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【事例】株式会社ミスターマックス

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※平成29年2月9日に株式会社ミスターマックスより適時開示されている「会社分割による持株会社体制移行及び子会社(分割準備会社)の設立に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行
分割準備子会社の設立

開示概要

●平成29年2月9日開催の取締役会において、
平成29年9月1日(予定)を効力発生日として
・会社分割(吸収分割)の方式により持株会社体制へ移行すること
・平成29年3月上旬(予定)に分割準備会社として100%出資子会社の設立
を決議。

●平成29年9月1日付で
「株式会社ミスターマックス・ホールディングス」(予定)に商号変更し、
引き続き持株会社として上場維持する予定。

●会社分割による持株会社体制への移行及び商号変更については、
平成29年5月下旬に開催予定の定時株主総会決議による承認
及び必要に応じ所管官公庁の許認可が得られることを条件に実施。

持株会社体制移行の目的

●少子高齢化や地方格差・所得格差の拡大など構造要因に加え、
最近では消費税増税や物価高などを背景に
顧客の商品や価格に対する要求水準は従来以上に高まっている環境にある。

●一方で、小売業界では業態の垣根を越えた競争がますます激化している。

●「普段の暮らしをより豊かに、より便利に、より楽しく」を経営理念として、
商品政策において「価値ある安さ」をお客様に提供するべく、
特に購買頻度の高い、普段の暮らしに直結する商品について、
年間を通じて低価格を実現する取り組みを強化するとともに、
新しい顧客層の取り込みも積極的に行ってきた。

●このような環境下において、
・責任体制の明確化を図る
・価値ある安さの提供と当社の収益を両立できるようローコスト運営に磨きをかける
・機動的な組織再編、戦略的なM&Aやアライアンス等の環境変化に即応できる体制構築
等を目的に、持株会社体制へ移行する方針を決定した。

●持株会社体制への移行後、引き続き上場を維持するとともに、
・グループ全体の統一的かつ柔軟な戦略策定
・新たな成長分野を含めた経営資源の最適配分
・子会社における業務執行状況チェック
などの機能を担い、戦略的かつ明確な経営組織を整備することにより、
グループ企業価値の最大化を目指していく。

持株会社体制への移行方法

●同社を分割会社とする会社分割により、
分割する事業を100%出資子会社(分割準備会社) に承継させる予定。

●同社は持株会社として引き続き上場を維持する。

持株会社体制への移行スケジュール(予定)

①分割準備会社設立承認取締役会:平成29年2月9日
②分割準備会社の設立:平成29年3月上旬(予定)
③吸収分割契約承認取締役会:平成29年4月(予定)
④吸収分割契約締結:平成29年4月(予定)
⑤吸収分割契約承認定時株主総会:平成29年5月(予定)
⑥吸収分割の効力発生日:平成29年9月1日(予定)

 

Review

今回は「ミスターマックス」の事例です

九州地区をメインエリアとして
ディスカウントストアを出店していますが、
関東地方、中国地方にも展開しているようで、
全国で60店舗程度のようです。

売上は1,000億円を超えていますし、
規模も大きい部類に入ると思います。

 

同社の直近の業績を有価証券報告や決算短信で確認してみますと、

—————————————-
平成24年3月期:売上高1,069億円/経常利益3.9億円
平成25年3月期:売上高1,061億円/経常利益2.3億円
平成26年3月期:売上高1,131億円/経常利益7.1億円
平成27年3月期:売上高1,142億円/経常利益▲7.8億円
平成28年3月期:売上高1,069億円/経常利益14.1億円
平成29年2月期(予想):売上高1,096億円/経常利益21億円
(※平成29年2月期は決算期変更(3月期⇒2月期)により11ヵ月分の数値)
—————————————-

 

ここ最近は小売業界が苦しんでいるなかで、
きちんと利益を確保、増益させていますので、
とても素晴らしい数値と言えそうです。

とくに平成29年2月期は、
熊本の地震といった影響もあったり、
決算期変更による11ヵ月数値であるなかで、
当初の業績予想を上方修正した利益額になっているようですし、
経営状況は良い状況のように思います。

 

このような状況下で、
今回のホールディングス化の方針決定が
発表されています。

詳細の背景はわかりませんが、
開示内容によると、

—————————————-
責任体制の明確化を図る
・価値ある安さの提供と当社の収益を両立できるようローコスト運営に磨きをかける
機動的な組織再編、戦略的なM&Aやアライアンス等の環境変化に即応できる体制構築
グループ全体の統一的かつ柔軟な戦略策定
新たな成長分野を含めた経営資源の最適配分
・子会社における業務執行状況チェック
—————————————-

といったような背景・目的があげられていました。

 

ホールディングス化の目的としては
一般的な文言ではありますが、
個人的にとても興味深かったのが、

————————
同社は現時点で子会社のない単一会社である
————————

という点です。

 

つまり、今回のホールディングス化にあたり、
分割準備会社として100%子会社を設立することになりますが、
この子会社が唯一の子会社となるわけです。

まだグループ経営でない状態から、
一気にホールディングス経営に移行するという流れは、
とても新鮮で、逆に興味をひかれました。

 

そう考えると、
上記のホールディングス化の目的の中でも、

「機動的な組織再編」
「戦略的なM&Aやアライアンス」
「新たな成長分野を含めた経営資源の最適配分」

といったあたりの表現が
とくに気になってくるところです。

 

これからの同社の流れとしては、

———————————
ホールディングス化によりグループ経営の基礎を作る
 ↓
連結決算の準備もする
 ↓
M&Aによる成長分野投資
 ↓
グループ経営としての企業価値最大化を目指していく
———————————

といった流れが予想されます。
(勝手な推測ですが)

 

また、平成29年2月期は、
店舗繁忙期等を考慮し、効率的な事業運営をしていくために
決算期変更も実施しているようですし、
今後の経営に向けての下準備を
着々と進めているような印象を受けます。

 

きちんとインフラ整備をして「守り」を固めたうえで、
今後の「攻め」を行っていくイメージでしょうか。

とても興味深い事例ですね。
今後の同社の動きに注目をしていきたいと思います。

 

★★★★★★★
今後の「攻め」のために
まずは「守り」を固める
★★★★★★★

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