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【コラム】あのグーグルもホールディングス化

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先日(2015年8月12日)の
日本経済新聞で、
「グーグルのホールディングス化」
の記事が掲載されていました。

持株会社として、
「アルファベット」
という会社を設立するとのこと。

社名については、
商標的な点でクリアすべきことがあるようですが、
ホールディングス化の方向性自体は、
固まっていると思われます。

今回のホールディングス化の目的は、
「第2の創業」
とされています。

具体的には、
ラリー・ペイジ最高経営責任者(CEO)は、
「革新的なアイデアが新たな成長市場を
生み出すテクノロジー業界で存在感を保つには、
居心地の良い状態からあえて抜け出す必要がある」
と説明しています。

これまで親会社として収益の基盤だった、
ネット検索・広告事業の「グーグル」は、
ホールディングス経営のなかの「一事業子会社」としての
位置づけに変わります。

Vol.31(1)

おそらく、
今後は、メイン収益事業の
ネット検索・広告以外の事業も拡大をしていき、
ネット検索・広告の柱に頼らない状況を
早期に確立していくという、
「第2創業の意志」
の表れだと思います。

また、
ホールディングス経営における
ホールディングカンパニーの体制は、
以下のようになるとのこと。

<ホールディングカンパニー>
・ラリー・ペイジCEO(共同創業者)
・セルゲイ・ブリン社長(共同創業者)
・エリック・シュミット会長

 

これまでの3人による「トロイカ体制」を
ホールディングス経営においても維持していく感じです。

一方で、
主力事業を展開する「グーグル」のCEOとして、
スンダル・ピチャイ上級副社長が昇格する、
とのこと。

中核事業の舵取りを
思い切ってピチャイ氏に委ねることになります。
ホールディングス化による「権限委譲」ですね。

一方で、
ラリー・ペイジCEOとセルゲイ・ブリン社長は
ホールディングカンパニーの役職として、
「新規事業の立ち上げ」
に取り組んでいくようです。

Vol.64(5)

また、
ホールディングス経営における
各事業子会社としては、
以下のようなグループ組織デザインになっていくようです。

<主な事業子会社>
・グーグル(ネット検索・広告)
・グーグルX(自動運転車など開発)
・グーグル・ベンチャーズ(投資)
・グーグル・キャピタル(投資)
・ネスト・ラボ(住宅設備)
・キャリコ(長寿の研究)
・グーグル・ファイバー(通信)

 

上記をご覧いただいても明らかですが、
生活のすべてに関わってくる感じになってきています。

グーグルはインターネットという
世界のインフラを支配している会社であるため、
すべての事業に乗り出せる状況です。

小さな会社や中小企業が簡単にマネをできる
ビジネスモデルではないと思いますが、
グループ経営者にとって、
ヒントになる点もあると思います。

それは、
「まずは中核事業において
顧客のインフラを作ることに専念する」
ということです。

Vol.34(2)

グーグルのように大きな範囲での
インフラ作りは難しいかもしれません。

但し、
それぞれの会社が現在置かれた状況において、
様々な顧客インフラがあると思います。

まずは、
今の顧客をフォローし続けるようなインフラ作りとして、
「広げないグループ会社化」
に取り組んでいただくことが
小さな会社や中小企業の重要な視点だと思います。

現在の中核事業のお客様を広げず、
現在のお客様のインフラを整備していくことで、
自然とグループ会社が増えていく形。

このようなグループ化の形こそ、
小さな会社や中小企業が目指すべき
理想的なグループ会社経営のモデルになる、
と考えています。

以下の記事でも記載をしていますので、
是非参考にしてみてください。
Vol.81 グループ顧客戦略①
Vol.82 グループ顧客戦略②

グーグルも、中核事業である
「検索機能」
という顧客インフラを整備していったからこそ、
事業の周辺領域が広がったのだと思います。

Vol.83(3)

顧客インフラの規模は、
会社によって様々です。

まずは、
・今の顧客に対して
・今の環境において
できることに注力していただき、
グループ全体として、
顧客インフラ整備を実践してみてください。

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