※平成29年5月18日にバーチャレクス・コンサルティング株式会社より適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行及び定款の一部変更 (商号及び事業目的の変更)に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。
内容
持株会社体制への移行
開示概要
●平成29年5月18日開催の取締役会において
平成29年10月2日付で持株会社体制へ移行するべく会社分割(新設分割)を実施し、
同日付で商号を「バーチャレ クス・ホールディングス株式会社」に変更するとともに、
事業目的を持株会社体制に合致したものに変更する旨、決議した。
●持株会社体制への移行については、
平成29年6月28日に開催予定の当社定時株主総会において
所定の決議が得られることを条件に実施する予定。
●新設分割以降の同社単体の業績については、
主としてグループ会社からの経営指導料収入、配当収入等により
持株会社の運用経費等を賄う収益構造となる予定。
持株会社体制移行の背景・目的
●顧客と企業の接点の最適化領域で
No.1企業となるという企業理念のもと事業を進めてきた。
●今後も既存事業及びAIやチャットボットなどの
新規成長分野に積極的に取り組み、
事業規模の拡大及び経営基盤の強化による
更なる事業の成長に取り組んでいる。
●これらを実現するためには、
グループとしての企業競争力を強化していくことが必須であり、
グループ各社の権限、責任を明確化し各社の成長を加速させ、
グループ経営管理及び業務執行の分離による
コーポレート・ガバナンスの向上を図り、
グループ全体の企業価値を最大化する経営I体制を構築する必要があると考え、
持株会社体制へ移行することを決定した。
会社分割の方式
●同社を分割会社とし、
新設するバーチャレクス・コンサルティング株式会社を
新設分割設立会社とする新設分割となる。
会社分割の日程
①新設分割計画承認取締役会:平成29年5月18日
②新設分割計画承認株主総会:平成29年6月28日(予定)
③分割期日:平成29年10月2日(予定)
Review
今回は「バーチャレクス・コンサルティング」の事例です。
同社に関してはあまり詳しくなかったので、
今回の開示を機に同社の事業を確認してみました。
とりあえずわかったこととしては、
・グループ売上規模は50億円程度
・グループ営業利益は2億程度
・グループ会社数(子会社)は2社
・そのうち1社は、最近子会社化した会社である
といった感じでした。
ただ、事業内容やホールディングス化した背景が、
漠然としてかつかめなかったこともあり、
ちょうど最近の決算説明会動画あったので、
確認してみることにしました。
すると、もう少し理解が深まりました。
内容のポイントは以下の感じに受け取りました。
(あくまで私が興味のある視点ですが)
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・最近、新たに子会社化した会社がある
・買収によるのれん代の償却や人材採用にコストをかけることから
平成30年3月期は減益予想としている
・一時的な減益要因は、今後のグループ成長を重視した結果である
・今後グループとしては「IT技術」を事業基盤・成長ドライバーにしていく意志が強い
・そのため、IT技術をさらに開発・発展させていき、サービス展開につなげる
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とくに印象的だったのは、
「IT技術を基盤にしていく意志」
です。
ここがすべての事業の強みであると特定し、
ここに経営資源を投入していく思いが強いようです。
同社グループ内における
グループナレッジマネジメントとしても
IT技術を基盤にしながら進めていくとともに、
それを顧客へのサービス提供としても活用していく、
という感じでしょうか。
一般的には、
ナレッジマネジメントは重要なことがわかっていても
整備して実践していくのはかなり難しい業務になります。
グループレベルでナレッジマネジメントをしようとすると、
さらに困難になるのは明白です。
このような難しいグループナレッジマネジメント領域においても、
IT技術が活躍できる部分が大きくなることを
改めて感じることができた説明会動画でした。
グループナレッジマネジメントは、
グループ経営のなかでもとても重要なキーワードです。
そのため、
純粋に「IT技術によるグループナレッジマネジメント」の
可能性について興味がわいた内容でした。
今回の事例をまとめると、
グループコアスキルを明確にしたうえで、
ホールディングス化することで、
グループナレッジマネジメントを積極的に実践し、
事業シナジーの追求と事業領域拡大を目指す経営といった感じでしょうか。
おそらくですが、
もし同社グループが順調に成長・拡大していくようであれば、
同社がIT技術を活用してグループナレッジマネジメントに
成功していることを裏付ける証拠になるような気もしています。
その意味で、
今後の展開を見守ってみたい
ホールディングス化の事例でした。