記事一覧

【事例】株式会社進学会

Pocket

※平成29年3月23日に株式会社進学会より適時開示されている「持株会社体制への移行の検討開始に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成29年3月23日開催の取締役会において、
持株会社体制へ移行するための検討を開始することを決議。

持株会社体制への移行理由

●創業以来40年余年にわたり学習塾事業を全国展開してきた。

●現在は子会社として物品販売子会社や不動産管理会社などを傘下において
幅広く事業展開を行っている。

●グループの企業成長の早期実現を目指して、
グループ最適の視点で戦略の立案を行い意思決定を迅速化していくために、
持株会社体制に移行し機動的な事業再編
グループ全体の経営資源の最適配分を図っていくことが必要であると判断。

持株会社体制への移行方法等

●具体的な移行方法や日程等については、今後決定次第改めて開示をする。

●移行については平成29年6月下旬に開催予定の定時株主総会へ
付議を視野に検討を開始している。

 

Review

今回は「進学会」の事例です

札幌をメイン拠点とする学習塾事業の会社です。

 

学習塾業界というと、
競争・再編が激しい業界として、
よく雑誌等で取り上げられています。

ちなみに、私も広島にいた学生時代は、
広島地域を中心に規模拡大をしていた学習塾に通っていましたが、
当時通っていた学習塾はまだ存在しているようなので、
再編が激しい中、よく生き残っているな、
と懐かしく思い出したりもしました。

 

さて、今回の増進会ですが、
過去の沿革を見たり、ホームページを拝見すると、
他塾との業務提携・資本提携もあるようです。

ただ、平成27年に当時グループ会社化していた
栄光ホールディングス株式を売却したことで
当時よりはグループ全体としての利益水準は少し落ちている印象です。

 

このような時期において、今回、
ホールディングス化移行の検討開始とのことです。

目的としては、

—————————————–
・グループ最適の視点で戦略立案を行い意思決定を迅速化する
・機動的な事業再編
・グループ全体の経営資源の最適配分を図っていく
—————————————–

といったことを実践して、
グループの企業成長の早期実現を目指すことにあるようです。

 

いろいろな背景はあるかと思いますが、
個人的には、このような業界内の再編が激しい会社において
ホールディングス化を検討するのは、違和感はありません。

他業界でも、
業界内の再編が激しい業界に属する場合、
ホールディングス形態の会社が増えていく傾向にありますので。

業務提携や他塾の傘下に入ったり、離れたり、
といった業界内の再編が多い学習塾業界においても
おそらくホールディングス形態の会社が増えているのではないかと思います。

 

また、同社の有価証券報告書によると、
「少子化リスク」
にどのように対応していくかが、
重要な課題・リスクとなっていることも読み取れます。

このような「少子化リスク」に直面する学習塾業界の場合には、
顧客である生徒に対して、
勉強だけでなく、スポーツ等のサービスを展開したり、
保護者向けに別サービスを展開したり、
といった形で事業が多角化していく余地が多分にあります。

 

さらに「子供の教育」というテーマは、
すべての根本にある重要なテーマであり、
誰もが注目し、期待し、関わっていきたい、という思いがあると思いますので、
今後は、他業界との連携も増えていく時代だと思います。

 

そうした業界傾向を考えると、
ホールディングス形態の経営は親和性が高いと言えます。

同社の財務上状況を確認しても、
・自己資本比率90%以上
・キャッシュリッチ
といった傾向もありますので、
今後新たなM&Aも想定されているのではないか、
と勝手ながら想像してしまいます。

どうなんでしょうか??
興味深いところです。

 

★★★★★★★
業界特性としての
ホールディングス経営
★★★★★★★

関連記事