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【知識】「会計の世界」と「税務の世界」(3/3)

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連結グループ経営を実践するうえで
社長にも知っておいていただきたい知識の解説です。

はじめに

前々回(1/3)では「会計の世界」について、
前回(2/3)では「税務の世界」について、
お伝えさせていただきました。

今回は、最後に
「会計の世界と税務の世界の違い」
を意識したうえで、
お伝えさせていただきたいと思います。

「会計の世界」と「税務の世界」の優先順位

前回までにお伝えしたように、

————————————————————-
会計=企業活動の結果を定量化して表現すること
————————————————————-

である一方で、

————————————————————-
税務=公正かつ正しい税金計算を実施すること
————————————————————-

ということでした。

 

経営において重要なのは、
間違いなく「会計の世界」のはずです。
但し、「税務の世界」も
実務的には無視できません。

このようななかで、
会社規模が小さくなればなるほど、
優先順位が、
「税務の世界≧会計の世界」
となります。

これは、
・税金を少なくしたいというニーズが大きい
・「会計の世界」を企業活動に活用する余裕が無い
・税理士に会計業務を丸投げしている
といった状況によります。

 

一方で、
会社規模が大きくなればなるほど
優先順位が徐々に
「会計の世界>税務の世界」
となっていきます。

一番わかりやすい例は、
株式上場を目指し始めた会社です。

これまでは、
「税務の世界」ばかりを
意識していたところから、
「会計の世界」も要求されるようになります。

理由は、
外部投資家を意識した経営が
より必要になるからです。

株式上場と「会計の世界」

未上場の会社の多くは、
オーナー社長会社です。

この場合、
「社長=100%株主」
となります。

このような構図においては、
究極的には社長個人の財布を
意識した経営になりがちです。

どうしても
「税金の世界」を意識したうえで
節税対策といった方向に向かいがちです。

 

ところが、
会社が大きくなり始め、
たとえば株式上場を目指すと、
「社長=100%株主」
という前提が崩れてきます。

多数の外部投資家が
株主として参加するようになるからです。

そうなると、
「税金の世界」だけを意識した経営では、
許されなくなってきます。

企業活動がきちんと実施され、
それが反映された「会計の世界」を意識することが、
株式上場の必須条件となります。

 

ただ、だからといって、
「税務の世界」を無視して良いわけではありません。

「税務の世界」は、
会社であれば最低限対応しなければいけない
ある意味「義務の世界」と言えます。

株式上場を目指す会社や上場会社は、
優先順位は「会計の世界」になりますが、
一方で、「税務の世界」にも
これまで通り別途対応が必要になります。

つまり、
「会計の世界」と「税務の世界」の
二重対応が必要になるのです。

「会計の世界」を意識するステージ

起業当初の多くの会社は、
最初は「税務の世界」しか
意識していないと思います。

これはこれでも、
大きな問題はありません。

一方で、
会社規模が大きくなっていく会社は、
どこかのステージで、

——————————————————-
「会計の世界」を優先したうえで、
「会計の世界」と「税務の世界」の両者に
対応するステージ
——————————————————-

になってくるのです。

そのきっかけが
株式上場だったりします。

 

ただ、株式上場を目指さなくても、
優先順位を
「会計の世界>税務の世界」
に変えることは当然問題ありません。

たとえば、
私が主にお伝えしている
連結会計連結決算の考え方は、
「会計の世界」
の話になります。

別に「税務の世界」で
要求されているわけではありません。

 

一般的には、
●上場会社=レベルが高い
●未上場の会社=レベルが低い
と見られがちな側面があります。

このように「上場」しているかどうかで
会社の優劣を判断する考え方自体は
本来はナンセンスです。

但し、

———————————————————
会計、財務、税務、
といった視点に限って言えば、
「上場会社≧未上場会社」
の場合が圧倒的に多い
———————————————————

ということは言えると思います。

それは、
「税務の世界」だけでなく、
「会計の世界」にも対応しているからです。

両者に対応するのは、
確かに大変ではありますが、
経営管理という視点では、
「会計の世界」を経験している会社の方が
間違いなく分があります。

未上場会社だからこそ「会計の世界」へ

そう考えると、
未上場の会社でも、
上場会社に負けない会社にするためには、
「会計の世界」を意識した経営を
是非実践していただきたいと思います。

負担は大きくなりますが、
その分リターンも絶対大きくなるはずです。

未上場会社だからといって、
他の未上場会社と同様に
「税務の世界」だけを意識している経営では、
競争の激しい事業環境で生き残っていくのは
難しいのではないかと思います。

 

決して、
「上場していること=すごいこと」
ではありませんが、
「上場会社の経営管理レベル」
については目標にしても悪くはありません。

未上場会社の場合、
とくに「会計の世界」を意識することで、
大きな「差別化」要因になり、
競争優位の源泉になるはずです。

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