子会社「族」
今週号(2017年2月11月号)の
週刊ダイヤモンドのタイトルが、
“子会社「族」のリアル”
というものでした。
グループ経営を専門にしている私としては、
興味を惹かれるタイトルだったため、
思わず読み込んでしまいました。
この手の記事が
どこまで実態調査をされて掲載されているのか、
私もよくわかりませんが、
確かに「リアル」な状況として
あり得るような内容も多々見受けられました。
たとえば、
・人事制度の親子格差への不満
・親会社からの出向者への不満
・親会社への上納金(経営指導料的なもの?)への不満
・親会社社員の態度への不満
等々。
私の周りの「子会社」
記事で語られている子会社は、
どちらかというと「歴史のある大企業」グループの子会社を
意識した内容のようにも思いました。
その意味においては、
確かに「リアル」な状況が
書かれていたようにも思います。
ただ、私個人としては、
同誌で掲載されているような
歴史のある超大企業をクライアントとすることは、
ほとんどありません。
社歴でいうと、だいたい5年~30年程度、
子会社数も3社~20社程度、
といった感じ企業グループが私のクライアントになってきます。
そのため、
私が関与するような「子会社」が
同誌にあるような状況ばかりとは言えないのも
また1つの「リアル」だと思います。
とはいえ、
グループ規模や社歴等にかかわらず、
・子会社の位置づけをどうするか?
・グループ組織デザインをどうすべきか?
・子会社管理はどうやって行っていくべきか?
・グループ人事制度をどうするのか?
・グループシナジーを発揮するにはどうしたらよいのか?
といった悩みは、ある程度共通の悩みと言ってよいでしょう。
子会社側の視点
私が業務を行う場合にも、
やはりグループ親会社の社長や社員の方と
接することの方がほとんどです。
仕事の依頼主という点では、
やはり親会社の立場からのご依頼がほとんどです。
ただ、このような環境にいる私は、
気づかぬうちに親会社中心主義になり、
「子会社側の立場」を軽視してしまっている局面もあるのではないか?
と今回の記事を読みながら、はたと気づかされました。
子会社の社長や社員とコミュニケーションを図ったり、
一緒に業務改善をしていく場面もあるにはありますが、
親会社の方を向いてサービス提供をしている状況が圧倒的に多いです。
私の業務に対する依頼主が通常は「親会社」側なので、
この状況は当然といえば当然なのですが、
とはいえ、親子が一体になってこそ、
グループ経営の未来があると思いますので、
やはり「子会社側の視点」を疎かにしては良くありません。
今回の記事が、基本的には
「子会社側の視点・本音」
であったがゆえに、逆に私自身も
いろいろと考えさせられる機会となりました。
親会社が変われば、子会社が変わる?
親会社には親会社ならではの視点がありますし、
子会社には子会社ならではの視点があります。
立場が変われば、考え方も変わるものです。
どちらの視点も重要です。
ただ、理想的には、
親会社には「子会社側の視点」も意識してもらいたいですし、
子会社には「親会社側の視点」も理解してもらいたいところです。
この両者の視点が近づき
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「親会社側の視点≒子会社側の視点」
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となってくれば、先ほど挙げたような
・子会社の位置づけをどうするか?
・グループ組織デザインをどうすべきか?
・子会社管理はどうやって行っていくべきか?
・グループの人事制度をどうするのか?
・グループシナジーを発揮するにはどうしたらよいのか?
といった課題解決の道筋が見えてくるはずです。
実際にこのような理想的なことを実現するのは、
簡単なことではないと思いますが、
キーになるのは「親会社人材の姿勢」にあると、
個人的には思っています。
つまり、
「親会社側が子会社側の歩み寄る姿勢」
こそが重要だと考えています。
やはり、資本関係的にも上に立つ親会社の方が
大人の姿勢で振る舞い、子会社を支援していくような関係であってこそ、
「親会社側の視点≒子会社側の視点」
を実現していけるのではないかと思う次第です。
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サーバント・リーダーシップ
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親会社人材には、
是非、このような姿勢で
グループ全体を引っ張っていっていただきたい
と思っています。
ということで、
親会社の立場にある社長・社員の皆さまにこそ、
子会社側の視点・本音を理解するうえで、
今週号の週刊ダイヤモンドの記事に
目を通されることをお薦めしたいところです。
★★★★★★★
子会社側の視点を
理解する努力をしていますか?
★★★★★★★
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