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Vol.148 必ず変わる?「グループ組織デザイン」との付き合い方(1/2)

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日々多くの会社で、
グループ内の組織再編
実施されています。

このグループ内組織再編のきっかけを
大きく分けると、

①新規事業が加わる
②既存事業を廃止する
③既存事業を整理しなおす

の3つに分類できます。

Vol.7(2)

 

上記①としては、
他の会社を子会社化したり、
新しく子会社を設立したり、
といった事例です。

また上記②については、
子会社株式を売却したり、
事業の撤退・清算をしたり、
といった場合です。

 

一方で、上記①②のように、
事業等が増えたり、減ったりするわけではなくても、
上記③のようなケースとして、
グループ内の組織デザインを
変更するケースがあります。

そして、この③については、
多くのグループ経営者が常々悩んでいる
のではないかと思っています。

 

具体的には、

——————————–
グループ内の
あるべき「分業」の体制は
どのような形なのか?
——————————–

という問いに、
いつも頭を悩ませるものです。

 

グループ経営における組織デザインの
オーソドックスな形態としては、
一般的には、

事業別にグループ会社を分ける
機能別にグループ会社を分ける
地域別にグループ会社を分ける

のいずれかのパターンになることが
多い印象です。

ただ、実際には、
完全にどれか1つのパターンに
分けられるわけではなく、
3つの形態がミックスされた形になっている例の方が
多いかもしれません。

Vol.19(1)

 

いろいろな組織デザインのパターンがあるなかで、
グループ経営者であれば、
おそらく「最適なグループ組織デザイン」について
試行錯誤された経験をお持ちだと思います。

それもそのはずで、
単一の法人であっても、
毎年のように組織変更が
行われるのが通常です。

ということは、
より可能性があり、広がりのある
グループ経営の場合には、
「グループ組織デザイン」は、
単一法人以上の頻度で
変更しても本来はおかしくありません。

 

何かの本で
ファースト・リテイリングの柳井社長が
「本来は『組織図』は毎日変わる」
といったような趣旨のことを書かれていた記憶がありますが、
まさにその通りで、
グループ企業の成長とともに、
理想の「グループ組織デザイン」も頻繁に変わっていくものです。

経営者としての思いが
組織体制・組織図に表れるものですので。

 

ただ一方で、
グループ経営におけるグループ組織デザインは、
単一法人と比べて組織変更が難しい、
という現実もあります。

実際に法人が複数に分かれ、
それぞれの法人に、
すでに「ミッション」が与えられている状態の組織デザインを
別のデザインに変えるという行為は、
莫大なエネルギーやコストがかかるからです。

Vol.25(2)

 

また、このようなケースにおいては、
グループ会社同士の
「合併」「事業譲渡」「会社分割」
といった組織再編手法が活用されることも多く、
専門的になってしまうため敬遠してしまったり、
会社法や税法のことを考える必要もあったりで
社長の意志だけでは簡単に進めていけない側面もあります。

そのため、
「変えたい」「変えるべき」
と思っても、
なかなか実行に移せないのが、
グループ経営における
組織デザインの変更と言えるでしょう。

 

このような前提を考えた場合、
グループ経営者としては、
結局どのようにグループ組織デザインを考え、
日々変わっていく思考の変化に
対応していけばよいのでしょうか?

 

このような悩みに対応するために
私なりにお勧めしたい思考法がありますが、
少し長くなってしまいそうなので、
続きは次回に回したいと思います。

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