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Vol.165 いつから「連結決算」を導入しますか?

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連結決算を始めるきっかけ

グループ経営をしている会社では、
「連結決算」
がテーマになることがあります。

但し、
グループ経営をしている会社の全てが
連結決算を実施しているわけではありません。

 

たまに、
中小企業の経営者から
「連結決算って義務なのですか?」
と聞かれるのですが、
基本的には義務ではありません。

やりたければやりますし、
やりたくなければやる必要ありません。

 

ただ連結決算が義務である会社もあります。

それは「上場会社」です。

そして、
今後株式上場を目指すような会社も
連結決算を実質的に実施することになります。

 

そのため、
「株式上場」と縁がない会社は、
連結決算を実施する「義務」が無いため、
連結決算を実施していない場合がほとんどです。

そう考えると、
連結決算を開始するきかっけの多くは、
やはり「株式上場」になると思われます。

連結決算への取り組み方

株式上場が連結決算開始の
きっかけになることが多いとはいえ、
連結決算に取り組む会社のステージも様々です。

このステージの違いによって
連結決算への取組み姿勢は
異なるのではないかと思っています。

 

大きく分けて
①時間にゆとりをもって「連結決算」に取り組める会社
②時間に余裕がなく「連結決算」に取り組む会社
の2つの場合で対応が異なる
のではないかと思います。

 

本来は、
将来を見据えて、
余裕をもって「連結決算」の仕組みを
作っていければ理想的です。

上記①のようなケースです。

 

私自身、
この①のステージの会社に、
もっと「連結決算」の仕組みを構築し、活用することで、
グループ経営に役立たせていってほしい、
という思いを常に抱いています。

一方で、
実際に「連結決算」に取り組む会社は、
上記②のケースの会社の方が多い
のではないかと思います。

 

いわゆる「優先度」「緊急度」という
切り口で考えた場合には、
なんらかの「緊急性」によって
連結決算が実施されるケースが多いということです。

 

つまり、
①の会社:連結決算=緊急ではないけど重要
②の会社:連結決算=緊急かつ重要
という位置づけで表現できると思います。

 

そして、
圧倒的に②のケースが多いということです。

両者で置かれている状況が異なるため、
自ずと対応姿勢も異なってきます。

会社のステージのよって異なる連結決算との付き合い方

企業が成長してくると、
多くの会社では、
グループ会社を増やしていく傾向にあります。

但し、
このようなグループ経営をしている会社のうち
「連結決算」を実施している会社は、
上場会社でない限りは稀であると言えるでしょう。

理由はずばり、
「緊急性がない」
からに尽きます。

 

とくに成長中の会社の場合、
管理系のことは、
どうしても後回しになってしまいますし、
ましてや連結決算となると、
実施することすら考えたことが無い
グループ経営者が多いのも事実です。

それでも
グループ経営を実践しているのであれば、
連結決算に取り組めば
必ず多くの「気づき」があるものです。

 

上場会社や上場準備会社の場合は、
どうしても「緊急性」が優先されてしまいますので、
じっくりと「連結決算」に取り組めない、
といったところが本音としてはあります。

上場会社は、
四半期ごとに決算がきますし、
ひたすら「緊急性」に追われ続けます。

 

連結決算を導入し、
時間とコストをかけるのであれば、
「グループ経営に活かせる連結決算の仕組み」
の構築を経営者は望みたいとことですが、
なかなか現実はそうもいきません。

上場制度という「緊急性」に追われ、
ひたすら「連結決算書」を作る「作業」
没頭するような状態になりがちです。

緊急性なく連結決算に取り組める会社は・・・

一方で、
まだ上場もしていなくて、
上場準備段階にもない会社が
「連結決算を始めてみようかな?」
と思うことがあったとしたら、
これは幸せなことだと考えた方がよいです。

そして「チャンス」だと
考えていただきたいと思っています。

 

なぜならば、

———————————–
「緊急ではないけど重要なこと」
に取り組めるチャンス
———————————–

だからです。

 

緊急ではないけど重要なものに
取り組める会社こそ
強い会社になっていきますし、
競争優位を築いていけるものです。

とくに「連結決算」については、
多くの会社において、
緊急性に迫られて取り組まざるを得ない現状があります。

 

そのようななかで、

——————————————
緊急性によらず
「連結決算」に取り組めることは、
とても幸せなことであり、
チャンスである
——————————————

ということです。

なかなかこのようなことを
思える機会は無いかもしれませんが。

緊急に迫られた場合の「連結決算」との付き合い方

一方で、
緊急性があるなかで
連結決算をこなしていかなければいけいない会社は、
どのように「連結決算」と付き合っていけばよいのでしょうか?

私自身も多くの会社で試行錯誤しながら
悩み続けてきたテーマです。

なかなか簡単なことではありませんし、
会社の置かれた状況によっても異なります。

 

少し長くなってきましたので、
「緊急に迫られた場合の『連結決算』との付き合い方」
については、
次回以降に私の思うところを
お伝えしていきたいと思います。

★★★★★★★
緊急でないときこそ
「連結決算」に取り組む。
考えてみたことありますか?
★★★★★★★

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