

 

そして、
その次に実施していただきたいのは、
描いた「グループ組織デザイン」のパターンを
横に並べてみて、見比べていただきたいのです。

あまり今の理想形だけを意識過ぎると、
将来の変化に柔軟に対応しづらい組織デザイン
になる可能性があります。

そのため、
まずは「今の好み」という縛りを外して、
いろいろなパターンを描き出し、
それぞれを比較してみていただきたいのです。

このような取り組みを実施しておくことで、
いろいろと気づきがあると思います。

 

たとえば、

「このパターンのメリットは●●だけど、
  △△という点ではデメリットである」

「やはり、このパターンが一番しっくりくる」

といった思いが、ご自身のなかで、
より具体的になり、確信できてくるはずです。

Vol.15(3)

そしてこの際に意識していただきたい点が、

——————————————
●起こり得そうなパターンの範囲
●どのパターンにも共通する点
——————————————

の2点についてです。

 

この2つを具体的にしておくことで、
「変わることを前提としたグループ組織デザイン」
が可能になってきます。

なぜかというと、

——————————————
●起こり得そうなパターンの範囲
 ⇒変わる可能性を予測できる
●どのパターンにも共通する点
 ⇒変わらない部分を予測できる
——————————————

と考えられるからです。

 

このあたりを「見える化」したうえで、
柔軟性のあるグループ組織デザインにしておく、
ということです。

この手法によって、
「変化に強い完璧な
グループ組織デザインができる」
とは当然ですが断言はできません。

但し、このようなステップを踏み、
事前に変わる可能性を「見える化」しておくことで、
その後のデザイン変更に
ずいぶんと柔軟性を持たせることができるはずです。

Vol.53(2)

 

今回お伝えした手法は、
とても原始的な方法と
思われるかもしれませんが、
馬鹿にせずに、
是非実践していただきたいと思います。

この方法を実際に実践していただくと
予想以上に効果が出るはずです。