これまで、
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●シェアードサービス化の最優先目的は?
  ↓
●最初は「業務の標準化」に焦点を当てるべき
  ↓
●そのためには「業務の棚卸」が必要
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ということでお伝えしてきました。

つまり、「業務の棚卸」をすることが、
シェアードサービスの出発点になるということでした。

この「業務の棚卸」にあたっては、
Vol.125 失敗しない「見える化」の3つのポイント
の中で、以下の3つのポイントをお伝えしました。
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①各業務の見える化の作業は各担当者が実施した方がよい
②できる限り簡単なところからスタートする(完璧を求めない)
③業務の見える化作業を日常業務の中に組み込む
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それぞれのポイントの趣旨は、
①主体性
②実行性
③継続性
ということでした。

今回は、このうち、
「①社員の主体性」
という点について、
もう少しだけお伝えさせていただきます。

Vol.18(2)

まず、
業務の棚卸をする際には、
業務に携わっている各社員の協力が不可欠です。

各自が実施している業務を見える化するのですから、
当然といえば当然なのですが、
意外とココが難しいところです。

どのようなスタンスで社員に協力してもらうかで、
その後の展開が大きく変わってしまいます。

つまり、
社員が主体的に関わってくれるのか、
それとも、引き気味で関わるのか、
で雲泥の差が出ます。

よくある事例が、
社員に負荷をかけたくないという理由で、
・外部専門家に作業を依頼する
・社内の特定の人材だけが作業を実施する
といったケースがあります。

私も昔はよく、
「業務の棚卸」「業務の見える化」
という依頼を受け、
いろいろな会社の業務フローを作成したり、
マニュアル作りをしていました。

社内の人材が主体となって
業務フローやマニュアルを作るということでスタートしても、
気づけば、多くの社員が一歩引いた感じになり、
外部専門家である私が作業をしている、
といったことも多くありました。

これはこれで、
多くの人が関与しない分、
作業自体はスムーズに行く側面もありますし、
出来あがった成果物も「それっぽい」ものが
出来あがります。

成果物だけ見ると、
一定の満足感は得られるのですが、
その後の展開が、
どうしても上手く回っていきません。

なぜかというと、
各社員が自分で作り上げたものでないため、
出来あがった成果物に関心が無いからです。

Vol.24(2)

当時の私の思いとしては、
「現場に余計な負荷はかけないように」
という気持ちがありました。

経営者も
同様な気持ちがある場合が多く、
その点ではニーズはマッチしていました。

但し、
その後の展開を振り返ってみる限り、
この考えは間違いだったように思います。

現場が関心を示さない取り組みでは、
生きた成果物が出来上がらないからです。

さらに思うのは、
成果物自体が重要というよりは、
成果物を完成させるプロセスの方が
実は重要なような気がしています。

各社員が関心を示し、
自分事として取り組むなかで、
悩んだり、考えたり、社員間で相談する、
といったプロセスこそが実は重要なのではないか。

最近は、このように考えるようになりました。

遠回りのようですが、
実はこのプロセスを経ることが、
人材の成長、ひいては組織の成長に
つながっていく、ということです。

Vol.67(1)

結局、
成果物の見た目や精度は
それほど重要でないのかもしれません。

使われない成果物では、
価値は全くありません。

見栄えが良くなくても
みんなで作った成果物こそ
「使われる成果物」
になると思います。

そして、プロセスを通じて、
社員が成長し、組織力が高まる、
ということの方がより大切なのかもしれません。

そう考えると、
意地でも現場社員を巻き込んで、
主体性を持って
「業務の棚卸」「業務の見える化」
という業務に取り組んでもらわなければいけません。

いろいろな社員がいると思います。

業務の棚卸の意味を理解しない人。
理解はしても上手く行動できない人。
もともと冷めている人。

但し、
このようななかで最も危険なのは、
「現場への遠慮」
という気持ちに負けてしまうことです。

現場へ遠慮することは、
そのときは楽なのですが、
最終的には不幸をもたらします。

経営者としては、
現場への遠慮を断ち切って、
リーダーシップを発揮して、
社員を巻き込んでいただければと思います。

Vol.33(3)

「業務の棚卸」という業務は特別な業務ではなく、
通常やるべき業務の一部だという意識のもと、
社員へ丁寧に説明を繰り返せば、
きっと社員も「その気」になってくれるはずです。

次回は、
Vol.125 失敗しない「見える化」の3つのポイント
の2点目のポイントである実行性について
お伝えさせていただきたいと思います。