連結グループ経営を実践するうえで社長にも知っておいていただきたいマメ知識の解説です。

オーナー社長であれば、
おそらく「税金」という言葉に敏感だと思います。

いろいろな税金がかかわってくると思いますが、
そのうちの3大税金は、
①法人税
②所得税
③相続税
になるのではないでしょうか。

この3つの税金は、
どれも少しずつ係り合っています。

一方で、
いろいろな社長とお話をしていると、
この3つの税金の関係を
総合的に考えることはなかなか難しいことも
感じています。

とくにグループ経営となると、
関与する会社が増える分だけ、
税金の関係を整理するのが複雑になります。

そこで、
少しでもオーナー社長に
この3つの税金の関係性を把握していただけるように、
簡単に整理してお伝えしたいと思います。

まず、上記3つの税金のうち、
普段気にされることが多いのは、
法人税所得税になるのではないかと思います。

どちらも、
毎年の利益や所得という稼ぎに対して、
課税がされる税金です。

法人の稼ぎに対して課されるのが「法人税」。
個人の稼ぎに対して課されるのが「所得税」。

ここまでは大丈夫かと思います。

そして次に
この両者の相関関係です。

基本的には、
「個人の稼ぎ↑ ⇔  法人の稼ぎ↓」
「個人の稼ぎ↓ ⇔  法人の稼ぎ↑」
という関係にあります。

つまり、
役員報酬を増やせば、
個人の所得は増えますが、
一方で、
法人としては経費が増えるので、
法人の利益は減少します。

オーナー企業の場合には、
役員報酬をある程度ご自身の意思で
決定できる側面があると思います。

そのため、
オーナー社長自らが、
「個人」と「法人」の所得のバランスを
実質的に決めることができます。

私自身は、
「個人と法人の配分はこうすべき!」
といった考えはとくに持っていません。

あくまで
会社ごとに状況は異なるので、
最終的には社長が判断する事項です。

そのため、
社長には正しい知識のもと、
最善の判断をしていただきたいと思っています。

そこで、
個人と法人の配分方法によって、
税金の金額はどのように変わるかを
税率の点からお伝えしたいと思います。

前提として、
資本金1億円以下と置いておきます。
(資本金が1億円を超えると法人税率が変わります)

<法人税(法人住民税含む)>
・所得800万円まで:約23%
・所得800万円超:約36%

<所得税(個人住民税含む)>
・所得195万円まで:約15%
・所得195万円~330万円まで:約20%
・所得330万円~695万円まで:約30%
・所得695万円~900万円まで:約33%
・所得900万円~1,800万円:約43%
・所得1,800万円~4,000万円:約50%
・所得4,000万円~:約55%

いかがでしょうか?

たとえば、
・法人の利益=3,000万円
・個人の役員報酬=3,000万円
とするときと、
・法人の利益=5,0万円
・個人の役員報酬=1,00万円
にするときでは、
トータルの税金はかなり変わると思います。

是非ご自身で電卓をたたいて、
計算をしてみてください。

ちなみに、
今後の流れとしては、
法人税率はさらに下がっていく予定ですが、
所得税率はむしろ上がっていく可能性の方が
高いと思われます。

実際には、
税金計算にあたり、
いくつかの「所得控除」規定があるので、
計算は複雑になります。

但し、
いろいろ書くとごちゃごちゃになるので、
まず今回はシンプルに税率だけの比較を
させていただきました。

もし詳細が気になる場合には、
顧問税理士に確認をされてみるのが
良いと思います。

気にする必要があるポイント等を
教えてくれるのではないかと思います。

そして、もし、
専門家に相談する際には、
注意していただきたいポイントがあります。

私がいつもクライアントにお伝えしているのは、
「専門家への丸投げは禁止!」
という点です。

別に頼っても良いです。
そのための専門家ですので。
ただ、詳細説明もなく「丸投げ」するのだけは、
避けていただきたいと思います。

専門家に相談する際には、
社長自らも基礎知識の勉強してください。

また、
勉強が難しければ、
専門家に基礎知識に勉強の仕方等を
確認してみてください。

社長自らが勉強をし、
より深い視点で専門家を活用できれば、
専門家は価値のあるアドバイスを
してくれるはずです。