※As-me エステール株式会社より適時開示されている「会社分割による持株会社体制への移行準備開始決定及び 分割準備会社設立に関するお知らせ(平成30年4月9日)」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成30年4月9日開催の取締役会において、
平成30年10月1日(予定)を効力発生日として
会社分割の方式により持株会社体制へ移行すること、
及び平成30年4月中旬(予定)に100%出資の子会社
「株式会社 As-me エステール準備会社」(分割準備会社)を設立することを決議した。

●なお、会社分割による持株会社体制への移行については、
平成30年6月下旬開催の定時株主総会による関連議案の承認、
及び必要に応じ所管官公庁の許認可が得られることを条件に実施する。

持株会社体制への移行目的

●グループは、宝飾品等の製造及び販売を主な事業として展開しており、
「地域に密着した店作り」という基本方針の下、
お客様のニーズを的確に捉え、高品質で信頼性の高い商品を最大限のおもてなしで
提供することを目標に事業を展開している。

●今後も事業の持続的な成長を実現させるため、
経営資源の効率的な配分をし、事業競争力を強化するとともに、
機動的なM&Aや業務提携等、環境の変化に即応できる経営体制の構築が必要と考え、
持株会社体制へ移行する方針を決定した。

●持株会社体制へ移行することにより、
持株会社においては、グループ全体の
・経営戦略
・経営管理
・経営資源の最適配分
・リスクマネジメント
などに特化する。

●他方、各事業会社においては、
担当する事業にかかる業務執行権限の移譲を受け、
明確化された役割と責任のもと迅速にその遂行にあたることとし、
各事業会社における役割と責任の明確化は、
グループにおける将来の幹部候補となる人材育成にも資するものと考えている。

●持株会社体制への移行後、引き続き上場会社として
グループ全体の統一的かつ柔軟な戦略策定、経営資源の最適配分、
子会社による事業の遂行状況の監督などの機能を担い、
グループ企業価値の最大化を目指していく。

持株会社体制への移行方法

●同社を分割会社とする会社分割(吸収分割)により、
分割する事業を 100%出資する子会社(分割準備会社)に承継させる予定。

会社分割の日程

①分割準備会社設立承認取締役会:平成30年4月9日
②分割準備会社の設立:平成30年4月中旬(予定)
③吸収分割契約承認取締役会:平成30年5月中旬(予定)
④吸収分割契約締結:平成30年5月中旬(予定)
⑤吸収分割契約承認株主総会:平成30年6月下旬(予定)
⑥吸収分割の効力発生日:平成30年10月1日(予定)

 

Review

今回は「As-me エステール」の事例です。

同社は宝飾品販売をメインにしながら、
グループ会社10社程度で経営している
企業グループです。

 

今回の同社のホールディングス化の目的については、
・経営資源の効率的な配分
・事業の競争力の強化
・機動的なM&Aや業務提携等
・環境の変化に即応できる経営体制の構築
といったところを目的にしているとの記載がありました。

但し、上記は一般的なホールディングス化の目的であり、
それ以上の詳細説明の記載はありませんでしたので、
どのような背景があるのでしょうか?

 

背景を考えるにあたり、
比較的近い業界かな、ということで、
・TASAKI
・桑山
の2社の状況を少し確認しみたいと思います。

 

というのも、
この2社とも、最近、MBOを実施、
もしくは公表した会社であり、
上場を廃止する決断をした背景を探ると、
今回のホールディングス化の背景がつかめるかと思いましたので。

 

両社のMBO関連の公表資料を確認すると、
内容が多岐にわたるのですが、簡単に要約すると、

—————————————-
・国内市場の減少
・グローバル展開が必要
・短期的な成長戦略を描くのは容易ではない
・中長期的な視点で事業投資をしていきたい
・但し、上場会社のままでは短期利益を無視できない
・中長期視点を重視した経営は、外部株主の理解は得づらいと判断
・上記背景のもとMBOをすること決断
—————————————-

といった流れがあるように受け取りました。

 

おそらく、
As-me エステールにおいても、
同様な業界特性はあると思いますが、
今回のホールディングス化を考えると、
上場を維持したまま、企業価値を高めていく、
という判断をされています。

上場を維持するということは、
短期利益もやはり意識しながら、
中長期戦略を考えていく必要がある、
といった感じですので、
より難易度は高くなると思います。

 

そう考えた場合、

—————————————
オーナーや社長の力だけで引っ張っていくスタイルでは、
流れの早い今の時代を乗り切っていくのは容易ではないという背景もあり、
有望な人材に子会社経営を任せ、
権限委譲しながら、経営人材を育成し、
グループ全体を成長させていく
—————————————

という判断があったのではないかと思います。

 

このような前提のもと、
今回の同社のホールディングス化の目的を再度確認すると、
理解ができた気がします。
あくまで私見ですが。

 

上場を廃止して経営をしていくスタイル
上場を維持しながら経営をしていくスタイル。

どちらが良くて、どちらかが悪い、
というものではないと思いますが、
やはり上場を維持しながら経営をしていくスタイルの方が、
難易度は高いのではないかと思います。

 

ちなみに、今回の事例は上場会社の事例でしたが、
私自身の最近の相談事例からすると、
未上場会社のオーナー社長の方から、

———————————–
「将来の経営人材に権限を委譲して1事業を任せたい」
「若手に新規事業投資を任せたい」
———————————–

という理由でホールディングス化したいというご相談が、
最近一番多く受けている気がします。

 

上場会社の場合は、
いろいろと制約があったりするため、
ホールディングス化したくてもすぐにできない、
ということはあるかと思いますが、
このような経営人材育成を目的としたホールディングス化というニーズは
潜在的には一番多いような気がしている最近です。

 

★★★★★★★
時代の流れが早いからこそ、
ホールディングス化で権限委譲し、
経営人材の育成を図る
★★★★★★★