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Vol.195 グループ全体最適の実現に必要な2つのモノ

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連結グループ経営 vs 複数会社経営

 

連結グループ経営は、

「グループ全体最適」

複数会社経営は、

「グループ個社最適」

 

今回のテーマは「グループ全体最適」についてです。

「全体最適で物事を考えましょう!」

このフレーズは、よく耳にします。
ただ、理屈では皆わかっていることではありますが、
実践していこうとすると難しいものです。

これがグループレベルの「全体最適」となると、
なおさらだと思います。

 

よくある状況とは?

スライド2

まず、グループ会社3社あったとして、
このグループ会社の価値の単純合計「30」だとします。

 

この状態からグループ経営資源を適切に配分しながら、
グループ企業価値(利益)を最大化しようとした場合に、
どのようなパターンが考えられるでしょうか?

 

つまり、
グループ全体最適になる状態とは、
どのような状態でしょうか?

 

たとえば、グループ3社の各社長が、
今後のグループの方向性を考え、
グループ企業価値の最大化を考えたとすると
以下のような感じなることが多いものです。

 

スライド5

つまり、
結論がバラバラな感じです。

 

 

それぞれ考え方が異なることは
当然あり得ることなのですが、とはいえ、
グループとしては目指すべき方向性を統一しておかなければ、
グループ全体最適は実現できません。

 

この状態を放置しておくと、
「グループ全体最適」ではなく「グループ個社最適」の視点で、
各社が動いていくことになります。

 

スライド6

そこで、まず

「なぜ『グループ全体最適』の考え方に
 このような違いが生じるのか」

について、その要因を考えてみたいと思います。

 

グループ全体最適が実現しない理由①

スライド8

最初の理由は、

「グループの各社長、各社員が同じ『事実』を見れていない」

ということが考えられます。

 

事実は当然1つなのに対して、
その「事実」をどう読み取り、考えていくは人それぞれですし、
いろいろな考え方があってよいと思います。

 

ただ、そのような考え方の大前提には、

————————————-
関係者間できちんと「1つの事実」を
正確に把握している
————————————-

という前提が必要です。

 

スライド10

同じ1つの事実を見ることさえできていなければ、
当然、考え方のすり合わせは難しくなります。

スライド11

つまり、
どれだけ「グループ全体最適」を考え、
皆の意見を収れんさせていこうとしても、
スタート時点の認識している「事実」が異なれば、
難しいということです。

 

グループ全体最適が実現しない理由②

次に、グループ全体最適が実現しない
もう1つの理由を見ていきたいと思います。

 

スライド13

たとえば、グループ3社のそれぞれの社長が
グループ企業価値が最大化するような
「グループ全体最適」のバランスを考えたとすると、
一般的には、以下のような感じなってしまうと思います。

スライド15

つまり、

—————————
自分が関与している会社なり部署を
最優先に考えてしまう
—————————

ということです。

 

通常は、自分が直接関与していないところについては、
あまり詳しくないものですし、
業績評価等の制度の問題も絡んできますので、
これは、ある意味仕方ないことでしょう。

 

グループ全体最適を実現する「仕組み」とは?

ただ、このような理由があるからといって、
この状態を放置しておいては「グループ全体最適」の実現は難しく、
グループ企業価値の最大化も実現できません。

きちんと「仕組み」として、
このような理由(弊害)をできるだけ取り除いてあげることこそ、
経営者としては重要な仕事と言えるでしょう。

 

そこで、最後に
グループ全体最適を実現するための「仕組み」について
考えてみたいと思います。

スライド16

上図の2つの課題をクリアするような「仕組み」
必要になるということです。

 

まず、この2つの課題を解決するために、
必要な手段・視点を考えてみたいと思いますが、
たとえば、以下のような感じになると思います。

スライド17

1つ目としては、
グループ全社員(経営者含む)が
同じ目線で「グループの現状(事実)」を
正確かつタイムリーに把握できる「仕組み」を構築できるかどうか、
が重要なポイントになると思います。

 

そうすれば、まず出発点である

——————————
グループ全体の現状把握(事実認識)を正確にする
——————————

という点はクリアできます。

 

また、
公平な視点で、事実を見て、判断していくためには、
やはり「立場」が大きく影響してくるため、
公平な視点に立てるような「仕組み」も欠かせません。

 

つまり、

——————————
公平な視点でグループ全体を見ることができる
「立場」を作る必要がある
——————————

ということです。

 

それでは、
このような「仕組み」とは具体的には、
どのようなものになるかというと、

スライド19

といったことになると思います。

 

つまり、

——————————
グループ全体の正確な現状把握(事実認識)
 ⇒「連結決算」の仕組みで実現する
——————————

という方法と、

——————————
公平な視点でグループ全体を見れる立場
 ⇒「ホールディングス」の仕組みで実現する
——————————

という方法の2つです。

 

スライド20

 

以上を、まとめますと、

———————————-
グループ全体最適を実現する「仕組み」は
・ホールディングス
・連結決算
を活用して構築する
———————————-

ということです。

 

このように
グループ全体で経営を考え、
グループ全体最適の視点で判断し、
行動していく経営こそが、
「連結グループ経営」
と言えるでしょう。

グループ全体の視点がなく、
グループ個社個社がそれぞれやりたいように経営をしていく
ただの「複数会社経営」とは、
あきらかにレベルが違う経営です。

 

グループ経営者としては、
どちらの経営スタイルを目指していくかを、
まず決断することが必要だと思います。
(中途半端な状態が一番効率が悪いと思いますので・・・)

 

★★★★★★★
グループ全体最適を実現するために、
きちんと「仕組み」を用意していますか?
★★★★★★★

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