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【雑感】コンサルタントの「指導した会社の数」は重要?

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コンサルタントの実績とは?

今日はコンサルタントや専門家が
自身の「実績」を語るうえで、
よく用いられる「指導した会社の数」について、
持論を書いてみたいと思います。

 

よくコンサルタントや専門家のプロフィール等で
・●社以上の会社を指導してきた
・●社以上の会社を救った
といったような表現が用いられることがあります。

100社以上とか、
多い場合だと1,000社以上とか。

 

このような数字自体は
すごいことだと思うのですが、
昔から、私はこのようなプロフィール実績について、
疑問がありました。

何十年も業務をやっていれば、
100社は可能かもしれませんが、
本当に1,000社とか可能なのだろうか?
そう思ってしまうのです。

 

確かに、
B to C型のコンサルティングであれば、
100人とか1,000人といった数字は、
実績としては正常な数値と言える範囲だと思います。

ただ、これが
B to B型のコンサルティングであれば、
話は変わってくるような気がするのです。

1人を救うのと、
1社を救うのでは、
同じモノサシで比較は難しいと思うのです。

B to B型のコンサルティングの限界支援社数

私自身は、
B to B型のコンサルティングで
これまでも活動してきましたし、
おそらく、これからもそうだと思います。

 

22歳で某監査法人に入社し、
その後、転職、独立、と歩んできました。
この間、約15年間。

どこまでを自分の実績にしてよいのかわかりませんが、
仮に大きく見積もって、
監査法人時代の担当クライアントまで遡って含めたとしても、
関与させていただいたクライアント数は、
100社には満たないと思います。

 

さらに、そのなかには、
とても小さな規模の案件や、
1回きりの接点だけのお客様もいるので、
胸を張って
「支援させていただきました」
と言える会社となると、
おそらく50社いくかいかないか、
といった感じだと思います。

 

いろいろな業務内容はあるため、
一概には言えませんが、
単純計算すると、
「50社÷15年間≒3社/年」
と計算できます。

つまり、
単純に1年平均すると、
せいぜい3社の支援ということになります。

 

ただ実際には、
何らかの形で支援が
数年間リピート・継続になることが多く、
毎年関与先数が少しずつ
積みあがっていくようなイメージではありますが。

そのため、私の場合における
この「3社/年間」という数字は、
どちらかというと、
「1年あたりの新規クライアント数」
と言っても良いかもしれません。

 

いずれにしても、
私のビジネススタイルの場合、
100社ですら遠い道のりである、
ということです。

そう考えた場合に、
「本当に100社とか1,000社とか、
可能なのだろうか?」
と純粋に思ってしまうわけです。

量?質?

いろいろなサービス形態があるので、
一概に支援してきた社数で判断するのは難しいです。

ただ、私の場合でいうと、
1社を支援するのは、
それなりに時間がかかる、
ということです。

本来は、短期間で結果を出し、
支援が完了するのが理想的ですが、
私の能力では、まだまだその域には
達していないとも言えます。

 

但し、
会社には複数の「ヒト」がいて、
これまでの企業文化があって、
いろいろな背景が絡み合っています。

当然ながら、私1人で、
クライアントを変えていくことはできませんし、
いろいろな方の支援が不可欠です。

 

1社の業務の内容を理解し、
社長の考えを理解し、
社員の特徴を理解し、
企業文化を理解し、
今後の良い方向性を一緒に考えていくには、
それなりに時間をかけて
信頼関係を構築していくことも必要です。

1社を支援するのは、
それほど時間や労力がかかる、
と言えるでしょう。

 

そのため、
支援してきた「社数」だけで見ると、
どうしても多いという感じにはなりません。

 

ただ、この点については、
私はこのように思っています。

たとえば「10社」をまんべんなく支援するより、
「1社」を徹底的に理解し、支援していく方が、
コンサルタント・専門家としての経験値としては、
高くなるのではないか、と。

経験値として、
「量(支援社数)」も大切なのですが、
「質」も意識していこうと思うと、
特定の1社を徹底的に支援する方が
より深みのある経験値になるのでは?
と感じるのです。

 

一般的には、
支援してきた「社数」の方が
実績として見栄えが良いのかもしれません。

また「社数(量)」をたくさんこなすことで、
実力(質)も上がるはずです。

但し、
1社を徹底的に支援することは、
その1社のなかで「量」を経験することができ、
それが最終的には「質」にもつながっていく、
と私は考えています。

 

1社のなかには、
いろいろなものが詰まっていて、
いろいろなつながりがあります。

1社を徹底的に支援していくことは、
ビジネスの全体像の理解が本当に深まります。

 

そう考えると、私の場合は、
支援する会社数を多くしていくよりは、
自分の専門性と会社のニーズがマッチし、
お互いを高め合える「1社」に出会えるかどうか、
ということの方が大切だと考えています。

1社を徹底的に

ただ一方で、
1社を長く支援させていただくスタイルは、
ときには甘えもでてきますし、
徐々にマンネリ感もでてきます。

 

自分自身が成長していき、
自分自身を変えていかないと、
「1社を長く支援させていただく」
ということは難しいでしょう。

クライアントの成長スピードに
私自身が合わなくなれば、
そもそも支援できる存在ではなくなっていきますので。

 

そのため、
日々の自己研鑽が重要なのは
言うまでもありませんので、
それはそれでプレッシャーではあります。

そのようなプレッシャーのもと、
クライアント数ではなく、
1社を徹底的に支援することで、
「量」と「質」の経験値もアップしていけるように
引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

今回は、
最近話題になった経営コンサルタントの実績に
「600社以上」
とあったため、
常日頃思っていることを
書いてみました。

まあ、人それぞれなので、
他者と比較する必要はないのですが。
私は私のスタイルで頑張っていきたいと思います。

★★★★★★★
実績はどのように見ますか?
★★★★★★★

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