グループ経営における
商品戦略のポイントは、
「グループ会社の増加=現状の商品・サービスの価値を高める」
「グループ会社の増加=粗利率の増加」
でした。
(Vol.83 グループ経営における商品戦略①参照)
言い換えると、
「単品リピート商品の強化」
とも表現できます。
この点について、
今回はもう少しお伝えしてみたいと思います。
まず、
大企業でない限りは、
価格競争に参入すべきでないことは、
経営者であれば意識されていると思います。
とくに永続企業を目指すのであれば、
きちんとした顧客に、きちんとした価格で、
長く購入していただける経営スタイルを
追求していくべきです。
わかっていても
ついつい価格に逃げやすいところなので、
経営者としては、
「絶対に価格に逃げない」
という強い意志をもって、
歯を食いしばっていただきたい、
と思っています。
そして、
グループ経営者であれば、
各グループ会社の「存在意義」は、
「価格を下げるのではなく、
提供する商品・サービスの価値を上げること」
にあることを、
強く認識していただきたいところです。
別にグループ会社が無くても、
商品・サービスの提供価値を
高めることができるのであれば、
わざわざグループ会社を増やす必要はありません。
「本当にそのグループ会社は必要なのか?」
グループ会社の存在意義について、
商品戦略の視点からも
一度考えてみていただきたいと思います。
それでは、
商品戦略上、
どのようなグループ会社展開であれば、
存在意義があるのでしょうか?
まず、
念頭に置いていただきたいのが
「利益=売上-費用」
という絶対的な公式です。
グループ経営であっても
この公式は変わりません。
「グループ利益=グループ売上高-グループ費用」
となるだけです。
そうだとすると、
グループ会社を増やすことは、
「売上高を増加できる」
「費用を削減できる」
のどちらを目的にするかを
最初に明確にしておくことが必要です。
さらに、
売上高の増加とは、
「売上単価を上げるのか?」
「売上数量を上げられるのか?」
「売上頻度を上げられるのか?」
といったところまで、
きちんと落とし込んでください。
とくに
グループ経営者が意識すべきは、
「グループ会社の増加=売上単価を上げること」
「グループ会社の増加=売上頻度を上げること」
です。
現在提供している
商品・サービスの価値を高めるために
かつ、
その商品・サービスをリピートしてもらうために、
必要不可欠なグループ会社を
増やしていくモデルです。
そのためのポイントは
いろいろあると思います。
私なりに考えるポイントを
3つだけ挙げさせていただくと、
①価値を高めるための「パッケージ化」
②リピートしてもらうための「フォロー体制の充実(入口~リピート)」
③独自性を高め、コストも削減するための「内製化」
です。
つまり、
グループ会社を増やすことで、
重要な業務を内製化することができ、
魅力的な商品・サービスとしてパッケージ化でき、
継続的に購入してもらうためのフォロー体制を作ることができる。
このようなグループ商品戦略をもって、
グループ会社を拡大していくのであれば、
永続していけるグループ企業になっていけるはずです。
なんとなく
グループ会社を増やすことだけは
絶対に避けてください。
また、
グループ会社が増えるごとに
提供商品・サービスの品ぞろえを
増やしていくような、
総花的な商品戦略も避けるべきです。
このような拡大を続けていると、
いずれグループの力が分散し、
何をやっているかわかりづらい
企業群になってしまいます。
これからの
グループ経営者がめざすべきは、
徹底的に
今の主力商品・サービスを磨き上げ、
付加価値を高めるために、
グループ各社が連動する経営です。
きっと、
まだまだ
今の主力商品・サービスに
磨きをかけられるはずです。