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Vol.190 子会社の社長に求めるものは?

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グループ人材配置

グループ経営において、
重要な意思決定の1つとして、
「グループ人材配置」
が挙げられます。

 

なかでも重要になるのが、
「子会社の経営を誰に任せるのか?」
という点ではないでしょうか。

そして、同時に迷うところとしては
「子会社にどこまで管理機能を持たせようか?」
という点もあるのではないかと思います。

 

貴重なグループ人材を
どのように配置するかによって、
経営の結果も大きく変わってきますし、
経営者としては結構迷うテーマであることは
間違いないと言えるでしょう。

子会社の社長に求められる要素は?

子会社の社長を決めるにあたって、
一般的に多いのは、
このようなタイプではないでしょうか?

—————————
将来の後継者候補に、
まず「子会社社長」を担わせる
—————————

 

経営を学び、実践するには、
規模的にもリスク的にもちょうど良いのが
「子会社」になります。

 

そして一般的に、
子会社の社長に選ばれるような人材は、
営業系のトップであることが多いです。

自らがトップセールスマンであると同時に、
部下のマネジメントにも長けている人材です。

 

ただ、このような営業系の優秀な人材が、
規模の大小に関係なく、
いざ1つの会社のトップに立つと、
上手くマネジメントができなくなることが少なくありません。

どれだけ優秀で、
将来性がある人材でも、
やはり1つの会社を経営するとなると、
また別の能力が必要になるということです。

 

そして、
この「別の能力」の代表格として挙げられるのが、

——————-
・管理系の能力
・会計や財務系の能力
——————-

だと考えています。

 

今現在、子会社社長を任せている人材や、
これから子会社社長を任せようとしている人材に、
このような能力は備わっているかどうか、
是非振り返ってみていただきたいと思います。

なぜ子会社社長に管理系の能力が必要なのか?

自ら会社を大きくしてきた創業社長は、
唯一無二、別格の存在です。

創業社長には、
良い面だけでなく、
悪い面も当然あるでしょう。

 

一般的に、
そのような創業社長は、
次世代の経営者にも同じ経営手法や
同じ考え方を求めがちになります。

ただ1つ言えることは、
そのような創業社長は別格であり、カリスマであるため、
その「経営手法」や「経験と勘」は、
どれだけ優秀な社員であっても、
絶対にまねをすることはできません。

 

そう考えると、
次世代の経営者候補である子会社の社長は、
創業社長とは「別の能力」も発揮しながら
経営をしていく必要があります。

そして、そこで求められる「別の能力」こそ、
「管理系の能力」
「会計や財務系の能力」
なのではないかと思っています。

 

つまり、
数値を使って、
よりロジカルに経営を進めていく能力が、
創業社長以上に求められる、
という意味です。

 

語弊があるかもしれませんが、
創業社長の場合には、仮に結果がどうであれ、
やることはすべて「正解」とされることが多いものです。

そこに客観性や論理性は、
必ずしも求められないことが多いです。

 

一方で、
後継者の場合には、そうはいきません。
結果が良ければ「正解」と言われ、
結果が悪ければ「不正解」と言われるでしょう。

そう考えると、
後継者候補の子会社社長は、
創業社長以上に、
よりロジカルかつ数値管理を意識した、
客観的な経営をしていくことが
求められるということです。

 

つまり、「経験と勘」による経営が許されるのは、
創業社長だけと言ってよいでしょう。

また、創業社長といった
経営を「任せる側」の立場からしても、
このようなロジカルかつ数値で説明できる客観的な経営を
子会社社長にしてもらった方が
現場で何が起こっているかを理解・把握しやすくなるはずです。

 

自分の場合は「経験と勘」が許されたとしても、
他人に同じように「経験と勘」だけで経営をされては、
その良し悪しを判断することが難しいですし、
コントロールすることすらできなくなってしまう、
ということです。

「別格」ではない子会社社長が目指すべき姿は?

それでは、
これから子会社社長を任せようとしている人材に
もし管理系の能力や数値管理系の能力が不足している場合、
どうすればよいのでしょうか?

 

対処方法は大きく分けて、
以下の2つの方向性になると思います。

1つ目は、
「右腕になる管理系人材を子会社へ送り込む」
という選択肢。

そしてもう1つが、
「子会社社長を任せる人材に管理系能力を新たに学ばせる」
という選択肢。

 

実際に、この両方を実現できるのであれば、
それに越したことはありませんが、
人材も限られていると思いますので、
なかなか容易ではないでしょう。

そうした場合に、
どちらか一方を選ぶとすると、
私であれば、
やはり後者を選びたいと思っています。

つまり、

——————————-
子会社社長を任せる人材に
管理系能力を新たに学ばせる
——————————-

ということです。

 

私自身、
いろいろな会社を見てきましたが、
やはり子会社社長が数値に強かったり、
管理系の能力が高い場合には、
業績が安定している印象が強いからです。

つまり、
向き不向きはあれど、
子会社社長になるのであれば、
最低限の管理系の知識や
財務や会計の知識を学んでもらう、
ということです。

 

創業社長は、結局は
何をしても許される「別格」な存在だとしても、
子会社の社長や、
これからの後継者になる人材は、
よりロジカルに、より客観的に経営していくことが
求められるのではないかと思っています。

★★★★★★★
後継者に必要な資質を
考えていますか?
★★★★★★★

 

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