これまで
「広げない」グループ経営の
考え方をお伝えしてきました。

つまり、
グループ経営を拡大するには、
あえて、
①地域を広げない(どこで)
②顧客を広げない(誰に)
③商品・製品・サービスを広げない(何を)
の3点を意識するべき、
ということです。

「既存」を意識することで、
結果的に「新規」も広がるということでした。

時間はかかってしまいますが、
永続企業にしていくためには、
このような地道なグループ経営の方が
近道になります。

Vol.67(1)

ただ、そうはいっても、
新規市場や新規開拓をまったく意識しない、
というのは、
経営者としては現実的ではありません。

経営者という人種は、
常に「新規開拓」が頭から離れないものです。

そのため、
既存事業とは異なる子会社を作ったり、
ときには、
経営者の趣味的な会社を
作ったりすることがあると思います。

ただ、
このような会社は往々にして
赤字垂れ流し状態になったり、
ブラックボックス化したりするものです。

Vol.35(1)

それでも
このような会社が
「将来への投資」
が目的であれば、
完全否定するつもりはありません。

将来への投資は、
できるときに実施しておくべきです。
将来への投資は、
精神的余裕、金銭的余裕があるときにしか
できないものですので。

但し、
この「余裕」はどこから生まれてくるかというと、
「既存」ビジネスから生まれてくるもの、
であることを忘れないでいただきたいと思います。

つまり、
既存の地域、顧客、商品を
徹底的に追求する
「広げないグループ経営」
から生まれてくる「余力」といってよいでしょう。

既存と新規は
相互に関連しているということです。

結局は、
既存の地域、顧客、商品を
徹底的に追求することで、
確実に利益を稼いでいき、
その余力で、
将来への投資をすることになるのです。

Vol.34(1)

言い換えると、
将来への投資をするためには、
既存の地域、顧客、商品を徹底し、
余力を作ることが必須条件、
だということです。

そのため、
将来への投資ばかりに目が行って、
既存を疎かにすることになるのであれば、
いずれ「余裕」「余力」がなくなり、
結果的には、
将来への投資も失敗する可能性が高くなります。

既存をきちんとやるからこそ、
余力をもって将来投資ができる、
ことを肝に銘じておいてください。

 

そして最後に、
このような将来投資のための会社について、
ポイントをお伝えさせてただきます。

というのも、
将来の投資の場合は、
多くの場合は赤字が続くことがあり、
戦略的に取り組まなければ、
既存ビジネスにまで悪影響が及ぶことが
往々にしてあるからです。

将来の投資のため、とはいえ、
経営者としては、
グループ全体への悪影響は
出来る限り避ける必要があります。

そのためには、
是非以下の3つを意識してください。

Vol.47(3)

それは、
①新規の可能性を「創る」将来への投資である
②撤退ルールを決めておく
③連結決算を実施する
の3つです。

 

まず重要なことは、
新しく「創る」投資であることです。

すでに存在する他のマーケットに
ただたんに参入する、
というレベルなのであれば、
既存の地域、顧客、事業に
専念した方が良いと思っています。

「広げないグループ経営」を
徹底する方が効率的ですし、
結果的に広がっていくはずですので。

あえて「広げる」のであれば、
「自らニッチを創る」
くらいの意気込みで取り組むべきです。

重要な視点は、
ニッチは探すのではなく、
「ニッチは自分で創る」
という点です。

 

Vol.57(1)

これでこそ、
「広げる」意味があるといえます。

ちなみに、
経営者の趣味的な会社であれば、
グループ経営とは距離を置いて、
経営者ご自身のポケットマネーで
別会社を作ることをおすすめします。

これが失敗しないための秘訣です。

 

次に「撤退ルール」です。

これはよく言われることではありますが、
やはり決めておくべきです。

いつまでに、ここまで行かなければ撤退する。
ここまでお金をつっこんだら、それ以上は投資しない。

このような「期限」「金額」といった縛りを
必ず作っておいていただきたいのです。

Vol.58(2)

やり続ければいつかは成功する、
といった考え方も当然あります。

この考え方は、
確かに重要なのですが、
その前提として
「余力がある範囲」において、
ということになります。

時間やお金の面で
余力がなくなってまで続けていては、
そもそものビジネス自体が危うくなりますので。

成功している経営者は、
絶妙なバランス感覚をもって、
「継続」と「撤退」の2つの決断をしています。
両方とも決断できることが大事なのです。

 

そして最後に「連結決算」です。

このような戦略的子会社は
赤字になりやすいので、
目をそむけたくなるものです。

但し、
きちんと現実を見ることが重要です。

Vol.53(2)

連結決算という形で、
具体的かつ客観的な数字をもって
現状把握を正確に実施することが
重要になります。

正確な現状把握無くして、
正確な経営判断はできませんので。
(参照:Vol.64 赤字の子会社を直視して判断する勇気

ということで、
「新規開拓」を意識される場合には、
今回の内容を是非意識していただきたいと思います。