複数会社化を検討する場合、
何らかの理由があります。
事業が拡大したことで、
事業別に会社を分けるという事例も
多くあります。
また、これまで会社を支えてきた既存事業が
衰退していくなかで、
新規事業へのチャレンジとして、
別会社を作るケースもあると思います。
経営者によって、考え方は様々ですが、
企業が成長していく過程では、
複数会社化は自然と通る道です。
但し、もし初めて複数会社化を
検討されている社長には、
注意しておいていただきたいことがあります。
それは、
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複数会社化して失敗する事例はかなり多い
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ということです。
だからといって、
複数会社化はしてはいけません、
と主張したいわけでは決してありません。
成長していく会社において
複数会社化は避けて通れない道だからです。
企業成長に取り組む社長には
複数会社化に成功していただき、
永続する企業への道を歩んでいただきたい、
と思っております。
一方で、複数会社化による失敗が多い、
という現実も知っておいていただきたい、
という思いも同時にあります。
たんに複数の会社を作っただけで、
結局、管理コストだけが高くなったり、
逆に管理がずさんになってしまったり、
いろいろな失敗事例があります。
いったん複数会社化をして失敗した結果、
もとの単一会社に戻るケースも
事例としては少なくありません。
そのため、
複数会社化を決意する際には、
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「会社の数を増やす」のではなく、
「連結グループとして経営に移行する」
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という意識を、
社長にはお持ちいただきたいのです。
そして、
もう1つ自問していただきたいことがあります。
それは、
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「本当に既存の単一会社ではできないことなのか?」
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ということです。
中途半端な思い、安易な考えで、
会社を複数化することは
あまりにもリスクが高すぎます。
私も多くの失敗事例を見てきました。
単一会社で本来できることをやりきらずに、
会社を複数化することで解決しようとしても
それは難しいということです。
単一会社でやれるべきことをやりきったうえで
複数会社化を決意されているのであれば、
安心して、次の企業成長ステージである
「連結グループ経営」をおすすめしたい、
という思いです。