※平成27年8月12日にハイブリッド・サービス株式会社より適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行並びに定款変更(商号及び目的、本店の所在地の変更)に関するお知らせ 」をもとに情報を整理しています。
内容
会社分割による持株会社体制への移行
定款変更(商号及び目的、本店の所在地の変更)
開示概要
●平成27年10月1日(予定)を効力発生日として、
主要な事業を会社分割(新設分割)する持株会社体制へ移行を決議。
●新たに設立する100%子会社「ハイブリッド・サービス株式会社」(新設会社)に
主要な事業を承継させる。
●平成27年9月18日開催予定の臨時株主総会での承認を条件として実施。
持株会社化の背景
●昭和61年の創業以来、トナーカートリッジ、インクジェットカートリッジ、
インクリボン等の販売において、特定メーカーの枠に縛られない独立系販売という機能を活かし、
大量仕入ルートを確保し、市場ニーズに応える品揃えを可能にすることで、
マーキングサプライ品のワンストップ・ベンダーとしての体制を確立。
●現在は、事業部門体制のもと、マーキングサプライ事業、環境関連事業、
不動産関連事業、海外事業、その他の事業を展開。
●マーキングサプライ事業においては、全国の有力な卸・小売業者や、
カタログ/インターネット通販企業等に販売し、かかる事業分野において
長年事業基盤を築いてきた。
●「ハイブリッド・デポ」代理店制度の立上げ、新商材の獲得に取り組んでいるが、
代理店の拡大や新商材の取り扱い品数の拡大には一定の期間を要すると想定。
●環境関連事業は、太陽光発電システムの販売サプライヤー及び
LED照明の販売サプライ ヤーとして事業に取り組んでいる。
●環境関連事業が今後のグループにおける中核事業に成長すると考えており、
LED照明の営業で培ったネットワーク及び情報を活かし、
太陽光発電システム事業に取り組んでいるルクソニア株式会社を完全子会社化。
●以上の取り組みのなかで早期の営業黒字化の達成に向けて、さらに事業の収益性を高め、
企業の存続を図るための体制として持株会社制に移行することを決定。
持株会社化の目的
以下の4つが目的である。
①持株会社と各事業会社との役割と責任を明確にし、経営の透明性を図ること。
②各事業会社の責任と権限において、意思決定のスピード化、
経営環境に適合した順応性のある業務執行を行うこと。
③事業会社ごとの収益性を明確にし、最適な経営資源の配分を可能にし、
企業価値の向上を目指すこと。
④成長施策としてのM&Aを迅速・円滑に実施する上で
持株会社体制の持つ機動性を発揮し、成長のスピードを上げていくこと。
持株会社体制への移行の要旨
●移行方式
同社を分割会社とし、新設する「ハイブリッド・サービス株式会社」を承継会社とする新設分割
※図は同社の開示資料より転載
●会社分割の日程(予定)
①新設分割取締役会決議日:平成27年8月12日
②新設分割計画承認臨時株主総会開催日(予定):平成27年9月18日
③新設分割効力発生日(予定):平成27年10月1日
●新設会社の概要
・事業内容:マーキングサプライ事業、環境関連事業
・資本金:30百万円
・設立年月日:平成27年10月1日
・決算期:12月31日
・大株主及び持株比率:ハイブリッド・サービス株式会社100%
Review
今回は、
「ハイブリッド・サービス」
という会社です。
私は同社が上場時から
なんとなく知っている会社であったこともあり、
今回取り上げてみました。
今回の事例の特徴としては、
ホールディングス化決定の開示から、
約1ヵ月後に臨時株主総会を開催し、
すぐにホールディングス体制に移行する点です。
臨時株主総会に関するアナウンスは、
少し前に開示されていたので、
準備自体は余裕をもって行っていたと思いますが、
それにしてもスピード移行です。
そして、もう1つ特徴として挙げたいのは、
「ホールディングス化で早期の営業黒字化」
ということを掲げている点です。
状況をもう少し把握するために、
同社の有価証券報告書や
最近の開示書類を確認してみましたが、
大株主や経営陣も変わったりしていて、
社内ではここ数年いろいろな動きがあったことが、
予想されます。
過去の売上水準や利益水準についても
確認してみましたが、
既存事業が少し厳しくなっていることも
見受けられました。
また、
新規事業やM&Aへの取り組みを
強化していく様子も見られます。
まさに、同社の場合は、
「グループ再建のきっかけ」
としてのホールディングス移行と
言ってもよいかもしれません。
グループ再建というテーマでは、
「Vol.91 グループ企業再生のためのホールディングス化」
でも触れていますので、
こちらの記事も
是非ご参考にしていただければと思います。
ホールディングス化で
グループ再建(営業黒字化)が達成できるかどうか。
今後のホールディングス経営の成果についても
気にしておきたいと思います。