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【事例】ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社

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※平成27年12月15日にポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス株式会社より適時開示されている「中間持株会社設立による組織再編のお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

中間持株会社の設立

開示概要

●連結子会社であるポールトゥウィン株式会社は、
平成27年12月15日開催の取締役会において、
同社が保有し、いずれも連結子会社である
・ポールトゥウィン上海(博特盈(上海)信息科技有限公司)、
・Pole To Win America, Inc.
・Pole To Win UK Limited
・Pole To Win India Private Limited
・Pole To Win Singapore Pte. Ltd.
・Pole To Win Korea Co., Ltd.
の株式を現物出資することで子会社を設立し、
当該子会社をグループの中間持株会社とすることとした。

中間持株会社設立の背景

●グループは以下の事業を主要な業務としている。
・デバ ッグ・検証事業、
・ネット看視事業

●その他事業では、
出版・メディア、医療関連人材紹介に関する事業等を行っている。

●現在、デバッグ・検証事業では、
在外子会社における業務が拡大しており、
今後、よりグローバルで迅速かつ柔軟なサービスを展開していくために、
在外子会社を統括する中間持株会社を
設立することとした。

中間持株会社設立の要旨

①ポールトゥウィン㈱の100%子会社としてPole To Win International を設立。
※各子会社の株式を現物出資する。
②設立後速やかにポールトゥウィン㈱は親会社に対して
Pole To Win International株式を現物配当し、
Pole To Win Internationalは親会社の100%子会社となる。

<Before>

pole medium holdings before

<After>

pole medium holdings after

※同社リリースの「中間持株会社設立による組織再編のお知らせ」より抜粋

新設会社の概要

●事業内容:子会社の経営管理等
●資本金:2,533百万円(予定)
●設立年月日:平成28年1月5日(予定)
●大株主及び持株比率:ポールトゥウィン株式会社 100%

Review

今回は「中間持株会社」設立の事例となります。

通常だと、
グループ組織の一番トップの親会社が
ホールディングカンパニーとなるケースが多いと思います。

ただ、グループ組織が大きくなったり、
統括するエリアが広がったりすると、
1つのホールディングカンパニーだけで、
全体統括が難しくなる場合もあります。

そのような場合に、
部分的に、グループ組織の中間に
ホールディングス形態を採り入れる場合があり、
これが「中間持株会社」です。

 

事例としては、
今回のように特定のエリアに絞って
中間持株会社を設立するようなケースが
多いような気がします。

とくに海外展開が進んでいる会社の場合、
その地域を統括する会社として、
中間持株会社を設立する、
といったことはよくある事例だと思います。

 

また、別の視点での
中間持株会社としては、
以前に事例としても取り上げさせていただいた
「花王」の事例があります。
(※参照:花王の事例

花王の場合、
グループ組織のなかに、
「販売機能に特化した中間持株会社」
の設立をするということです。

 

このような
いろいろな事例を見てみると、
各社がグループ組織デザインに
試行錯誤しているのが見て取れて、
とても興味深いところです。

 

ただ、
中間持株会社を作る場合には、
注意する点もあります。

それは、

———————————
組織階層が1つ増えてしまうこと
———————————

です。

組織において、
階層が増えるほど、
現場との距離は遠くなりますし、
情報の精度やスピードが落ちる傾向にあります。

当然、必要だからこそ
中間持株会社を設立するということではありますが、
階層が増えるデメリット対策も
十分に行っていくことが求められます。

 

いずれにしても、
「ホールディングス」はいろいろな形で、
グループ組織デザインの中に
組み込まれるということです。

是非、参考にしてみていただきたいと思います。

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