グループ経営を成長させ、
拡大していくためには、
「広げない」
ことがポイントであることを
Vol.78 小さな会社のグループ経営戦略」で
お伝えしました。

改めてポイントをお伝えすると、
①地域を広げない(どこで)
②顧客を広げない(誰に)
③製品・商品を広げない(何を)
の3点セットが重要だということです。

一見すると、
「グループ経営を成長・拡大」と
「広げない」ことは、
相反するように思われるかもしれません。

但し、
このことは、
永続していくための
グループ経営という意味では、
とても重要な法則だと思っています。

Vol.15

今回は、
上記「広げない」ポイントの
1つである
「グループ経営の広げないエリア戦略」
についてお伝えします。

グループ経営という視点で、
可能性を追求していこうとすると経営者は、
地域を拡大を目指す思考になりがちです。

たとえば、
別の地域に子会社を作ったり、
別の地域の会社を買ったりする、
といったようなケースです。

経営者は常に「売上拡大」が
頭の中から離れないものです。

そのため、
「地域拡大=売上拡大」
という選択肢も自ずと浮かんできます。

とくに、
グループ経営者の場合には、
新たにチャレンジすることや拡大することへの免疫が
かなり強くなっていますので、
地域拡大志向も強くなる傾向があります。

Vol.20(1)

但し、
「売上拡大⇒地域拡大⇒グループ会社を増やす」
という思考になっていくグループ経営者は、
注意が必要です。

なぜならば、
この思考フローの先は、
「売上拡大⇒地域拡大⇒グループ会社を増やす⇒利益減少」
となることが非常に多いからです。

つまり、
行きつく先が
「グループ利益減少」
に陥りやすいということです。

経営者であれば、
売上拡大を優先する時代は
とっくに終わっていることは、
ご理解いただいていると思います。

事業継続を考えた場合には、
売上拡大ではなく、
利益の拡大を意識すべきです。

Vol.41(1)

それでも
グループ経営となった瞬間に、
どうしても
「売上拡大」
の意識になってしまいがちです。

語弊があるかもしれませんので、
少し言い換えますと、
売上拡大自体が悪いわけではなく、
利益を伴わない売上拡大が「悪」なのです。

グループ経営の場合には、
しっかりとしたグループ戦略をもって
取り組まなければ、
「地域拡大⇒売上拡大⇒グループ利益減少」
になってしまうということです。

なぜなら、
グループ会社を増やすことは、
管理コストの増加につながるからです。

グループ会社を増やし、
進出地域を拡大することで、
仮にグループ全体の売上を拡大したとしても、
経費や管理コストの上昇を吸収できなければ、
グループ全体としての利益は
減少してしまいます。

Vol.18(1)

そのため、
グループ経営において、
「売上拡大のために地域を拡大する」
という発想は、
出来る限り排除していただきたい、
と考えています。

さらに、
1つ付け加えさせていただくと、
「地域拡大≠売上拡大」
となるケースも残念ながらあるという現実です。

これはどういうことかというと、
これまで手掛けていない地域に力を注いでいくことで、
これまで手掛けていた地域が疎かになってしまい、
売上が逆に減少してしまうリスクがあるからです。

つまり、
力が分散されてしまうのです。

Vol.7(2)

とくに
経営資源が限られている
小さな会社や中小企業の場合には、
注意すべきポイントです。

どうしても
「売上拡大」
という意識のもと、
「地域拡大」
という発想につながりがちです。

とくにグループ経営者の場合には、
「売上拡大」
「地域拡大」
「地域別にグループ企業を増やす」
という思考を考えがちです。

また、
最近では、
「国内需要が見込めないから、海外進出へ」
というお話もよく聞きます。

Vol.20(4)

この思考が完全に間違っているわけではありませんが、
もしこのような思考になった場合には、
次のような問いを自分自身にしてみてください。

それは、
「今の地域で、やれるべきことはすべてやりきったのか?」
「日本ではやれるべきことはすべてやりきったのか?」
という問いです。

失敗してしまう多くの会社が、
この問いに「Yes」と言えない状態のまま、
地域を拡大し、
グループ会社を増やしてしまいます。

今の地域で
まだまだ売上拡大できる余地があるのであれば、
まずは足元を固める方が先決です。

慣れた地域、今の地域で
効率性が高まる営業をしていく方が、
無駄なコスト増も抑えられ、
グループ利益は増えていきます。

さらには、
社長自身が上記の問いに「Yes」と
自信をもって言える状態であれば、
地域拡大の話は、
外から勝手に持ち込まれてきます。

このようなタイミングになって初めて
「地域拡大」
「グループ会社の増加」
に取り組むのが、
成功するグループ経営の姿です。

Vol.67(1)

要は、
地域拡大することばかりが
グループ経営におけるエリア戦略ではない、
ということです。

地域を広げないグループ経営戦略が
まだまだあるはずです。

この点についてもう少しお伝えしたいと思いますが、
長くなりましたので、
「グループ経営の広げないエリア戦略」
の具体的な内容は、
次回お伝えさせていただきたいと思います。