連結グループ経営を実践するうえで社長にも知っておいていただきたい用語の解説です。

資産管理会社が活用される背景

企業が成長し、
世代交代を見据えるような時期になると、
オーナー社長にとって
気になるテーマがあります。

それは「事業承継」です。

若いころは、
事業を成長させることに邁進し、
事業承継のことは考えていないと思います。

但し、
ご自身も年齢を重ねられ、
会社規模も大きくなってくると、
避けられないテーマとして、
気になってくるものです。

この事業承継には、
大きく2つの論点が取り上げられることが
多いものです。

それは、
①後継者育成(ヒト)
②相続税(お金)とオーナーシップ
の2つです。

どちらも重要なテーマですので、
それぞれ対策をしていく必要があります。

このうち、主に
「②相続税(お金)とオーナーシップ」
のために活用されるのが、
「資産管理会社」
です。

資産管理会社とは?

それでは、
この資産管理会社とは、
いったいどのような会社なのでしょうか?

ざっくりいうと、
「オーナーの資産を管理する会社」
です。
読んで字のごとくではありますが。

ポイントは、
・オーナーの資産を管理すること
・個人ではなく法人として資産を管理すること
です。

たとえば、
オーナー社長が会社を創業したときには、
ほとんどの場合が、
ご自身のお金を会社に出資して、
設立していると思います。

事業成長に伴い、
この出資金を増やすことはあるかもしれませんが、
基本的には、
オーナー社長「個人」が「個人の資産」として、
法人の株式を所有している状況です。

ふだんは、
保有している自社の株式を
個人の資産として感じる場面は、
少ないかもしれません。

自社株式には価値がある?

ただ、
この自社の株式は、
れっきとした「個人の資産」なのです。

オーナー社長が保有している自社の株式は、
会社の価値と表裏一体ものです。

この株式を保有しているからこそ、
株主として会社を支配できているのです。

そのため、
会社が成長し、大きくなればなるほど、
オーナー社長が保有している
「自社株式の価値」
も大きくなります。

とはいっても、
手元で使えるお金が増えるわけではないため、
実感は薄いかもしれません。

役員報酬や法人の利益であれば、
お金として手元にも入ってくるため、
とてもリアリティのある資産になっていきます。

役員報酬であれば、所得税がかかったり、
法人の利益であれば、法人税がかかりますので、
税金の負担も実感できます。

それに比べて、
オーナー社長が保有している自社株式の場合は、
収入や税金負担を感じる機会が少ないため、
日常のなかでは意識から外れがちです。

それでも、
会社の成長・拡大とともに、
あまり実感のわかない
「自社株式の価値」
が膨れ上がっていっているのです。

自社株式の価値を実感できる瞬間は?

それでは、
どのようなときに
この自社株式の価値を
実感できるのでしょうか?

大きくは2つの局面があると思います。

1つは、
自社株式を売却したり、
第三者に増資をしてもらう場合です。

一例として、
株式上場のときのキャピタルゲインなども、
実感できると思います。

つまり、
自社の株式を換金できるタイミングです。

これまで実家のわかなかった
保有している自社株式が、
その価値に応じたお金に変わることで、
ダイレクトに実感ができます。

 

そして、2つ目は、
事業承継や相続のタイミングだと思います。

事業承継は、
後継者育成のテーマとともに、
財産の承継も伴うのです。

また、
相続では、
財産を引き継ぐことになりますが、
その際に財産をその時の価値で評価し、
その評価額に応じて税金が計算される仕組みです。

つまり、
あまり実感のわかなかった
自社株式という資産が、
相続税という「負担」が発生することで、
実感ができるようになるのです。

この場合は、
ダイレクトに「支出」だけが伴うため、
痛みとして実感することになります。

永続企業にとっての資産管理会社の必要性

このように、
ふだんは実感できる機会が少ない
自社株式という個人資産ですが、
いざ実感できる場面になると、
収入の面でも、支出の面でも
大きなインパクトがあるということです。

収入の場合には
それほど問題はないかもしれません。

一方で、
支出の場合には、
事前の準備をしていなければ、
大きな痛手になってしまいます。

このような
支出面での痛手(=税金)を
最小限にするための手法として活用されるのが、
「資産管理会社」
と言ってもよいでしょう。

個人で「個人資産」を管理するのではなく、
法人で「個人資産」を管理する形態へ変更することで、
この支出面の負担を変えることができるのです。

今すぐというよりは、
将来のための対策といった感じになると思いますが、
永続企業を目指す社長にとっては、
避けて通れない論点だと思います。

今回はここまでにしておきたいと思います。

次回予告

「なぜ、個人ではなく法人で
個人資産を管理した方が支出の負担を減らせるのか」
については、
また次の機会にお伝えしたいと思います。