子会社管理

グループ経営において、
子会社をどれだけ管理できるかは、
重要なテーマです。

親会社としては
グループリーダーシップを発揮し、
グループとして目指す方向に
子会社を導いていく必要があります。

 

ただ実際には、
理想通りにはいかないものです。

親会社として
子会社に思いを伝えるのも大変ですし、
また、実際に伝えたと思っても、
そう簡単には子会社は思い通りに動いてくれません。

 

会社によって状況は様々ですが、
簡単にグループが一丸となるような会社は、
私の経験上、見たことはありません。

親会社側の方とお話をすると、
「子会社が従ってくれない」
とおっしゃいますし、
子会社側の方とお話をすると、
「次から次へと実態と乖離した指示だけが飛んできて、
子会社の状況を理解していない」
とおっしゃいます。

 

そもそも「立場の違い」が、
その背景にあるのだと思いますが、
悩ましい問題です。

子会社ごとの「違い」

このような「子会社管理」の問題は、
グループ会社数が多くなればなるほど
複雑になります。

さらに難易度が高くなるのは、
海外子会社が存在する場合です。

このことは、
海外子会社展開の経験やノウハウがある会社においても、
常に苦労するテーマなのではないかと思います。

 

結局、国が違えば、
考え方や慣習も違いますし、
法律(会社法・税法・会計基準・労務)も
当然異なりますし、
宗教観の違いもあったりします。

そのような「国ごとの違い」があることを
頭では分かっていても、
日本で生活して自然と身についている「常識」が邪魔をして、
海外の事情を理解できないことは、
多々あります。

 

親会社としては、
このような「子会社ごとの違い」を十分意識したうえで、
全子会社がバラバラにならないように
全体管理していく必要がありますので、
相当なキャパシティが求められると言えるでしょう。

親会社に求められるキャパシティ

ここで、
子会社管理のプロセスについて
私なりに少し整理してみたいと思います。

——————–
①グループ全体の方針を「(仮)決定する」
②各子会社へ方針を「伝える」
③各子会社の状況を「聞く」
④各子会社の状況を「理解する」
⑤すべての子会社の状況を「整理・調整する」
⑥実態に応じてグループ全体の方針を「再度、決定する」
⑦各子会社へ「再度、伝える」
——————–

状況により順番は前後しますが、
このようなプロセスを繰り返すことが、
子会社管理の基本のような気がします。

 

つまり、
「グループ全体と各子会社の間の調整」
の繰り返し、という感じです。

 

結構泥臭い業務だと思いますが、
実は、親会社こそ、
このような泥臭い業務を繰り返していく姿勢が
求められるのではないかと思っています。

 

いろいろな会社を見ていると、
上記の①、②くらいまでは実施されるのですが、
③、④くらいになると結構怪しい感じです。

さらに、
⑤、⑥、⑦となると、
断念率がかなり高くなってしまう傾向があります。

当然ですが、
子会社数が多くなればなるほど、
海外子会社が増えれば増えるほど、
このグループ内調整は難しくなります。

 

このプロセスのなかでも、
個人的にとくに重要だと思うポイントは、
「④⇒⑤の移行がスムーズにいくかどうか」
という点なのではないかと思います。

各子会社の状況を把握し、理解したうえで、
再度全体を整理し、調整しようとするところで、
次第に収集がつかなくなり、
自然と動きが止まってしまいがちだからです。

 

そのため、
「④⇒⑤」をどう乗り越えていくべきか、
について考える必要があると思いますが、
ここで重要な思考は、

——————
子会社を「許容」する
——————

という点に尽きるような気がします。

 

つまり、
「子会社ごとに多様性があることを認める」
ということです。

親会社のバランス感覚

親会社の立場としては、
本当は、全子会社を管理するうえで、
・統一的なルール
・標準的なやり方
等を全子会社へ求めたいものです。

当然この姿勢は重要ですし、
あるべき形の1つではあります。

 

私も、性格上、
もともと「完璧主義」的な思考が強く、
昔は全子会社を統一的・標準的に
管理したいと思いながら実務を実施していました。

ただ、
いろいろな会社の状況や
子会社の事情、国ごとの思考の違い、に接するうちに
違い(多様性)を「許容」する領域を増やさないと前にも進めないし、
誰もついて来ることができない、
という状況に陥ることを理解するようになりました。

 

子会社数が増えるごとに、
許容する数も増えていかざるを得ない。

このように割り切ることは実務上は
避けられないのではないかと思っています。

 

とは言え、
親会社としては、
どうしても”貫くべきポイント”もあります。

実際には、
「貫くべきところ vs 許容してもよいところ」
のバランスは難しいところですが、
このバランス感覚こそ
親会社に求められる能力かもしれません。

最後に

最後に1つだけ
付け加えさせていただきます。

親会社として子会社の状況を
どうしても「許容する」ことが難しいと感じる場合には、
どうすれば良いのか?

 

対処方法は、

———————–
実際に子会社の担当者に
会いに行って、話し合うこと
———————–

です。

 

ベタですが、
やはりこれが一番です。

海外子会社であるなら、
なおさらでしょう。

 

普段、地理的に会うことが難しく、
メール等でのやりとりが多くなりがちな子会社ほど、
親会社側から子会社側に率先して出向いて、
話を聞きに行く姿勢。

この姿勢こそが、
子会社へも思いが伝わり、
子会社側においても、
「グループ方針に従えるようにもう少し頑張ろうかな」
と思ってもらえるようになります。

また、親会社としても子会社のことを理解でき、
「もう少し許容してもよいかな」
と思えるようになるのではないかと思います。

 

同じグループ内であっても、
「メールでは何度か連絡していましたが、はじめまして」
みたい会話はよくあります・・・。

実際に会って話をする前と後では、
展開が全く変わり、
スムーズになっていくはずです。

 

要は、

———————-
親会社が面倒くさがらずに、
グループ内を泥臭く動き回ること
———————-

この姿勢が大切だと思います。

★★★★★★★
子会社の担当者の顔は
わかりますか?
★★★★★★★