先日、あるクライアントの社長から
「子会社を作りたいんだけど、
連結決算とか、申告とか、複雑になるの?」
と質問を受けました。
すでに2社の会社(A社、B社)をお持ちで、
もう1つの会社(C社)を、
すでにあるB社の子会社として設立したい、
ということでした。
そもそも
「連結決算とは何か」
「大変になるのかどうか」
といった漠然とした質問です。
通常の会社の「決算」であれば、
関与度合いはあるにせよ、
社長であれば経験をしてきているはずです。
それが、
「連結決算」
となっただけで、
ハードルがかなり上がるようです。
別次元のこと、といった感じです。
とういうことで、
今回は、
「経営者のための連結決算」
について導入編として、
簡単にまとめておきたいと思います。
あくまで、
「経営者のため」の連結決算についてです。
一般的な解説とは視点が異なるかもしれません。
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Q1)連結決算とは?
グループ経営のための「仕組み」です。
Q2)仕組みとは?
社長がグループ経営を実践するうえで
・グループ全体の現状把握
・適切な意思決定
・グループマネジメント
等を実践するための仕組みです。
Q3)自社に必要なのか?
連結決算を導入するかどうかは、
社長が判断して決めることができます。
法律で要求される仕組みではありません。
あくまでに「任意」です。
上記Q2)の仕組みが欲しいかどうかで
ご判断いただくと良いと思います。
Q4)連結決算を導入するのは大変なのでは?
連結決算と連結グループ経営は表裏一体です。
「連結決算を導入する=経営スタイルも変わる」
という意味では、大変だと思います。
一方で、連結決算を活用した
グループ経営ができる仕組みができれば、
得られるメリットの方が必ず大きくなるはずです。
Q5)連結決算は誰がやるのか?
仕組みを作る責任者は、もちろん社長です。
社長が考え、悩み、努力することが不可欠です。
なぜならば、たんに決算書を作ることを
目的にしているわけでなく、
グループ経営の形を作っていくプロセスなので。
社長の責任のもと、
右腕や社員の協力のなかで作り上げていくことになります。
Q6)専門家にお願いできるのか?
実際に作り上げるのは社長や社員になります。
あくまで専門家は、
仕組みづくりのノウハウを提供したり、
後方支援する存在であり、
決して専門家に丸投げして
できあがる仕組みではありません。
Q7)コストがかかるのでは?
社長自身の時間、社員の時間、
必要に応じて、専門家への報酬、
ITシステム導入をする場合には導入費用、等
これまでに発生しなかった支出はあると思います。
但し、この支出を「コスト」と考えるか、
経営のための「投資」と考えるかは、
社長次第です。
Q8)小さな会社にも必要なのか?
基本的には、
グループ会社の「規模の大小」というより、
グループ経営への社長の「思いの強さ」によります。
但し、社長がグループ全体を完全に把握し、
マネジメントできる規模であれば、
まだ必要性は高くないかもしれません。
以上、いかがでしょうか?
少しは「経営者のための連結決算」の
イメージが湧きましたでしょうか?
今後、社長のために、
1つ1つ、連結決算について
ポイントを書いていきたいと思いますが、
今回は、まずは導入編でした。
連結決算についての
もし間違った先入観があれば、
これを機に再確認をしていただきたいと思います。
また、この連結決算は、
私が考えるホールディングス経営においては、
不可欠な仕組みになります。
不可欠というより、
ホールディングスと連結決算の仕組みは
一体となって動いていくもの、
と考えていただいた方がよいかもしれません。
ホールディングスも連結決算も
連結グループ経営のマネジメントに
直結する仕組みです。
次回以降、
経営者のための連結決算について、
もう少し書いていきますので、
連結決算を経営に活用するかどうか、
検討をしてみていただきたいと思います。