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Vol.156 多角化戦略を支えるシェアードサービス

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これまで、
多角化について、
連結決算の必要性(Vol.154
ホールディングスとの相性(Vol.155)
に関することをお伝えしてきました。

今回は、
連結決算、ホールディングスと並んで
「多角化三種の神器」の最後の1つである、
シェアードサービスについても
触れさせていただきたいと思います。

VOL.9

 

多角化戦略にも
いろいろな多角化の形がありますが、
どのような形であれ、
避けたいことがあります。

それは、
—————————————
多角化した事業が
バラバラな複数会社経営になること
—————————————
です。

このような状況を
もともと望んでいるのであれば別に問題ありません。

ただ通常は、多角化といっても、
既存のノウハウや市場を活用しながら、
横展開することが多いと思いますので、
やはり多角化した事業同士の連携や
シナジー効果は期待したいところです。

 

ところが、
多角化戦略をとっていると、
どうしてもグループ会社間の連携・シナジー発揮
といった点が上手くいかなくなることが多いです。

私の中では、
「連結グループ経営」とたんなる「複数会社経営」は、
大きく異なります。

個人的な思いとしては、
複数の会社を経営するのであれば、
やはりグループとして一体となり、
グループ会社同士が連携し合い、
グループシナジーを生み出し、
「1+1>2」
の経営を目指していくべきだと考えています。

このような経営を、
「連結グループ経営」
と呼んでいますが、
ただたんに複数の会社を経営しているのとは、
その実態は大きく異なります。

Vol.10

 

一方で、多角化戦略は、
往々にして「複数会社経営」
留まってしまうことが多いのです。

多角化戦略自体が、
そのような要素を持っているのかもしれませんが、
やはり、たんなる「複数会社経営」の形で
留まっている状況は、
とてももったいないと思います。

逆に、多角化が失敗しないためには、
意識的に「連結グループ経営」になるように、
心掛けるくらいの方が
良い結果を生むようにも思います。

 

それでは、
多角化戦略を進めていく中で
連結グループ経営を実践していくには、
どのようなことが必要になるのでしょうか?

これは、ずばり、
———————
横串管理
———————
です。

感覚的にはわかっていても、
実践できていないのが、
この「横串管理」なのです。

※参照「ホールディングス横串力

Vol.38(1)

もともと多角化して、
それぞれの事業が独立採算的に活動しているので、
自然に任せていては、
この「横串管理」は永遠に実施されません。

きちんと、
「横串管理の仕組み」
として、意識的に取り組まなければ、
絶対に実現は不可能です。

つまり、
グループ横断的な活動や取組み
求められるのです。

 

このグループ横断的な活動や取組みには、
いろいろな方法や事例がありますが、
実務面から重要な役割担うものこそ、

———————————
シェアードサービスの仕組み
———————————

だと考えています。

 

シェアードサービスについては、
これまでも何度となくお伝えしてきたので、
詳細の説明は、ここでは割愛したいと思いますが、
シェアードサービスを「コスト削減」だけを目的にしていては
もったいない仕組みだと思います。

シェアードサービスは、
グループ業務の「集約化」「標準化」によって、
グループ全体の「コスト削減」を実現する効果があります。
これは言わば「マイナスを減らす」取組みと言えます。

これはこれで
重要なグループシナジー効果ではありますが、
私としては、もう1つ
「プラスを増やす」タイプの
グループシナジー効果も、
シェアードサービスには期待したいところです。

つまり、
シェアードサービスが
上手く機能することで、
「横串管理でお互いの強みを生かす」
ということです。

Vol.32(1)

ついついバラバラになりがちな、
各事業会社のタテのラインを、
ヨコのラインで結びつけて、
グループ内の連携を強めていく活動です。

このような「プラスを増やす」役割も
担ってもらえるような「シェアードサービスの仕組み」
グループ内に構築できれば、
とても強い「グループ多角化経営」になっていくと思います。

★★★★★★★
横串管理の仕組みを持っていますか?
★★★★★★★

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