会社の状況とマネジメントの違い

先日、ベネッセの原田社長が
退任されるというニュースがありました。

個人情報流出という厳しい背景あったとは思いますが、
どれだけ実績のあるプロ経営者でも置かれた状況や会社によって
万能なわけではないと思います。

会社の置かれている状況によって
マネジメント手法も変わってくるという意味で、
今回は”赤字”の会社に焦点をあて、
書いてみたいと思います。

テーマは、
「赤字会社の経営者がとるべき”戦略”」
についてです。

黒字会社vs赤字会社

黒字会社と赤字会社、
ざっくり言うと、
どのような違いがあるのでしょうか?

極端ではありますが、

——————————
黒字会社:存続していける
赤字会社:存続していけない
——————————

と定義してみたいと思います。

 

黒字会社でも急な損害が発生し、
倒産することもありますし、
手を抜くといつ赤字になってもおかしくない時代です。

但し、黒字である限りは、
倒産する確率はやはり低いです。

一方で、赤字が続くと、
間違いなく、どこかで倒産します。
(細かい例外はここでは議論するつもりはありません)

 

そう考えると、

———————————
黒字会社と赤字会社では、
マネジメント手法は根本的に異なる
———————————

と考えるのが自然です。

グループ経営の場合であれば、
グループ全体の連結決算ベースで、
赤字か黒字かで判断することになります。

 

そして、
赤字の状況にある経営者の場合、
まず優先的にやるべきことは、

——————–
“最短”で”黒字”にすること
——————–

に尽きるでしょう。
これが企業存続の条件ですので。

 

最短で黒字にしようとするマネジメントと
そうでない状況にある会社のマネジメント。

両者は自然と異なる方法になってくると思います。

赤字会社の経営者に求められることは?

黒字の会社にも
いろいろな状況があると思いますが、
普通に考えると、
赤字の会社よりは「余裕」があるはずです。

これは、
金銭的にも精神的にもです。

好調な会社の場合には、
増収増益期待へのプレッシャーがあったりしますが、
これは、赤字会社と違う次元の
前向きなプレッシャーと捉えて良いでしょう。

 

赤字の会社が黒字化していくためには、
このような金銭的にも精神的にも余裕をもち、
周囲の高い期待に応えながら
チャレンジしている黒字会社と戦い、
追い着き、追い越していかなければいけません。

それも、
赤字会社の場合は、
後が無いという状況もありますので、
“短期” かつ ”確実” に、
黒字化していくことが求められます。

 

そう考えると、

——————————–
黒字化のための戦略を立案して
その戦略を限りなく100%実行すること
——————————–

これが赤字会社の経営者が
実践していくべきマネジメントなのではないか、
と思います。

 

何の変哲もない
普通のことを書いてしまいました・・・が、
ここには2つのポイントがあります。

●黒字化のための戦略とは何か?
●組織内でどのように「100%の実行力」を実現するのか?

という点です。

この点について
もう少しだけ書いてみたいと思います。

100%の実行力を伴う戦略とは?

社員に多くのことを望む経営者の姿や
それを実践しようと頑張る社員の姿を
いろいろな会社で私も見てきています。

そして、年々感じるのは、

「多くのやるべきことに忙殺されて、
社員はみんな疲弊しているなぁ」

という思いです。

 

競争の激しい時代のなかで、
増収増益の会社も、
赤字に苦しんでいる会社も
本当にみんな頑張っています。

このような環境のなかで、
漫然とした戦略で戦っていては、
競争に勝っていくのは難しい状況です。

とくに赤字会社の場合には、

——————————–
黒字化のための戦略を立案して
その戦略を限りなく100%実行すること
——————————–

が求められます。

 

それでは、これを実現するために、
赤字会社の経営者は、
いったいどのように対応していけばよいのでしょうか?

それは、ずばり、

————————–
最も優先順位の高い戦略1つに絞る
————————–

ということなのではないかと考えます。

 

よく言われる「選択と集中」と言ってもよいかもしれませんが、
多くの赤字会社でできていないので、
あえて書かせていただきました。

ポイントは「1つ」だけに絞る、ということです。
それも「最も優先順位の高いもの」だけに。

100%の実行力を伴う戦略を立案

経営者であれば「やりたい戦略」を
挙げだせばきりがないはずです。

そのなかには、
いろいろな目的の戦略があると思いますが、
赤字の会社の場合には、
最優先目的は「最短での黒字化」です。

そのため、
数ある戦略のなかから、
「最短で黒字化するための戦略」
だけに絞るべきだと思います。

それもただ1つだけに。

 

多くの経営者が「捨てる」ことを苦手にしています。
但し、赤字会社の場合には、
多くの経営者と同じことをしている余裕はありません。

最短で黒字化するための”唯一”の戦略だけに注力し、
残りの戦略は捨てる覚悟が必要なのではないかと思います。

 

絞ることの重要性は、
私が改めて説明するまでもないかと思いますが、
あえて私がその理由を書くとすると、
「100%の実行力」
を目指すため、です。

 

さきほど、

「多くのやるべきことに忙殺されて、
社員はみんな疲弊しているなぁ」

と表現しました。

このようななかで多くの戦略を
組織内に浸透させ、実行してもらうのは、
不可能に近いと考えた方が良いと思います。

 

そのため、

—————————–
実行力を「100%」にしたければ、
戦略は「1つ」に絞るしかない
—————————–

ということです。

 

算数的にいうと、

1つの戦略⇒100%の実行力
2つの戦略⇒50%の実行力
3つの戦略⇒33%の実行力

といった感じになります。

実際には、戦略が多くなるほど、
上記のような理論上の実行率より
さらに低くなるはずです。

 

繰り返しになりますが、
今回の話の前提は、
赤字会社のマネジメントです。

 

赤字会社はやるべきことを
確実に実行していかなければ、
会社の存続自体が危うくなっていきます。

「100%」実行される戦略にするためには、
「1つ」の戦略に絞る必要があるということです。

 

よく
「戦略=やらないことを決めること」
と言われますが、
まさに「1つ」だけの戦略を決めること自体が
赤字会社の社長の「戦略」だと言えるでしょう。

それも、
赤字会社の最優先目的は「最短での黒字化」ですので、
そのために一番効果のある戦略だけ」に絞る、
ということです。

 

結局、

「1つの戦略に絞ること」

これが、さきほど

●黒字化のための戦略とは何か?
●組織内でどのように「100%の実行力」を実現するのか?

と書かせていただいた問いに対する
解答になるということです。

 

絞る行為自体が「戦略」であり、
かつ、実行力100%へのポイントだということです。

まとめ

赤字会社の経営者としてやるべきことは、

—————————————-
●最短での黒字化に最も効果のある1つの戦略に絞る(=他の戦略を捨てること)
●その1つの戦略を徹底的に組織内で訴え続け、浸透させること
—————————————-

なのではないかと考える次第です。

 

他にやりたい戦略もあるかもしれませんが、
まずは「やりたい戦略」より「やるべき戦略」です。

黒字化が達成できれば、
「やりたい戦略」も堂々とできるようになりますので。

★★★★★★★
やらないこと、
決めることができていますか?
★★★★★★★