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【事例】日成ビルド工業株式会社

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※平成30年3月12日に日成ビルド工業株式会社より適時開示されている「持株会社体制への移行準備に関するお知らせ」をもとに情報を整理しています。

内容

持株会社体制への移行

開示概要

●平成30年3月12日開催の取締役会において
平成30年10月を目途に持株会社体制に移行するため、
その準備を開始することを決議した。

●なお、持株会社体制への移行については、
株主総会決議による承認が得られることを条件として実施する。

持株会社体制への移行の背景

●グループは、安定的な経営基盤の確立による持続的な成長の実現に向けて、
収益力・競争力強化のための戦略的な投資を実施するとともに、
グループ内事業の連携深化によるワンストップソリューションを展開し、
グループシナジー効果の最大化を推進している。

●今後更なる成長戦略を推進していくうえで、
グループ事業を支える組織体制並びに経営管理体制の再構築が必要と判断し、
持株会社体制への移行準備を開始する。

持株会社体制への移行の目的

●グループは、以下の目的をもって持株会社体制への移行を目指す。

①企業価値の最大化
グループ経営と業務執行を明確に分離したうえで、
環境変化やグループ経営課題に柔軟かつ迅速に対応していく全体最適経営を行い、
企業価値の最大化を目指す。

②グループシナジー効果の最大化
適時かつグループ横断的な連携戦略の強化
各事業会社における責任と役割の明確化により、
グループシナジー効果の最大化と経営の効率化を図る。

③コーポレート・ガバナンス強化
持株会社によるグループ内部牽制機能の充実を進めることにより、
グループ全体のコーポレート・ガバナンスを強化する。

持株会社体制への移行方法

具体的な移行スキーム及び移行後の持株会社体制等の詳細については、
今後の具体的な検討を踏まえて、取締役会で決議する。

持株会社体制への移行スケジュール

①平成30年5月(予定):持株会社体制移行に関する取締役会
②平成30年6月(予定):持株会社体制移行に関する定時株主総会
③平成30年10月(予定):持株会社体制へ移行

 

Review

今回は「日成ビルド工業」の事例です。

私自身が同社のことをあまり把握できていませんでしたので、
有価証券報告書で同社の状況を確認してみました。

 

すると、
同社の平成24年3月期までは、
基本的にはグループ会社のない経営だったようなのですが、
平成25年3月期以降は、
以下のような形で急速にグループ会社を増やしていった経緯があるようです。

—————————————————–
●平成24年9月:
「株式会社小澤建設(現 株式会社NB建設北関東)」の全株式を取得し、子会社とする。

●平成25年1月:
東南アジア市場への本格的な進出拠点として、シンガポールに子会社「NISSEI BUILD ASIA PTE.LTD.」を設立する。

●平成25年2月:
「相鉄建設株式会社(現 株式会社NB建設)」の全株式を取得し、子会社とする。

●平成25年3月:
「東和工建株式会社(現 株式会社NBパーキング)」の全株式を取得し、子会社とする。

●平成25年7月:
システム建築事業及び立体駐車場事業を展開するため、タイに子会社「SPACE VALUE(THAILAND)CO.,LTD.」を設立。

●平成25年9月:
建築物及び設備の清掃、保守及び管理等の事業を行う子会社「株式会社NBファシリティーズ」を設立。

●平成25年12月:
不動産の開発、売買及び賃貸等の事業を行う子会社「株式会社NBインベストメント」を設立。

●平成26年6月:
当社グループにおけるコンピュータシステム及びソフトウェアの企画、設計、開発、運用、賃貸借及び保守等を行う子会社「株式会社NBネットワークス」を設立。

●平成27年3月:
立体駐車場事業を展開するため、ベトナムに関係会社「PCC-1 NISSEI TIC AUTO PARKINGJOINT STOCK COMPANY」を設立。

●平成27年4月:
建築物及び関連施設の総合管理、メンテナンス事業を行う子会社「株式会社ジー・エフ・エム(現 株式会社NBマネジメント)」を設立。

●平成27年6月:
旧株式会社ジー・エフ・エムが営む建築物及び関連施設の総合管理、メンテナンス事業を子会社「株式会社ジー・エフ・エム(現 株式会社NBマネジメント)」が事業継承する。

●平成27年11月:
不動産の開発、取得、処分、賃貸及び管理等を行う子会社「合同会社スペースバリューA号」を設立。

●平成27年12月:
マレーシアにおいて駐車場運営・管理事業を展開する「EXCELLENCE PARKING SOLUTION SDN.BHD.」の株式を取得し、関係会社とする。

●平成28年4月:
「コマツハウス株式会社(現 株式会社システムハウスアールアンドシー)」の株式を取得し、子会社とする。

●平成29年1月:
株式会社NBマネジメントを存続会社、株式会社NBファシリティーズを消滅会社として吸収合併。
—————————————————–

このような感じです。

短期間でグループ会社数がすごく増えていますね。

 

そして、上記記載以降の1年でも、
さらに子会社を増やしている様子ですし、
また、少し前にはグループ拡大にあたり
33億円のシンジケートローン契約も締結しています。

 

同社がこのような急速なグループ拡大をしている背景は、
あまり調べきれていませんが、数字面でみると、
ここ数年のグループの売上高は以下の感じで急拡大しています。

———————————–
平成25年3月期:254億円
平成26年3月期:418億円
平成27年3月期:440億円
平成28年3月期:555億円
平成29年3月期:799億円
平成30年3月期:800億円(見込)
———————————–

 

またグループの経常利益については、
以下のよう感じです。
———————————–
平成25年3月期:19億円
平成26年3月期:24億円
平成27年3月期:33億円
平成28年3月期:44億円
平成29年3月期:66億円
平成30年3月期:61億円(見込)
———————————–

 

成長が著しい状況ですが、
平成30年3月期については前年と比べて
業績が伸びていないことが少し目立ちます。

 

この情報から(勝手に)読み取れることとしては、
過去5年くらい急速にグループ拡大を進めてきたなかで、
成長が一時的に鈍化したこのタイミングにおいて必要なことは、

—————————————
グループ事業を支える
組織体制や経営管理体制の再構築
—————————————

であると判断したのだと思います。

 

そして、それを具現化していく手段として、
今回の「ホールディングス経営の移行」という流れに
なったのではないでしょうか。

 

確かにグループ会社数が、
20社近くになってきているものと思われるので、
グループ経営管理はとても重要なステージといえます。

今後のグループ成長を支える管理体制を支える
ホールディングス経営体制を早期に整備し、
さらなる成長を持続していく同社の姿を期待したいところです。

 

★★★★★★★
もう一段階急成長するために
ホールディングス化
★★★★★★★

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