※平成28年11月18日に株式会社フリークアウトより適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行及び定款一部変更(商号及び事業目的の変更)に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。
内容
持株会社体制への移行
開示概要
●平成28年11月18日開催の取締役会において、
平成29年1月4日をもって持株会社体制へ移行するべく会社分割(新設分割)を実施し、
同日付けで商号を「株式会社フリークアウ ト・ホールディングス」に変更するとともに、
事業目的を持株会社体制に合致したものに変更する旨、決議した。
●持株会社体制への移行につきましては、
平成28年12月21日に開催予定の定時株主総会において
所定の決議が得られることを条件に実施する予定。
持株会社体制移行の目的
●以下を実現する上で最適な手法として、
新設分割の方法による持株会社体制への移行を決定した。
①新規事業やM&Aを含むグループ経営の戦略立案機能を強化すること
②グループ各社の権限・責任の明確化を図ること
③グループ各社の経営の自主性を推進してグループとして企業競争力の強化を図ること
④グループ経営管理及び業務執行の分離によるコーポレート・ガバナンスの向上を図ること
持株会社体制への移行方法
同社を分割会社とし、新設する株式会社フリークアウトを新設分割設立会社とする新設分割。
持株会社体制への移行スケジュール(予定)
①新設分割計画承認取締役会:平成28年11月18日
②新設分割計画承認株主総会:平成28年12月21日(予定)
③分割期日:平成29年1月4日(予定)
Review
今回は「フリークアウト」の事例です
同社については、
名前くらいしか把握していなかったため、
この機会に、有価証券報告書で同社の状況を確認してみました。
すると、以下のような特徴を確認できました。
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●設立は平成22年10月で、まだ業歴が浅い
●それにもかかわらず平成26年には株式上場を果たしている
●平成28年9月期のグループ売上規模は60億円弱
●平成29年9月期のグループ売上予想は90億円と前期比1.5倍を想定
●グループ会社数は5社程度
●海外子会社の割合が多い
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いかがでしょうか?
新しい時代の会社という印象です。
このような特徴のある同社ですが、
このタイミングでホールディングス化する目的はというと、
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①新規事業やM&Aを含むグループ経営の戦略立案機能を強化すること
②グループ各社の権限・責任の明確化を図ること
③グループ各社の経営の自主性を推進してグループとして企業競争力の強化を図ること
④グループ経営管理及び業務執行の分離によるコーポレート・ガバナンスの向上を図ること
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といった内容が挙げられています。
開示内容自体はとてもシンプルにまとめられていて、
一般的な目的が並んでいます。
ただ、同社のように若くて勢いのある会社が
ホールディングス化を判断した背景を
私自身、もう少し知ってみたいと思い、
同社の有価証券報告書を少し読み込んでみました。
すると、
「対処すべき課題」のパートには、
たとえば以下のような記載がありました。
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対処すべき課題
●内部管理体制の強化
当社グループは現在、成長段階にあり、
業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が
重要な課題であると考えております。
このため、バックオフィス業務の整備を推進し、
経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。
具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に運用すること、
定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、
監査役監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実などを行っていく方針であります。
●グローバル展開の強化
当社グループは、RTB及びネイティブ広告経由の
インターネット広告取引において国内の市場だけにとどまらず、
スマートフォンの急速な普及が進むアジア及び中東地域への市場に進出することにより、
当社グループの事業の成長を目指してまいります。
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さらに、
「事業等のリスク」の部分の記載も確認してみました。
すると、ここのパートは、
リスクの種類を分類分けして、
丁寧に記載がされている印象を受けました。
項目だけ並べてみますと以下のような感じです。
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事業等のリスク
●事業環境に関するリスクについて
①インターネットの普及について
②インターネット広告市場について
③RTB及びネイティブ広告の普及について
④技術革新について
⑤競合について
⑥仕入先について
⑦法的規制について
⑧自然災害等について
●事業内容に関するリスクについて
①DSP事業への依存について
②新規事業について
③海外展開について
●システム等に関するリスクについて
①事業拡大に伴う設備投資について
②システム障害について
●事業運営体制に関するリスクについて
①特定人物への依存について
②小規模組織であること
③人材の確保及び育成について
④内部管理体制について
●その他
①配当政策について
②新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
③M&A及び資本業務提携について
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それぞれの項目について丁寧に記載がありましたが、
全てをご紹介すると長くなりますので、
今回は項目のみのご紹介とさせていただきます。
ただ、これだけリスクを明確に分類し、
丁寧に記載している会社は、
それほど多くないのではないかと思います。
以上のような会社の記載を見る限り、
事業のリスク等含め、今後のグループ経営について、
真剣に検討をされている様子が読み取れます。
そして、上記の項目だけからでも、
ホールディングス化する背景を理解できる気がします。
ホールディングス化することで、
積極的に対処していけそうな項目が並んでいますので。
ホールディングス化するのに、
業歴の長さ等は関係ないということですね。
業歴の浅く、若い人材で構成されている同社が
ホールディングス化でどのような展開をしていくのか、
興味深いので、個人的には、
今後もウォッチしていってみたいと思います。