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【コラム】現場を把握する経営会議は可能?

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組織内の会議

会社規模が小さいうちは、
あまり「会議」という感じの場は少ないものですが、
組織規模が大きくなるにつれて、
どうしても「会議」が増えていくものです。

組織規模の拡大とともに、
分業と協業が進みますので、
関係者が集う「会議」の場で、
情報共有・意思決定が行うようになるのは、
避けられないでしょう。

 

私も、
業種の違い、規模の大小はあれど、
様々な会社のなかで行われる
現場の小さな打ち合わせレベルから、
経営レベルの会議まで、
数種類の会議の場に同席することも
少なくありません。

会議の内容や進め方は
良い意味でも、悪い意味でも、
それぞれの社風が出るので面白いものです。

 

ちなみに、
だいたいの会社では、

・月次:取締役会(役員)
・週次:経営会議(役員+α)
・日次/都度:現場(ミドル+α)

といったような形で、
会議が階層化されてる印象です。

会議の目的・内容

会議体によって、
その目的・内容は変わってくるものです。

 

現場レベルの会議は、
実務現場で今、前に進むための
喫緊の課題を話し合うもの、
特定プロジェクトの進行管理、
といったような感じが多い気がします。

一方で、
経営会議や取締役会といった
経営陣主体の会議では、
やはり「経営数値(実績)」の話が
話題の中心になりがちです。

 

両者を比較して感じるのは、

———————————–
現場レベルの会議
 ⇒「行動(プロセス)」にフォーカスする傾向がある
経営陣主体の会議
 ⇒「結果(実績)」にフォーカスする傾向がある
———————————–

という印象があります。

 

現場レベルの会議のなかでは、
組織全体のことや、目的、結果について
見失われてしまうことが多々ありがちです。

一方で、経営層に近い会議では、
経営数値の結果(実績)の方の話題が優先されがちで、
その背景にある現場の行動やプロセスについては、
議論される時間が少なくなりがちです。

 

これは、
登場人物や目的が異なることもあり、
仕方ないところではあります。

会議の生産性

ただ、「経営の舵取り」という意味で、
その中身をより意識しなければいけないのは、
経営層で行われる会議の生産性の方でしょう。

経営層で行わる会議次第で
その下の階層で行われる会議の進め方や雰囲気、
フォーカスされるテーマ等も
変わってくるものです。

そのため、
経営層で行われる会議の生産性を考えることの方が
より大切なのではないかと思っています。

 

それでは、
経営層で行われる会議の「生産性」とは、
どのようなことを意識すればよいのでしょうか?

私としては、やはり

———————————–
経営層で行われる会議の場を、
有効な経営意思決定を行える場にする
———————————–

ということのような気がします。

 

そして、
この「有効な経営意思決定」を下すためには、
現場の現状を正確に把握することが
どうしても必要になってくると思います。

正確な現状把握無くして、
正確な経営意思決定は不可能ですので。

 

とは言え、
「正確な現状把握」
が、とても難しいものです。

 

“実績”としての経営数値を
正確かつタイムリーに把握することも、
当然重要な「現状把握」です。

但し、
この「実績」は、あくまで「結果」です。

「結果」はあくまで終わったものですので、
「結果」にフォーカスしているだけでは、
「結果」を直接変えることはできません。

 

もし「結果」を変えようとするのであれば、
そこに至るまでの「プロセス(行動)」の方に
直接影響を与え、変えていく必要があります。

 

そう考えると、
経営層で行われる会議体としては、

—————————
今の「結果」を引き起こしている
「プロセス(行動)」の現状を正確かつタイムリーに把握し、
「プロセス(行動)」に直接影響を与えるような
経営判断をしていける場
—————————

になっていければ理想といえるでしょう。

つまり、
「結果の現状把握」だけでなく、
「プロセス(行動)の現状把握」がきちんとできれば、
有効な経営意思決定もでき、
会議の生産性が高まるのではないか、
と思うのです。

一般的には・・・

多くの会社の経営会議等では、
まだまだ
「実績(結果)確認・共有」
に使っている時間が多いような気がします。

会議資料自体も、
そのような作りになっています。

 

あくまで個人的な感覚ですが、
多くの会社の経営会議等では、

———————————
結果(実績)の確認:8割
プロセス(行動)の確認:2割
———————————

といった時間配分といった印象があります。

これを意識的に、

———————————
プロセス(行動)の確認:8割
結果(実績)の確認:2割
———————————

くらいの割合に、
会議の中身を変えていければ、
「経営の舵取り」の生産性が上がるのではないか、
と考えています。

 

つまり、
経営会議等の主目的を、

—————————
「実績把握・共有」ではなく、
「プロセス(行動)把握・管理」の方へ移行していく
—————————

ということです。

 

これまでのやり方を変えることは
容易ではないと思いますが、
会議の本質的な趣旨が変わるわけではありませんし、
チャレンジしてみる価値はあると思います。

経営陣がプロセスに興味をもつと・・・

“結果”が重視される経営陣ですが、
その“結果”を変えるために
あえて”プロセス”にフォーカスすることに
エネルギーと時間を費やす、
ということです。

もし、このように会議の主目的を、
「プロセス(行動)把握・管理」
と予め決めておけば、
自然と会議のやり方も変わってくるのはないでしょうか。

 

たとえば、
限られた時間を有効に使うためには、
実績(結果)は会議前に情報を共有して、
各自が会議前に確認をすればよいと思います。

そうすれば、会議では、
プロセス(行動)把握・管理に
より時間を費やすことができます。

 

また、そのような流れになると、
会議資料の作りも変わってくると思います。

結果ではなく
プロセス管理を重視するような
会議資料・見せ方になってくるはずです。

 

このような意識は、
経営陣が日々の「経営」をしていくうえで、
現場の「プロセス」「行動」を意識したり、
もっと現場の現状を把握しようとする機会を
自然と増やしてくれると思います。

現場の社員も、
あまり細かくプロセスや行動をチェックされるのは
好まないかもしれませんが、
現場の実態(プロセス・行動)に無関心な上司よりは、
よっぽど信頼はされるはずです。

 

ちなみに、
プロセスにフォーカスしようと思うと

————————–
①行動の細分化
②行動の工程化(ステップ化)
③行動の数値化
④行動の期限設定
————————–

といったようなことをして、
客観的に測定可能な状態にすることが
基本になってくると思います。

 

是非、自社の「結果」を引き出している
現場の「プロセス・行動」を見える化してみては
いかがでしょうか?

★★★★★★★
結果とプロセス。
上手く使い分けできていますか?
★★★★★★★

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